ロジャー・FM・通信機器

難聴児に合ったFM機器、Roger送信機の選び方

FM機器、Rogerには、送信機、受信機の二つがあります。このうち選択に迷うのは、送信機の方です。

送信機にも色々種類があります。その種類によっても得意な事が異なります。

今回は、送信機の種類を網羅しつつ、児童用にどのような送信機を選んでいけば良いかを記載していきます。少々難しいお話しになりますが、参考になれば、幸いです。

なお、FM機器。Rogerの基礎を伺いたい場合は、こちらをお勧めします。とくにFM機器?Roger?の違いが不明な方は、ご覧になった方がこちらを理解しやすくなります。

リンク:難聴児の聞こえを改善させるFM機器、Rogerとは

送信機の選び方は二つに分かれる

まず、結論ありきで申し上げますと、送信機の選び方は二つにわかれます。それは

  • 授業を重視するか
  • オールマイティに使うか

この二つです。送信機は、主に

  • ピンマイク型
  • スティック型

の二つにわかれます。それぞれピンマイク型が授業重視。スティック型がオールマイティに使用できるタイプになります。

この部分を覚えておくとぐっと選びやすくなります。

ピンマイク型の概要

送信機のピンマイク型には、FM機器、Rogerの両方があります。フォナック社製でいうとFMインスパイロ、Rogerインスパイロがピンマイク型にあたります。イメージは、このような感じです。

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

ピンマイク型は一人の人に持っていただく形状になっており、送信機を使用している人の音声が最も良く届くように設定されています。装用者は、胸元にマイクを装着し、本体は、ポケットか、首にかけるか、ベルトに装着します(ベルトにつける道具があります)。また、口の近くにマイクを付けているため、キレイな音声が受信機を付けている児童に届くようにもなっています。

これがこのタイプの特徴です。

実用例

実例として出すと学校の授業がまさにぴったりな使用場所です。学校の授業では、主に先生がお話しします。一人の先生がお話しする環境では、その先生の声が聞こえれば良いケースが多くなりますので、対応しやすくなります。

まとめ

このタイプは、一人の人が話す環境に最も合いやすい機器です。

スティック型の概要

送信機のスティック型は、FM型しかありません。イメージは以下のようなものです。※2014年10月にRoger penなるものが発売されましたので、厳密には、FM機器、Rogerの両方があります。が、Roger penは扱った事がないため、こちらでは触れません。

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

スティック型の特徴は、どこでも使えるところです。マイク入力に関して変えられるボタンがついており

  • 無指向性
  • 指向性
  • 超指向性

この三つから選ぶことができます。そしてスティック型は、首にかけて使ってもらったり、送信機そのものを机に置いてお話しを聞いたり、自分で持って相手に向けて聞いたり、様々な使い方ができます。ここが一番の長所です。

実用例

例えば先生には、そのまま首にかけて使用してもらい、グループ学習の時は、集めた机の中央に載せて会話を聞き取る……というやり方があります。スティック型には、ピンマイクを追加する事もできますので、ピンマイクに話してもらうことでも音声が入ります。また、自分自身で持って、相手に向けて使用している方もいます。

このように工夫次第で色々できるのがスティック型の特徴です。

注意点

もし先生に使用いただく、あるいは首にかけて使用いただく場合は、付属品のピンマイクで聞く事をお勧めします。首にかけるタイプは、送信機本体が揺れやすく本体が何かにぶつかると非常に大きな音が受信機装用者に入ります。良くも悪くも送信機そのものがマイクであるために、このような欠点があります。

この欠点を改善するのがピンマイクです。付属のピンマイクを使うとピンマイクからの入力音を受信機装用者に届けますので、機器をぶつけたとしても衝撃音を和らげる事ができます。もし、スティック型を考えるのでしたら、こちらも考えておきましょう。

通信別送信機のお勧め

ここでまとめますとピンマイク型は、FM機器、Rogerの両方があり、スティック型はFM型のみになります。そのため、ピンマイク型のみどちらが良いのかを記載していきます。結論から言いますと、当然Rogerです。

ピンマイク型のお勧め

先ほどの通り、お勧めは、Rogerになります。

  • 個人的に使用してRogerの方が優秀だった
  • 金額がFM送信機とそう変わらない

この二点により、このように考えています。

優秀だと思う点

優秀だと思ったところは

  • 通信のしやすさ
  • 駄目なところがわかりやすい

この二つがあります。通信のしやすさは、対応範囲内だとFM機器よりも通信しやすいようになっています。FM機器であれば、ノイズが入ってしまったり、あるいは通信しないところでも、音声がキレイに伝わりやすくなります。個人的には、障害物に強くなった印象があります。

Rogerのもう一つの利点は、駄目なところがわかりやすいところにあります。通信しにくいところは、全くうんともすんともいわなくなり、きれいさっぱり音が通じなくなります。これは解釈の仕方に色々あると思いますが、個人的に良い方に考えています。

今までのFM機器は、多少ノイズがなっていても我慢して使うケースがあったのですが、Rogerになるとそんな事はできなくなります。そうなると環境を改善した方が良いということがすぐにわかります。このような判断がしやすくなるため、個人的には、良い方に捉えています。もちろん聞き手からすれば、ノイズを聞かなくて済みますので、この点に関しても良い変更点です。

FM機器と金額が変わらない

基本的に、FM機器とRogerは金額が変わりません。厳密には、Rogerのみ消費税がかかりますので、その分だけが値上がりします。それだけの違いです。

まとめ

ピンマイク型で選ぶなら、Roger、スティック型で選ぶならFMになります。

送信機の選び方

さて、総集編です。ここまでみてくださった方であれば、何となくどちらが良いのかわかってきたのではないでしょうか。ピンマイク型の特徴は、一人の人が使う用に特化されています。一方スティック型は、どんな状態でも使用できるようにしています。

お子さんが授業を受ける際に考えられる事で見てみると

  • 一般授業を重視するか
  • 少ないグループ学習にも対応させるか

この二つの内、どちらかを選ぶ事になります。多くの授業は、机に生徒が座り、先生がお話しして行うタイプです。このタイプをメインに合わせる場合は、ピンマイク型が最も良くなります。しかし、このタイプはグループ学習に対応する事が難しくなります。

この事から考えると小さい子は、ピンマイク型、小学校高学年頃からスティック型がお勧めだと個人的には、思っています。そして、ピンマイク型は、Roger、スティック型は、FMを選択するのがベストです。

あとがき

送信機の選び方として、記載してみました。少々自信がないところもありますが、概ねこのように私は考えています。自信がないところは、どれだけグループ学習が多いか……というところです。この点は、私の場合、先生方に直接聞いて選択していましたので、あまり私は考えていません。あくまでもピンマイク型の方が優秀な聞こえである環境とスティック型の方が優秀な聞こえである環境のどちらが多いかで、選択していました。

学校の場合、ピンマイク型の方が優秀な聞こえである環境の方が圧倒的に多くなります。しかし、ある程度グループ学習もあるのでしたら、その部分も考えていく必要があります。その比率を考えていくと、小学校低学年は、ピンマイク型、小学校高学年はスティック型になるような気がします。

ただし、場所や学校によっても異なるため、基本的には、それぞれの長所で考えていく事が重要です。場合によっては、中学校であろうと高校であろうとピンマイク型を使用します。重要なのは、それぞれの長所で考えていく事です。それができれば、適切に選ぶことができるようになります。

〜追記:スティック型のRogerについて〜

2014年10月にスティック型のRoger penなるものが発売されました。これにより、スティック型にRogerも加わります。私は扱った事がないため、上記の内容は、FM機器のみであると記載しました。性能を見てみるとFM機器のスティック型より良さそうですね。通信に関しては、RogerインスパイロとFMインスパイロの違いのように良くなっていると考えられますので、こちらの方が良いでしょう。

ただ個人的に気になるポイントとして

  • 円型なので置くと転がる?
  • ピンマイクは追加可能か?

があります。これらの気になるところが気にならなければ良いかもしれませんね。特に気になるのは、ピンマイクの追加です。FM機器のズームリンクプラスでは、本体が揺れるため、ぶつけてしまい過大な音が入りやすい傾向がありました、ここを改善できるのなら良い機械だと思います。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:補聴援助システムを購入前に理解したい欠点の改善方法

リンク:FM機器、Rogerの受信機設定の適切な決め方

リンク:補聴器のプログラムとプログラムでできるようになった事

リンク:電池購入に関する基礎知識をまとめてみました

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、お店を開いています。
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