補聴支援システム

アイセンスマイクロ有効活用例、補聴対象者の拡大

アイセンスマイクロという機器をご存知でしょうか。

補聴器メーカーのPhonak Japanより発売されている少し変わった機器です。主には、FM機器の聞こえチェックに使用されている機器ですが、現在、聞こえには問題ないけれども特定の場所で聞きづらい方に有効であると注目を浴びています。

今回は、そんなアイセンスマイクロとその有効症例について記載していきます。

アイセンスマイクロの概要

こちらでは、アイセンスマイクロの概要をまとめていきます。

FM機器の概要

inspiro&iSense

※Phonak Japanより借用

こちらは、補聴援助システムのFM機器の仲間です。

FM機器とは、送信機、受信機に分かれ、送信機側に入力された音声を受信機に転送するシステムです。送信機を話し手に装用し、受信機を補聴器に付けると、送信機に入力された音声が直接補聴器に入ってくるようになります。

補聴器の場合、騒がしい中や反響しやすい場所、距離が離れたりすると聞き取りづらくなるため、それらを改善しようと開発されました。この機器を使用するには送信機、受信機が必要です。二つあって初めて使えるようになります。

現在は、集団活動する場所、学校などでよく使用されています。

アイセンスマイクロはFM音声確認ツール

アイセンスマイクロ従来の使用方法は、FM機器の通信ができているかを確認する機器です。アイセンスと書かれた機器の横に、FMの送信機であるインスパイロが載っています。この二つを同期(繋げ)させ、音声がしっかり入るか、通信しているか確認します。

FM機器の通信状態を確認するのは、直接補聴器の音を聞いて確認する方法が一番です。しかし、健聴の方がやると大きな音を聞いてしまうため、耳の損傷になりかねません。

そのため、確認用としてアイセンスマイクロが開発されました。

アイセンスマイクロの活用

本来ならFM機器の確認のみだったアイセンスマイクロ、しかしこの機器は、とある症例の方に有効である事が認められました。

アイセンスマイクロで改善

聴力は正常ですが、周りが騒がしくなると極端に聞こえにくくなる障害を持っている児童への有効性が確認されています。ここにアイセンスマイクロの活用方法があります。

海外の方で症例があり、それにより、日本でも活用していく動きを見せています。そのような児童は、本来なら打つ手がありませんでしたが、アイセンスマイクロは、音量を増幅しないことがかえって有効となり、このようなケースに使用されることになりました。

私の実体験

私が体験した例ですが、送信機に話された音声が直接児童の耳に入るため、聞こえは良好です。使用されている先生(送信側)も児童も、伝わりやすくなった、聞こえやすくなったと評価してくださいました。

私が確認できたのは、周りが騒がしくなると聞こえにくくなる障害の子です。こちらは、上記の例の通り、使用する本人も聞こえが良好になり、送信機を使用する先生も明らかに使用した方が反応が違うと言ってくれました。

この機器が有効なのは、離れると聞こえにくくなる子といった、耳の聞こえは正常だけど何かしらの要素が加わると聞こえにくくなる、反応しにくくなる場合の子です。

使用時の注意点

機械に関わったことがありますので、その時思った注意点を書きます。

注意点は

  • 耳の大きさ(保持面)
  • 音量の調整方法

があります。

使用時の注意

アイセンスマイクロは、外耳道レシーバというものを使用します。耳にかける部分から、耳の穴にかけての長さに関しては、サイズがあります。しかし、外耳道レシーバ二関しては、サイズは一つしかありません。細長いイヤホンが耳の中に入るため、ある程度耳の穴が大きくないと耳の中に収まらず、アイセンスマイクロ本体が外れやすくなります。

外れにくくするにはスリムチップと呼ばれる補聴器のイヤモールドを作る方法があります。しかし、これを作るのにもある程度、耳の穴が大きくないと製作できません。

スリムチップが製作できない児童は、クローズドドームと呼ばれるこの機械特有の耳栓を使用します。この耳栓は、耳の中がかゆくなることがあります。しかし、このかゆみは3日~1週間ほど使い続けているとなくなってきます。慣れるまでの辛抱です。

また、児童の場合、耳の中に深くイヤホンをささない様に気をつけましょう。スリムチップなら問題ありませんが、クローズドドーム耳せん(通常の耳せんの事です)の場合、深く入ってしまう可能性があります。

耳の中には、刺激に敏感なところがあり、深く入れると痛みがでます。他、落下防止と耳の奥に侵入させないため、イヤホンに返しと呼ばれるイヤホン固定用の透明なものがあります。これを必ず付けてもらい、装用する練習をしましょう。

音量の調整方法

主には、

  • インスパイロ限定の音量調整機能を使う
  • 送信機のマイクの位置を変更させる

この二点です。言い方を変えれば、機械的に行うか、物理的に行うかです。

機械的に行うなら、インスパイロの音量微調整機能を使用します。ある程度音量アップ、ダウンの調整ができます。これは送信機のマイクの感度をあげたり、下げたりする方法です。

こちらの欠点として、話している声以外の周囲の音も大きく、小さくなります。大きくする場合のみ、デメリットとなります。

物理的に行うなら、送信機にあるマイクの位置を変更させます。最も簡単な方法です。マイクの位置を口元に近づけたり、離したりして調整していきます。声が小さい方ですと、マイクの位置が近い事で、息(ブレスノイズ)の音まで入る可能性があり、注意が必要です。

標準値で済むことも多いので、送信機の音量調整機能は使用せず、物理的に位置を変える方が簡単で良いかもしれません。私が経験したケースは、初め音が小さいという事で、インスパイロの機能にて音量を上げました。しかし、使用する人により声がうるさすぎるため、標準値まで下げました。物理的、かつ個々に対応する方が簡単で手っ取り早かったようです。

他、使用方法と注意点

アイセンスマイクロを使用する場合、送信機とアイセンスマイクロの電源を入れる事で使用できます。電源を入れた時に、お互い音が入っている事を確認できるとなおよしです。合図をし合うとか、電源が入っていない時だけ合図をしてもいいです。

また、アイセンスマイクロは、電池消耗が早いので、補聴器の電池は一緒に持ち歩きましょう。3~4日で電池が切れます※連続して使用した場合です。

同じく送信機も使用する前には、かならず充電する必要があります。

これらの事に注意いただければ、問題なく使用できるようになります。

アイセンスのまとめ

アイセンスマイクをは、あまり使用されていない機器ではありますが、このような活用方法もあります。あまり経験した事がない方が多いと思いますので、その経験を含めて記載させていただきました。

このような機器を使用することで聞こえるようになれば良いですね。気になる方は、体験されることをお勧めします。そして、これらの内容が参考になれば幸いです。

ABOUT ME
深井 順一
生まれつきの難聴者が対応している補聴器専門店、パートナーズ補聴器、代表。難聴の体でもなるべく人生を楽しめるように。という考えのもと、お店のサービスを考え、聞こえにくさにお悩みの方を補聴器で改善しています。書いている人の詳細は、”書いている人のページ”へどうぞ。お店に来た"お客様の改善事例は、こちら”に記載しています。最近は、Yourtubeにて、動画による解説も始めました。
【改善事例あり】聴力別、聞こえの改善方法をまとめてみました

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

聞こえにくさにお困りの方のために、こちらでは、聴力別、補聴器による聞こえの改善方法に関して、まとめてみました。

もし、

  • 職場で聞きにくさに困る事がある
  • 聞きにくい事でうまく人とコミュニケーションしづらい
  • 他のところで相談したけど、よくわからなかった

などありましたら、参考にしていただき、聞こえの改善にお役立ていただければ幸いです。

なお、こちらのページには、実際のお客様を改善した事例まで、載せています。同じような症状の方、聴力の方を参考にしていただき、改善のヒントを掴めたのであれば、幸いです。

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