補聴器落下防止器具は必要?落下原因と2つの紛失防止策

補聴器には、補聴器落下防止アクセサリーというものがあります。
落下した際に、地面に落ちないよう防止するアクセサリーです。様々な販売店で、取り扱っており、それらのアクセサリーを見た事がある人もいるのではないでしょうか。
落下防止アクセサリーを使用する人は、様々な理由により使用を考えます。落としたら怖い……、念のため……、そして、耳から外れそう……という理由です。
しかし、個人的には、補聴器落下防止器具に関して、少々疑問に思う事があります。それは、これを使用する事が本当に解決策になるか……という疑問です。
今回は、落下防止器具を購入する理由から、本当に改善させる方法について記載していきます。紛失を防止したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
補聴器紛失の原因
紛失の原因には、何があるのでしょうか。まずは、こちらを知る事が重要になります。考えられる事として、
- 置いた場所を忘れる
- 補聴器の落下
この二つです。これらが最も多い理由であり、補聴器が高額な事も合わせて、紛失の恐怖をかき立てます。
では、どのように紛失していくのか、それについて学んでいきましょう。恐怖を感じるのは、物事を知らないからです。物事を適切に知る事ができれば、自ずと恐怖もなくなります。
置いた場所を忘れる
紛失の原因として最も多いのは、置き忘れや外出時に補聴器を外して、どこか別の場所にしまって忘れることです。
もちろん、普段の生活の中で、しまう場所を決めていなく、どこに置いたかわからなくなるケースもあります。これらが紛失原因の8割くらいを占めます。
このタイプが最も多い紛失です。
補聴器の落下
補聴器が落下する原因については、三つあります。
しっかりと装用できていなかった、装用していたけれども何かにひっかかって落下してしまった、しっかり装用していたが耳の形状に合っておらず耳から外れてしまった。この三つです。
この中で、最も多いのは(圧倒的に多いのは)、しっかり装用できていなかった事による落下です。
耳は、装用する側からすると目で見えませんので、耳でしっかりはまった感覚を覚える必要があります。
この確認が曖昧だと、しっかりはまっていないがために、耳から外れてしまい、落下してしまった……というケースがあります。
何かにひっかかり外れるケースは、実はほとんどありません。
私自身補聴器を装用しており、耳あな型も耳かけ型も装用経験があります。
どちらも何かにひっかかって外れるケースは、私の経験上ありません。耳あな型は、テグスと呼ばれる補聴器取り出し糸が服を脱ぐ際に引っかかってしまい、外れたということは聞いた事があるのですが、私自身は、そのような経験はありませんでした。
なお、私の装用経験は、耳あな型が4年、耳かけ型が16年です。
耳の中で保持する部分が、ゆるくて耳から外れてしまうケースがあります。
しかし、これもそう多いものではありません。補聴器を使用している期間が長いと長い程、そのリスクは高くなります。
耳あな型の場合、それぞれの耳の形に合わせて補聴器を作ります。
しかし、使用して4〜5年ほどすると少しずつ、耳の形が変わってしまい、外れやすくなることがあります。
また、耳かけ型の場合、既成の耳せんを使用していると外れやすくなることがあります。
どちらの原因も耳の形状に合っていないがために起こっていることです。
まとめ
考えられる原因を見てみました。さて、上記のケースの場合、本当に落下防止アクセサリーは、役に立つのでしょうか?答えは、NOですね。
置き忘れに対し、落下防止アクセサリーは、解決策とは言えません。補聴器が落下については、その原因そのものが少なく、仮に落下するなら、落下防止アクセサリーよりも先に耳の形に合わせる事が必要です。
成人の場合、落下防止アクセサリーを使用することは、よほどのことがないかぎり、ありません。そして、それを使用したとしても、多くの場合、本当の解決にはなりません。
紛失原因から改善策を考える
上記では、原因を記載してみました。次は、改善策です。紛失の改善策を知ることで、落下防止アクセサリーを使用するより、効果的に改善する事ができます。
置いた場所を忘れる
置いた場所を忘れるケースは、置く場所、または、しまう場所を決めることが重要です。
例えば、電話するとき、補聴器を外して電話するとした場合、その際に入れる箱を作っておくと紛失することはありません。
電話機のそばに補聴器がすっぽり入る箱を用意するだけで、安心感も得られるようになります。
私自身、電話の際、補聴器を外して行います。そして、たまにどこにおいたかわからなくなるケースがあり、探すことがありました。特に電話は、いつも急にかかってくるため(当たり前ですが)、電話に出る事に集中してしまいます。これは失くす兆候だ……ということで、箱を作ってみることにしました。外した際、すぐそばに箱を用意してみると、補聴器を探すことすらしなくなりました。
置く場所を決める、しまう場所を決めるというのは、非常に重要です。私の場合、補聴器を外したら、かならずケースにしまうようにし、そのケースの置き場所も決めています。たまに、ケースの置き場所にケースがない事はありますが、ケースの中にだけは、かならず補聴器をしまっています。そのおかげで、10年以上紛失はありません。
なお、私の場合、過去に置き場所をしっかり決めておらず、補聴器を紛失したことがあります。経験上からこのようにした方が失くさないと思っています。
また、外出先で、装用したり、外したりする場合は、かならず持ち歩き用の補聴器ケースを携帯するようにしましょう。このケースにしまう事を意識すれば、ほとんど見つかると思います。私の場合は、バックの中にしまう位置まで決めています。そのおかげで、すぐにあるかないかも確認できます。
置いた場所を忘れる、しまった場所を忘れるケースは、置く場所を決める、またはしまう場所を決めておくことが最も改善する方法です。そして、補聴器本体そのものを直接しまう、置くのではなくケースに入れるようにするとわかりやすくなります。最近の補聴器は、小さくなっているため、本体だけだと見落とす可能性が高く、ケースに入れるなどすることで、見つかりやすくなります。紛失しないように気をつけるのではなく、保管方法を決めるのが解決のカギです。
補聴器の落下
補聴器が落下することは、そうあることではありません。こちらでは、仮に落下したことがあった場合として、記載していきます。そして、耳にうまく装用できていないケース、耳に合っていないケースについて記載します。
落下原因の一つに補聴器をしっかり装用できていない事をあげてみました。この場合は、練習あるのみです。鏡を見てやるケースがありますが、その練習方法はお勧めしません。鏡は左右逆になりますので、かえって混乱してしまいます。うまく装用できない場合は、補聴器屋のスタッフに装用方法を聞くのが一番です。手取り足取り見てもらった方が、結果的にうまく行くでしょう。
耳の形状に合っていない事で外れてしまうケースは、耳の形状に合わせることが改善策になります。耳あな型補聴器の場合、耳の形を作り直すことで、落下防止をすることができます。耳かけ型の場合は、イヤモールドと呼ばれる自分専用の耳せんを製作することで、外れにくくなります。これらのケースは、落下防止アクセサリーをつけるのではなく、耳の形状に合わせ直すのが、解決のカギです。ついでにスポスポ外れてしまう煩わしさからも解放されるでしょう。
また、何度も耳せんや補聴器を入れ直すと耳の中の皮が剥けてしまい、痛みを感じるケースがあります。耳の形を合わせると外れることが極端に少なくなるため、このような症状も改善することができます。形状が合っていない事によって起こることも改善できますので、耳の形に合わせるのが最も良い改善方法です。
なお、イヤモールドに関しては、こちらをご覧下さい。
https://l-s-b.org/2014/05/ear-mold/
耳の形状を合わせる効果
補聴器落下原因の改善を耳の形状を合わせる事としているのには、他に二つ理由があります。ハウリングと呼ばれるピーピー音の防止と音を耳にしっかり伝えるようにする事です。
補聴器をしっかり装用できていないとハウリングと、呼ばれる音漏れ音がしてしまい、自分自身を含め、周囲の方にうっとうしい音を聞かせてしまいます。この音は、耳にしっかりはまっていなかったり、どこかで音漏れがしていると起こります。このような状況は良い状況とは言えませんので、耳の形を合わせたり、しっかり装用できるようにする方が大切です。
また、補聴器を適切に装用できていないと鼓膜に十分な音が伝わらず、音が弱く感じてしまいます。そして、耳の形にあまりにも合っていないと周囲の隙間から音が漏れてしまい、音が弱く感じる原因になります。補聴器を装用しても「音が小さい……」と聞こえにくくならないようにするためにも、耳の形状を合わせる事、しっかりと装用できるようにする事は重要です。
耳の形状にしっかりと合わせるのには、これらのものも防ぐ効果があります。耳の形状に合っていないものは、これらの事も引き起こしますので、注意が必要です。
あとがき
補聴器を紛失してしまったから紛失(落下)防止アクセサリーを購入する……といったケースがたまにありますので、そのような方々のために記載してみました。
実際のところは、補聴器を装用していて紛失した……というケースは、ほとんどありません。大抵が置いた場所を忘れるか、外で外して、しまった場所を忘れるかです。そのため、しまう場所、置く場所を決めることで、ほとんどが改善します。
これらの内容をご覧になり、紛失、落下がなくなれば幸いです。