今現在、インターネットが発達した事により、パソコンで色々な事ができるようになりました。音楽、動画を無料で見れるこの時代は、本当にすごい時代だと思います。
個人的には、難聴であってもこれらのものを楽しんで良いと考えています。好きな音楽を聞いたり、好きな動画、あるいは気になる動画を見て、勉強するのも良いでしょう。何より、このようなものを楽しめるようになれば、より生活は豊かになりますし、楽しむ事もできるようになります。
今回は、これらの世界をより楽しむために、音声の聞き方についてまとめていきます。機械が増えてきた今、様々な選択肢があります。これらの選択肢でベストなものを選べれば、より音声を聞いて楽しめるようになります。
それでは、見ていきましょう。
目次
パソコンの音を聞く方法
まず初めに、どんな方法があるかを見てみましょう。主には、
- 自分の耳のみで聞く方法
- 補聴器あるいは人工内耳を通して聞く方法
この二つがあります。
中等度あるいは、高度難聴までは、自分の耳のみで聞けるかもしれません。一部の高度難聴と重度難聴は、補聴器あるいは人工内耳から音を聞いた方が聞こえやすくなります。
いろんな方法がありますので、色々と試してみるのが重要です。
自分の耳のみで聞く方法
これには主に、
- ヘッドフォンを使う
- スピーカーを使う
この二つがあります。この方法があう方は、軽度〜中等度難聴までになります。スピーカーを使用する場合は、高度難聴まで対応できると考えられます。
ヘッドフォンを使う方法
恐らく、最も一般的な方法です。軽度難聴〜中等度難聴までは、こちらで対応できます。ヘッドフォンを直接耳にかけ、接続端子をパソコンのヘッドフォン端子に入れて使用します。ヘッドフォンの場合は、音量をパソコン側で操作します。多くの方は、デスクトップ上にスピーカーの形をした音量調整マークがありますので、それらで調整する事になります。
ヘッドフォンにも色々種類があり、購入する場合は、一般的なヘッドフォンであるオーバーヘッド型かダイナミック型が良いでしょう。
ほとんどのヘッドフォンは100dBほど音が出る様になっています。中等度難聴、一部の高度難聴の方には、十分音量が足りると考えています。
スピーカーを使う方法
パソコンとスピーカーを繋げ、さらにヘッドフォンを使用する方法です。高度難聴くらいまでは、対応できると考えられます。アンプが内蔵されたスピーカーを使うことにより、パソコンで最大に音量を上げるよりも、音量を上げられたり、音質を向上させる事ができます。
スピーカーが中間に入りますので、ヘッドフォンのみを使用するより金額は高くなります。ヘッドフォンでは音が物足りない場合はスピーカーを入れると聞こえやすくなる可能性があります。
ただ注意点として、アンプが内蔵されたスピーカーを使う事をお勧めします。
スピーカーにも色々種類があり、アンプが内蔵されていないスピーカーと、内蔵されているスピーカーがあります。アンプが内蔵されていないスピーカーですとあまり音量が変わらないかもしれません。音量を考えるなら、アンプが内蔵されたスピーカーがお勧めです。
スピーカーはヘッドフォンを使用する方法しかないわけではありません。そのまま音を出して、補聴器、人工内耳で聞いても良いですし、スピーカーからの音を直接、補聴器、人工内耳に送っても良いです。
考え方次第で色々応用できます。
補聴器及び人工内耳を使用する方法
補聴器及び人工内耳には、直接音を入れる事もできます。こちらは、対応幅が最も広く軽度難聴〜重度難聴まで対応できます。
補聴器及び人工内耳に直接音を入れる方法には、
- Tコイルを使用する
- オーディオシューを使用する
- Bluetooth機器を使用する
- FM及びRogerを使用する
があります。これらの特徴は、全て補聴器、あるいは、人工内耳の音量で調節ができますので、耳の聞こえが低下した方でも聞こえやすくなる傾向があります。
では順に見ていきましょう。
Tコイルを使用する方法
イメージとしてはこんな感じです。
※自立コムより画像を拝借しました
対応聴力は、軽度〜重度難聴。価格は、片耳、6,800円(税抜)両耳、9,500円(税抜)になります。画像では、片耳しかありませんが、両耳使用できるタイプもあります。耳にかける部分とコードの先端にイヤホンジャックがついていますので、iPhoneに差したり、スピーカーに差して聞く事ができます。
Tコイルを使用する方法には、自立コムの製品M−リンクと、補聴器及び人工内耳側にTコイル設定をする必要があります。使用方法として、自立コムのMリンクを耳にかけ、Mリンクから出る磁気をTコイルで受け取ります。
昔の補聴器には、Tコイルが自動でついていました。しかし、現在の補聴器、人工内耳はTコイルを使用する機会が少ないため、そのままでは使用できない可能性があります。
耳かけ型の補聴器、人工内耳であれば、フィッティング、又はマッピングをしてもらう事で、Tコイルに反応させる事ができます。内部の設定方法として、Tコイルも動作させつつ、補聴器、人工内耳のマイクも動作させる方法とTコイルのみ動作させる方法があります。
お勧めは、Tコイルのみです。機器の音を入れて、Tコイルの音を入れると、Tコイルからの音が小さく感じ、聞こえない事がしばしばあります。良く聞きたいなら、Tコイルのみがお勧めです。
なお、耳あな形補聴器を使用している場合は、この方法をお勧めしません。Tコイルの音声を送るMリンクを耳にかける必要があり、補聴器とMリンクの距離が離れているため磁気が届く保障はありません。また、耳あな形にはTコイルが入っていない場合もあります。
耳あな形の場合、のちに紹介するBluetooth機器の方が良いでしょう。
注意点として、Tコイルを常に動作させると磁気を感じるところでは、ノイズがします。代表的なのは、時計、パソコン、蛍光灯、電車の中です。
これらの音が気になるなら、Tコイル(Mリンク)以外を選択する必要があります。
オーディオシューを使用する場合
オーディオシューとは、外部入力の際に使用される部品です。補聴器、人工内耳は、直接音を機器に入れる事ができます。用意するものは、それぞれの機器に合ったオーディオシューとMP3用プレイヤーコード(特殊形)が必要になります。
写真はこちら
オーティコン株式会社より拝借しました
(Webサイトはこちら)
対応聴力は、軽度〜重度難聴。価格は、例を出すとアダプター(@4,000円、税別)+コード(片耳:2,940円、税別)になります。こちらは、片耳で使用する場合になりますので、両耳であれば、コード代は5,250円(税別)になります。なお、こちらは、あくまでも例になります。金額は、アダプター代が各機種によって異なる場合がありますので、金額は、おおよそ程度にお考えください。
うっすら見える2番の白いコードがMP3用プレイヤーコードになります。左に載っているのは、名前こそ違いますが、オーディオシューと呼ばれるものです。補聴器に直接音を入れる場合は、補聴器とプレイヤーを繋げる必要があります。オーディオシューとMP3用プレイヤーコードは、そのために存在します。
プレイヤー側は、イヤホンジャックがあります。その穴にMP3用プレイヤーコードのイヤホン端子3.5mmを接続します。しかし補聴器側に差し込む場合、補聴器に直接差し込む事ができないため、ここで仲介役のオーディオシューが必要になります。
このオーディオシューは、補聴器によって異なりますので、詳しくは、販売店に訪ねる事をお勧めします。カタログを見ても、一般の方は、どのオーディオシューが自分の補聴器に合うかわかりません。
左に載っているのは、あくまでもオーティコンさんの補聴器用オーディオシューです。メーカーが異なれば補聴器の形も異なるように、オーディオシューも異なります。間違って注文しないようにしましょう。
音に関しては、接続入力された音のみが聞こえる様になります。仮に補聴器の音も入力音も……と考えている方には向きません。
また、外部に機器が出ているため、汗の影響を受けやすいので注意してください。
なお、人工内耳も同じくオーディオシューが存在します。詳しくは販売店、メーカーに問い合わせてみてください。メーカーによって付属品が異なり、購入セットによってはオーディオシューが付属されているケースがあります。無い場合は購入の必要がありますので、メーカーに問い合わせる必要があります。その際、必ず「MP3などの音声を直接人工内耳に入れたい」と相談してください。部品を依頼するより、どうしたいのかを伝える方がメーカーの方も求めているものがわかり、適したものを提供してくれるでしょう。
なお、一部の人工内耳は、入力端子がついておりオーディオケーブルで直接繋げるものもあります。
機器によって異なりますので、それぞれに適した方法で聞きましょう。
Bluetooth機器を使用する方法
Bluetoothという通信規格を使用することにより、音声のやり取りを行います。聴力対応は、軽度〜高度難聴くらいまでです。金額は、30,000〜50,000円くらいします。音質は比較的良いとされており、各種補聴器に対応するBluetooth機器を用意する必要があります。別途アクセサリーで販売されていますので、詳しくは、販売店へお問い合わせください。
Bluetooth機器の場合、機器を首にかけて使用します。そのため、一つあるだけで、両耳にも片耳にも対応できます。また、Tコイル、オーディオシューにあったコードの煩わしさはありません。しかし、通信を常に行う必要があるため、補聴器の電池を消耗しやすい傾向があります。通信期間中は、電池消耗が約3倍のスピードで減ります。また、通信機器も充電する必要があり、連続使用時間は、どのメーカーも約10時間ほどです。
こまめな充電と補聴器電池を消耗しやすくなるのが欠点です。
耳あな形の場合、Tコイルよりこちらがお勧めです。こちらの方はしっかりと反応します。
機械外の注意点としては、一部の補聴器には使用できません。Bluetooth対応機器とそうでない機器があります。比較的高価な補聴器は、通信機能は装着されてますが、低価格の補聴器には、安く補聴器を出すために、この機能を削っていることがあります。そのため、まずは通信機器が使用できるかを確かめましょう。
そして、これらの機器の傾向として、補聴器のマイクを動作させつつ、Bluetoothにて音声を入れるようにしてあります。補聴器から入力される音とBluetooth機器から入力される音が入るため、Bluetooth機器の音声のみにする事ができるかは、販売店に相談してください。
一部のものは危険回避のため、完全にBluetooth機器の音声のみにすることができないようになっています。こういった事も含めて、自分の目的に合わせて使用可能かを考える必要があります。
なお、人工内耳用はありませんのでご注意ください。
FM、Rogerを使用する方法
FMやRogerは、通信機器になります。送信機に音声を送ることにより、受信機がつけられている補聴器に音声を入れられます。対応聴力は、軽度〜重度難聴。金額は最も高く片耳で140,000〜になります。FM、Rogerは、このように使用するものではなく、元々は、人の音声を聞くための道具です。こちらでは、音を直接入れられるツールとして、紹介します。
送信機の付属品には、オーディオケーブル3.5mmイヤホン端子両端についているものが付属であります。送信機とパソコンに接続して使用すれば問題ないでしょう。
FM、Rogerも使用すると使用する程、Bluetooth機器同様、電池の減りが早くなります。通信技術があるものは、電池を消耗する傾向があります。
なお、こちらも色々な使用方法があります。パソコンから音を出し、送信機のマイクから入った音声を聞く方法、直接、送信機に送られた音声を聞く方法です。
機会があるかわかりませんが、みんなで見るならパソコンから音声を出し、送信機のマイクから入った音を聞く方法が良いでしょう。一人なら、直接送信機に送られた音声を聞く方が良いと考えています。
ただ、直接送信機に送られた音声は、小さい事もあるので、場合によっては、パソコンから音を出した方が聞こえやすいかもしれません。
ここは、どんな風にやったら良いか、試してみながらやるのが良いでしょう。実験していくことで色々な使用方法が思いつきます。
人工内耳も、補聴器も同様です。
それぞれの選択方法
ここまで、色々と紹介させていただきました。しかし、数が多いとどれを選んだら良いのかわからなくなってしまうというのは、良くある事です。そこで、どれを選んだら良いか分からなくなってしまう事も考え、少しまとめてみます。
軽度〜中等度は、ヘッドホン
第一に考えるべきは、耳で聞く方が良いのか、補聴器で聞く方が良いのかです。こちらは、人により分かれますが、高度難聴、重度難聴の方は、補聴器を使用したタイプが良いです。そして、軽度〜中等度難聴の場合は、ヘッドホンが最も聞きやすくなります。
耳で聞く方法の場合、考えられるのは、ヘッドフォンのみで使用するか、アンプ内蔵型のスピーカー+ヘッドフォンです。中等度難聴までは、ヘッドフォンのみで恐らく聞き取れるはずです。それ以上の難聴の方は、より大きな出力を出せるアンプ内蔵型のスピーカー+ヘッドフォンが良いでしょう。
それ以上は、補聴機器からの聞き取り
補聴器を使用するやり方は、音質、金額、利便さで考えていきましょう。こちらでは、耳かけ形と耳あな形で分けていきます。耳かけ形と耳あな形では、対応するものが異なりますので、注意が必要です。
耳かけ形の場合
こちらは、耳かけ形の例で記載していきます。耳かけ形の場合
- Tコイル
- オーディオシュー
- Bluetooth
が使用できます。上記の内容には、FM、Rogerが入っていますが、音声を聞くだけで、この機器を購入するのは、ほぼありえませんので、抜かします。
Tコイルの利点は、気軽に耳にかけられることです。耳に装用するだけですので、対して難しい動作ではありません。欠点は、
- コードが邪魔になりやすい
- 他のものと比較し音質が悪い
- 磁気でノイズが入る可能性がある
これらがあげられます。
オーディオシューの利点は、音質が良い事です。欠点は、
- 劣化しやすい(壊れやすい)
- コードが邪魔になりやすい
この二つが上げられます。
Bluetoothの利点は、
- 音質が良い
- コードを気にしなくて良い
この二つがあります。欠点は、
- 設定が面倒
- 電池の持ちが悪い
- 高い補聴器しか設定できない
この三点が上げられます。
音質に関しては、 良い Bluetooth>オーディオシュー>Tコイル 悪い
金額に関しては、 高い Bluetooth>オーディオシュー≧Tコイル 安い
になります。入力される音声に関しては、Bluetoothはステレオ、それ以外はモノラルとなります。
また、聞こえるようにする音の種類も異なります。
直接入力された音のみ再生、補聴器の音声と直接入力音両方を入れるなどの切り替えができるのは、Tコイルのみです。オーディオシューは、直接入力された音のみ再生します。補聴器の音を入れつつ、直接入力された音を再生する事はできません。Bluetoothは、補聴器の音声、直接入力音両方とも入る設定しかできません(メーカーにより変わる可能性あり)。
そのため、どんな風に聞きたいのかを考える必要があります。集中して聞きたいなら、直接入力された音のみ再生されれば良いでしょうから、Tコイルかオーディオシューとなります。聞きたい音を聞きつつ、周囲の音も聞きたいなら、TコイルかBluetoothになります。
オーディオシュー、Tコイルは、基本どんな耳かけ形補聴器にも装用できます。
Bluetoothは対象となる補聴器が少ないため、一般的には、オーディオシュー、Tコイルを使用し聞き取るケースが多いです。お勧めはオーディオシューです。こちらの方が音をしっかり感じやすいので、お勧めです。
気になる方は、オーディオシュー、Tコイル、どちらも試聴してみた結果で選択するのも良いでしょう。どれも変わらないなら、扱いやすい方を選択します。そうすれば間違いはありません。
耳あな形の場合
耳あな形の場合、かなり特殊になります。
- Bluetooth
- FM、Roger
この二つが対応します。耳あな形補聴器の場合、かなり制限がかかります。Bluetoothは、ある特定の機種にしか対応しませんので、確実に対応させるのなら、FM、Rogerのどちらかになります。そして、金額は、最も高額で14万〜します。首にかけるTコイルタイプを使用する事で、音声を直接、耳に入れられます。Tコイルタイプの注意点は、上記のTコイルと同じになります。
耳あな形補聴器の場合は、Bluetoothに対応している機種なら、Bluetooth。それ以外ならFM、Rogerになります。対応しているものが少ないため、このようにわかれます。
あとがき
パソコンの音声を聞く方法について記載してみました。かなり多くなってしまいましたが、要約しますと軽度〜中等度難聴は、ヘッドホン、それ以上の方の場合は、Tコイルかオーディオシューで聞くのが最もよい選択肢になります。ただ、耳あな型の場合は、Bluetooth、あるいはFM、Rogerでしか音声を入れられなくなりますので、ご注意ください。これらのもので、よりインターネットが楽しめるようになれば幸いです。
なお、軽度〜中等度でもTコイル、オーディオシューを使用してももちろん構いません。補聴器や人工内耳から聞いた方が聞きやすいという方もいます。重要なのは、何事も試してみる事です。そうすれば、自分に合うのか、そうでないのかがわかるようになります。これらの内容で、少しでも楽しめるようになれば、幸いです。
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