社会

聴覚障害者認定の見直し問題は、病院に負担がかかるだけ

佐村河内氏の影響か……。厚生労働省は、身体障害者手帳取得の際に、脳波の検査する方針を決めました。実施は、来年度からの様です。来年度となると、来年の4月からと予想されます。

全ての等級ではなく、最も重い等級である2級のみ予定しているようです。

佐村河内氏の影響は、すごいですね。こんなところにも出てきました。

とはいえ、元々聴力検査は、不確実なものです。このような流れになるのも仕方がありません。

今回は、聴覚障害の現状から、考えていきます。

聴力検査の穴とは

現在の聴力検査では聞こえていないフリができてしまいます。聴力検査は、音が聞こえたら、ボタンを押すという仕組みのため、聞こえてもボタンを押さなければ、聞こえていないと見なされてしまいます。それにより、聞こえているのにかかわらず、聞こえていないフリをする方々がいるのも事実です。

聴力検査は、自己申告式のため、いくらでもごまかしが効いてしまうのが欠点です。

また、検査の内容をしっかりと理解していない事によるミスも考えられます。

聴力検査は、その方が聞こえる最小音の時にボタンを押してもらう必要があります。検査内容をしっかり伝えておかないと自分が普通の音量だと思った音で押されたり、聞こえ始めてから少し大きくなってから押されたりします。

どんな時に押すかを伝える事も非常に重要です。

脳波の検査とは

脳波の検査という単語が出ました。脳波の検査は、頭に電極をつけヘッドフォンから流した音の反応を見る検査です。主にABR(聴性脳幹反応)と呼ばれています。

聴脳刺激音を聞かせて、脳幹から出てくる脳波をコンピューターで解析して、聞こえているかをチェックします。脳波の検査ですので、ウソのつきようがありません。

こちらは自分の意志で聞こえたか表現できない方に使用します。主に、赤ちゃん、乳幼児などの子どもやその他の障害を抱えた方に使用されます。

ABRの欠点とは

脳波の検査ができるのなら、なぜそれが普及しないのでしょうか。

ABRの欠点は、ABRを持っている病院が少ない、聴力検査と比較して手間と時間がかかる、この二点です。

ABRは、個人院が持っている事は少なく、多くは、大学病院、総合病院など大きな病院にあります。現在、ABRで聴力を検査するような特殊なケースは、大学病院や総合病院に紹介するケースが多いです。

聴覚障害の基準はあがるのか

この問題で浮上するのは、全うな聴覚障害者が手帳取得しにくくなるのではないか、という懸念です。

個人的には、手帳取得しにくくなる事は、ないと考えています。

そもそも聴力検査が正当に行われていれば、ABRもその数値を表します。

むしろABRが加わる事で、より的確な検査ができるようになります。

的確な検査により判断されれば、聴覚障害を抱えた方は、手帳を受け取る権利があると主張する事もできるでしょう。

聴力検査という自己申告式の曖昧な検査ではなく、しっかりと脳波まで見た検査なら、より確実に聴覚障害であると証明できる事にもなります。

個人的には、手帳を取得しにくくなる事はないと考えています。その代わり、現在の手帳取得より、ABR検査の追加という負担は増えます。

心配点は

個人的な心配点は、病院側です。ABRが置いてある(検査できる)病院は、大きな病院が多く、個人院には無い事があります。という事は、聴覚障害の手帳申請には、ABRがある病院に行かなければならない事になります。

これは、病院側の負担が増える事、患者側の負担も増える事を意味します。

現在、聴覚障害者手帳を取得するには、医師に意見書という書類を書いていただく必要があります。聴力を調べ、意見書に○級に値すると記載してもらいます。この意見書は、どの耳鼻咽喉科でも作る事ができます(町医者でも可)。しかし、ABRが追加されると、それがある病院に行かなくてはなりません。これから、手帳を取得しようと考えている方が、自分の耳の聞こえは2級だと分かる人は、まずいません。となると、いくら2級からABRで検査すると言っても、二度手間を防ごうとABRがある病院に、患者が集中する可能性が考えられます。

恐らく多くの方が経験されていますが、大学病院や大きな病院は、待ち時間も長く、さらに予約も取りづらいです。そのようなところに患者が集中すれば、さらに混雑します。

病院側としては、ABRが追加される事、患者が集中する可能性がある事、これらにより、さらに激務になる可能性があります。

このようになると病院側の負担も患者側の負担も増える事になります。

個人的には、この部分が心配です。

あとがき

聴覚障害者手帳判定について、記載してみました。

佐村河内氏の事件が引き金になったのは否めません。しかし、彼が全て悪いわけでもないとも考えています。

聴力検査に穴があったのは、事実であり、それを利用し、聞こえていないフリをして、手帳を取得している人達もいました。実際にそのような方々にもお会いした事もありますので、彼が全て悪いとは思っていません。

この問題が明るみに出る事で、政府としても対策が取りやすくなったと見ています。

とはいえ、特定の病院に集中してしまうと患者に負担をかける事になりかねません。この点について、どのような対応をするかにより、評価が分かれます。

ABOUT ME
深井 順一
生まれつきの難聴者が対応している補聴器専門店、パートナーズ補聴器、代表。難聴の体でもなるべく人生を楽しめるように。という考えのもと、お店のサービスを考え、聞こえにくさにお悩みの方を補聴器で改善しています。書いている人の詳細は、”書いている人のページ”へどうぞ。お店に来た"お客様の改善事例は、こちら”に記載しています。最近は、Yourtubeにて、動画による解説も始めました。
【改善事例あり】聴力別、聞こえの改善方法をまとめてみました

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

聞こえにくさにお困りの方のために、こちらでは、聴力別、補聴器による聞こえの改善方法に関して、まとめてみました。

もし、

  • 職場で聞きにくさに困る事がある
  • 聞きにくい事でうまく人とコミュニケーションしづらい
  • 他のところで相談したけど、よくわからなかった

などありましたら、参考にしていただき、聞こえの改善にお役立ていただければ幸いです。

なお、こちらのページには、実際のお客様を改善した事例まで、載せています。同じような症状の方、聴力の方を参考にしていただき、改善のヒントを掴めたのであれば、幸いです。

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