ロジャー・FM・通信機器

進化した補聴援助システムRogerを使った感想

次世代の補聴援助システムRoger(ロジャー)。こちらは、FM機器よりも優れた通信機器です。FM機器の欠点であったものの改善やさらに騒がしい環境でも聞こえる様にした補聴援助システムです。

このシステムは、私自身気になっており、自分自身で使用してみました。その感想としては、ずいぶん良くなっている……と感じています。こちらは、音質が……ではなく、使い勝手が良くなっています。

では、FM機器と比べてどう良くなったのか、今回はそちらをテーマに見ていきましょう。Rogerは、FMと比べて非常に安定するようになりました。ここがRogerの良いところです。

次世代の通信機器 Roger(ロジャー)

Rogerとは、FM電波ではなく、2.4GHz帯を利用した無線LANの一種です。独自に内部に搭載するチップまでPhonak社が開発し、従来のFMで解決しにくかったものを解決できるようにしました。

Rogerの利点は、複数の補聴援助システムを使った時に、混信しなくなる事。ここが最大の特徴です。

以前は、補聴援助システムを使用する場合、一人一人に合わせたチャンネルを設定し、使用していました。しかし使用している人が近くにいるとお互いが干渉し合い、音声がしっかり入らなかったり、入力した音声が別の人の補聴器に入ったりしました。Rogerはこれらを解決してくれますので、使い勝手が非常に良くなっています。

それ以外にRogerになって改良されたのは

  • 騒音下での聞き取りが向上
  • ボタン一つで簡単接続
  • 音声が混線しない

公式から持ってくるとこの3点です。(フォナックジャパン公式Webサイト)

騒音下での聞き取り向上は、どのユーザーにも当てはまる事ではありますが、それ以外は人によって効果を感じにくくなります。ボタン一つで簡単接続は、一人しか使用しない場合は、補聴器屋が設定して終わりです。音声が混線しないのも使用している人が一人だと関係なく、メリットにはなりません。そのため、基本的には、騒音下での聞き取り向上のみが、効果になります。

Roger(ロジャー)を使ったメリット(FMと比較)

という事で実際に私が使った感想と試した児童の感想を入れて書いていきます。

利点はまとめると

  • 音声の区切りがしっかりしている
  • 騒がしい中での聞き取りはFMと比較すると良い

この二点です。

音声の区切りがしっかりしている

音声の区切りというのは、Rogerを使った場合、通信INとOUTがはっきり分かれています。

従来のFM機器は、通信状態が良好ではなくとも繋がる事がありました。しかし、状況が良くないとノイズがのった状態で聞こえる事があり、聞きやすい状態で音が聞こえる事はありませんでした。むしろバリバリとノイズが聞こえるのは、補聴器装用者からすると非常にイライラする音であり、好ましい音ではありません。

Rogerの場合は、繋がるところは繋がり、繋がらないところは繋がりません。通信状態を把握する事により繋がる状況になる事で初めて通信し始めます。この変更点は、非常にうれしい事でした。

また、通信状況を良くしている何かがあるようです。これにより、ノイズがのって聞こえるという事はありませんでしたし、今までノイズがのって聞こえるところでもノイズは聞こえませんでした。

試しにドアを閉めて通信もしてみたのですが、以前ならうんともすんともいわないところが、Rogerだとキレイに音声まで入ります。ドアの下の隙間から?通信しているのか、なぜか繋がります。どうも通信状況を良くしている何か、または、この通信が強くなっているようです。

実際に児童に試聴していただいたケースでは、学校の授業の際、ノイズが入りませんでした。今までは、授業中、先生にFM機器を持ってもらった場合、黒板側に向かいながら先生が話すと(先生からすれば字を書きながら話している状態)ノイズが入る事がありました。FMの場合、使用している先生の体が壁になることで、通信状況を悪くしてしまいます。しかし、Rogerでは、そんな事はありませんでした。

飛距離については変わらず15〜20mくらいです。障害物はないほうが伝わりやすいのですが、多少あっても通信します。安定性がFM機器とだいぶ変わりました。これは、非常に良い変更です。

Rogerを使用する際、もし聞き取りにくい環境があれば、聞き取りにくい環境で無理に使用するのではなく、環境そのものを変える方が対応しやすくなります。Rogerの場合、INとOUTがはっきりするようになっていますので、どのようにすれば安定するのかもわかりやすくなっています。また、FM機器より通信状況は良くなっていることもあり、環境を見直す方がより改善しやすくなりました。これも嬉しい変更点です。

騒がしい中での聞き取り向上

騒がしい中での聞き取りはFMと比較すると良い。公式Webサイトでも書かれていましたが、どうやら本当のようです。(すみません、本当に?と疑っていました……)

比較的静かなところでは、FM機器と音声は変わりありませんでしたが、周りが騒がしいとロジャーの方が聞き取りやすいようです。私自身は、静かなところでも、騒がしいところでも変わりを感じませんでしたが、試した方の意見を聞くと、Rogerの方が聞こえやすかったと答えた人がいます。

人によって変わるところですが、効果が出ている人もいらっしゃるのも事実でした。

ここは実際に試してみて比較するのが良いでしょう。ただし、感覚では、難しいので、同じ音量の音声妨害音を出して、どれだけ話し手の声が聞き取れるようになるか検査、または、テストしないとわからない可能性はあります。

現状より良くなる機器は、大歓迎ですね。

Roger(ロジャー)のデメリット

聞こえに関してはありません。唯一あるとしたら、自立支援法の特例補装具に認められるケースと認められないケースがある事です。

また、金額が少し、FM機器より上がっています。基本的には同じなのですが、FM機器は非課税、Rogerは課税のため、課税分支払う金額が上がります。

現在、自立支援法では、FM機器を自立支援法支給の対象としており、FM機器ではないRogerは支給対象外とされるケースがあります。

最近は、少しずつ支給が認められるケースが増えているようです。もちろんこちらは身体障害者手帳がない方には残念ながら無縁のお話です。

なお、身体障害者手帳がある方は、申請する事によって国からの補助が認められるケースがある事を示しており、こちらの商品を現金で購入する事は可能です。

そのため、国からの補助が断られたら、現金で購入するという考えもあります。

それ以外のRoger(ロジャー)の気になるところ

Rogerは、従来のFM機器とも通信できます。同じ教室に、Roger受信機を使用している子とFM受信機を使用している子が混在していても、Rogerの送信機さえあれば通信できます。

Roger送信機1つに対し、受信機がいくつ設定できるかはわかりませんが、メーカーの人いわく「いくつでも出来ます!」と言っていたので、一般的に使う分には大丈夫なのでしょう。

海外諸国でも使われている機械ですので、問題があれば回収されているはずです。

アメリカンスクールのスケールは日本の比ではありませんし、変なもの出したら、訴えられて終了でしょう。一般的に考えれば、大丈夫だと考えられます。

あとがき

好きに書かせてもらいました。意外に書いているところがないので自分で書きました。FM機器より、Rogerの方が断然お勧めです。手帳を持っている人は自立支援法が通るかが分かれ目になりますが、無い方は、FMよりRogerの方をお勧めします。

Phonakさんも良い機械を作ってくれるのですが、手帳を持っている人は、自立支援法の法制で足踏みしている状態です。良い機械が皆に行き渡る世の中になれば、より良くなるのですが、まだまだ道は険しそうです。

 

この内容をご覧の方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:難聴児の聞こえを改善させるFM機器、Rogerとは

リンク:補聴援助システムを購入前に理解したい欠点の改善方法

リンク:送信機別の機能から考えるFM送信機の選択方法

リンク:FM機器、Roger受信機の比較と選択方法

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら。お店に関しては、こちらに詳細を書いています。お店の場所は、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、あります。
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