バイクロス補聴器の基本と効果を出すための補うポイント


バイクロス補聴器に関しては、なかなか記載がないため、こちらでは、仮にこの機器を使い、改善していくと良い方のために、

  • バイクロス補聴器の基本
  • 効果を出すための補うポイント

の2つに関してまとめていきます。

基本的な要素からまとめていきますので、仮にこちらが合う方は、参考にしてみてください。

バイクロス補聴器とは

バイクロス補聴器とは、まだ聴力低下が浅い耳側は、そのまま補聴器で耳を補い、補聴器では補えないもう片側にクロスという音の送信機を載せて、聞こえをよくする機器です。

実際には、このような形状をしており、まだ聞きやすい耳側は、補聴器の役割をして、聞こえを補い、聞こえを補えない耳側は、クロスという音を聞こえる耳側へ送る働きをします。そのようにすることで、片側のみで、聞こえない耳側の音も含めて、聞こえるようにします。

補っているイメージとしては、このようになります。仮に左側がまだ補える耳側だとしますと、そちらは、補聴器で補い、右側が補えない耳だとしますと、そちらにくる音は、聞こえる耳側である左側へ転送されます。

そうすることで、左右の音をまだ理解できる耳側で聞くことができます。それがバイクロス補聴器です。

バイクロス補聴器がほぼ無条件で合うのは、このような聴力。聞こえない側は、全然聞こえなく、もう片耳は、少し聞きづらいケース。

バイクロス補聴器がほぼ無条件で合うのは、このような聴力。聞こえない側は、全然聞こえなく、もう片耳は、少し聞きづらいケース。

耳の状況によっては、片側が全く補聴器で補えない耳で、かつもう片耳も少し聞きにくい……という場合があります。そのようなケースに使用されます。

バイクロス補聴器でどこまで補えるかの基本

基本的に補聴器は、残念ながら聴力を改善させることはできても、治す。というラインまでは、よくすることはできません。

▲は補聴器をつけた時の数値。この数値は、上に来ると来るほど、聞こえが良いことを表す。補聴器の場合、周波数別にこのような測定ができるようにもなっている。

▲は補聴器をつけた時の数値。この数値は、上に来ると来るほど、聞こえが良いことを表す。補聴器の場合、周波数別にこのような測定ができるようにもなっている。

これは、聴力データなのですが、これを補聴器ベースでみる測定があります。それでみますと、だいたい上記の数値、35dB、よくて30dBくらいまでの改善になります。※聴力が重くなると重くなるほど、この数値よりも下回るようになります。

補聴器の改善値と聴力データの数値の意味。補聴器は、聞こえを改善させることはできても、治るというところまでは、残念ながらできない。正常のラインすら、今現在は、厳しい状況。ただ、現状をよくすることはできる。

補聴器の改善値と聴力データの数値の意味。補聴器は、聞こえを改善させることはできても、治るというところまでは、残念ながらできない。正常のラインすら、今現在は、厳しい状況。ただ、現状をよくすることはできる。

聴力データは、一般の方の聴力をベースに作られていますので、聞こえている方は、だいたい0〜10dBで反応があります。しかし、その部分だけで全部聞こえていないといけないわけではなく、0〜25dBまでは、正常の範囲内になります。※世界保健機関WHO基準

そこから下にくると難聴になり、それぞれの程度の重さにより、聞きにくさがそれぞれ分かれる状態です。

その数値をみてみますと、補聴器でよくできても残念ながら、軽度難聴くらいになります。厳密には、これ以上に大きくすることはできたりもするのですが、無理にしてしまうと、周囲の音が大きすぎてしまったり、逆に周囲の音が聞こえすぎて、聞きたいところが聞こえなくなったりしやすくなります。

日常生活を送る上での音量を考えると大抵、35dBかよくて30dBくらいの改善度になります。そのため、耳を治すことはできないのですが、今現在の現状よりは、よくできます。それが補聴器です。

こちらは、右側がよく、左側は悪いと想定した場合の聞こえ。聞こえる耳側ほど、クロス側は改善はしない。同じくらいにすると、逆にクロス側からの音が大きくなってしまい、阻害されてしまうことが増えてしまう。

こちらは、右側がよく、左側は悪いと想定した場合の聞こえ。聞こえる耳側ほど、クロス側は改善はしない。同じくらいにすると、逆にクロス側からの音が大きくなってしまい、阻害されてしまうことが増えてしまう。

なお、バイクロス補聴器のもう片側の部分(クロスをつける側)ですが、基本的に聞こえは、聞こえる耳側につける補聴器の聞こえに依存します。その部分がよくなるとよくなるほど、全体的に聞こえの効果は高くなります。また、聞こえる範囲は、上記の通りで左右とも同じには、なりません。どちらかというと補聴器側の方が聞こえは良い状態です。

反対側のクロス側の聞こえのイメージは、赤で表現。少し聞こえる耳側よりも下になるが、そもそもの聴力(聞こえ)からすると、大きな改善になる。

反対側のクロス側の聞こえのイメージは、赤で表現。少し聞こえる耳側よりも下になるが、そもそもの聴力(聞こえ)からすると、大きな改善になる。

数値にすると、このようなイメージになります。クロス側は、聞こえる耳側より1メモリくらい下がるような状態です。これは、同じくらいの音量にすると、お互いに音が被さってしまい、理解することが困難になるためです。そのようなことから、聞こえやすい側の方を優先して聞こえやすくし、聞きにくい側は、補足として聞こえさせているような状態にしています。

これが、バイクロス補聴器の特徴です。

バイクロス補聴器の効果を出すには

基本的にバイクロス補聴器は、補聴器で効果を出す要素とクロス補聴器で効果を出す要素、の2つを混ぜれば、より良い状況にできます。

そのポイントは

  • 聴力で補える目標値までちゃんと音を入れる
  • クロス側は、耳あな型が良い傾向あり

の2つしかありません。

聴力で補える目標値までちゃんと音を入れる

補聴器には、その聴力に対して、改善させた方がよい改善目標値が存在します。その目標値の設定などの詳細は、省きますが、その目標値まで改善させることが最良の聞こえの効果を得る上で非常に重要になります。

補聴器の世界には、補聴器の効果を調べる音場閾値測定というものがあります。こちらでは、補聴器を使用した状況を把握することができます。その測定で、聴力別の補うと良い数値(改善目標値)まで補えると、聞こえの効果は得やすくなります。

そして、その数値よりも下にきてしまう場合は、聞こえの効果は、下に来るほど、低下するようになります。

重要なのは、この測定を行い、

  • 今聞こえている感覚
  • 自分の聴力における改善目標値
  • 今改善できている数値

の3つを把握できるようにすることです。

この3つが把握できると、例えば、今聞こえている感覚は、そこまで音が大きく感じることはなく、自分の聴力における改善目標値まで達成できている。ということがわかれば、そのままで良いですし、改善目標値まで足りないけれども、今聞こえている感覚は、少し大きく感じるので、これ以上、大きくするとキツイ、となる場合は、そこまでの改善にする。などの判断ができるようになります。

このように目標と今いる位置、状況がわかると、どのようにしたら良い状態にできるのかがわかりやすくなります。聞こえを改善させることは重要ですが、だからと言ってむやみやたらに音量を大きくしても仕方がありません。

重要なのは、聞こえの効果を出しつつ、日々の日常で使える状態にすることです。それを確認しながら決めていけると良い状態になりやすくなります。そして、できれば数値は、改善目標値まで改善させることです。

クロス側は、耳あな型の方がよい傾向あり

これは、あくまでも私の方で感じることなのですが、クロス側、聞こえない耳側につける機器は、耳あな形の方が、騒がしい中などの聞こえは、よくなる傾向があります。

聴力の程度にもよるが、片耳が重い場合は、これらの部分が出てくる。問題は、騒がしいところや少し音がある環境、複数の人との会話で、この部分が極端に難しくなる。

聴力の程度にもよるが、片耳が重い場合は、これらの部分が出てくる。問題は、騒がしいところや少し音がある環境、複数の人との会話で、この部分が極端に難しくなる。

特にバイクロス補聴器が適応する聴力の方は、騒がしい中や複数の人とのお話など、少し周囲が騒がしくなると急に聞こえにくさを感じやすくなりやすい状況です。

そのような状況を少しでも軽減するために、私の場合は、クロス側が基本、耳あな形のものをすすめています。少しでも聞きにくくならないようにするためです。

なお、耳かけ形は、耳かけ形で特徴があり、会議や打ち合わせといった拾う範囲が関係あるものが効果としてよくでます。

バイクロス補聴器の基本のまとめ

さてまとめていきます。バイクロス補聴器は、基本的に聞こえる耳側で、聞こえない耳側の音も拾う機器です。聞こえない耳側には、クロスという音の送信機を載せて、まだ聞こえる耳側には、通常の補聴器を装用します。すると、聞こえない耳側にきた音を聞こえる耳側へ送ってくれます。

この補聴器の効果を出す場合は、しっかりと聞こえの効果を確認することです。目標となる改善値まで改善できるとできるほど、改善はしやすくなります。

また、形状に関しては、別枠でもっと詳しく書くのですが、騒がしい中などであれば、まだ耳あな型の方が効果がでる傾向があります。静かな中であれば、耳かけ形の方が効果は出やすい傾向があります。

バイクロス補聴器の効果の部分に関しては、形状よりもしっかりと音を補うことの方が重要です。その部分さえ押さえておけば、よほどのことがない限り、失敗はしません。

ということで、こちらがお役に立てば幸いです。