夏場における補聴器注意事項、大切な補聴器を守ろう


最近、熱くなってきましたね。まだ、5月だというのに20度を超える日々が当たり前になってきました。ここまであったかくなってくると補聴器の故障原因である汗もかきやすくなってきます。

そこで、今回は、本格的な夏が来る前に、夏の注意事項をピックアップしていきます。ピックアップ事項は、補聴器の故障だけにとどまらず、補聴器の仕様や故障予防に関しても載せていきます。

補聴器は、6月頃から修理する時間が長くなる傾向があります。不便さをできるだけ感じないようにするには、補聴器の予防が必然です。困る事がないように仕様や予防に関しても学んでいきましょう。

なお、こちらは、耳かけ形補聴器について記載していきます。耳あな形補聴器は、耳かけ形補聴器ほど、壊れませんので、耳かけ形補聴器に絞っていきます。

夏場の補聴器注意ピックアップ

夏における補聴器の注意事項は、どんなものがあるのでしょうか。こちらでは、夏に起こる故障から、故障でなくても故障のような症状がでるもの、夏場における補聴器の注意までをピックアップしていきます。これを機に学んでいきましょう。

夏に多い故障

夏に多くなる故障には

  • 音が出なくなる
  • 音が小さくなる
  • ノイズがする

があります。こちらは、夏場に多い故障です。夏は、汗をかくことも、湿気も多い時期ですので、水に弱い補聴器にとって、夏場は、非常に良くない状況です。そのため、どうしても故障が多くなります。

音が出なくなる

音が出なくなるとは、電源を入れても補聴器の音が全くでなくなる事を指します。汗が補聴器内部に侵入すると内部の部品にダメージを与え、それにより音が出なくなる事があります。補聴器内部は、汗が入りにくい構造になっているのですが、その変わり、一度入ってしまうと抜けにくいという性質を持っています。これは、汗だけでなく湿気でも同様の症状が起こります。

このケースは、意外に多く、汗をかく量が多い方は、音が出なくなるまで症状が深刻化する事があります。

音が小さくなる

音が小さくなるケースは、少し音が小さくなるくらいから、かなり小さく聞こえる場合まで色々あります。補聴器のマイクが汗により、故障すると音が小さくなったり、場合によっては、音が聞こえなくなります。補聴器によっては、マイクがむき出しになっており、そこから汗が入り込み、故障するケースがあります。なお、補聴器により、マイクの前にカバーがついているものがありますが、それらのケースでも、故障する時は、故障します。

マイクは、湿気にも弱く、湿気が原因でマイクが壊れる事もあります。これは、補聴器に限らず、どのマイクでも共通です。

ノイズがする

汗による故障が多いのは、ノイズです。汗が補聴器本体に入り込むとノイズが聞こえたり、変な音がするようになります。これは、私自身もよく体験しています。ガーガーいったり、ザザザッとするような機械的な音がする場合はノイズです。聞こえたり、聞こえなかったりであれば、故障ではなく仕様になります。しかし、常に起こっているのであれば、故障になります。

一時的になるノイズもありますので、故障と判断するのが難しいのもノイズの特徴です。常に発生している場合のみ故障になります。

故障じゃないけど故障のようなもの

補聴器には、故障ではないけれども故障のようなものが存在します。これは、補聴器の部品が故障しているのではなく、何らかの原因で、音が出ない、あるいは、小さく感じるケースを指します。

汗の場合は、音が小さくなる事がそれにあたります。汗をかき、その汗がマイクに入ってしまうと、一時的に音が小さくなったり、音が聞こえなくなる事があります。補聴器によっては、マイクの前にカバーがついており、そこが何らかの原因で詰まった場合でも音は聞こえなくなります。ゴミが詰まる事もあれば、汗により、一時的に詰まったりする事もあります。

なお、このようなケースの場合、乾燥させると良くなるケースもあれば、そのままマイクが壊れてしまうケースもあります。自身で判断する事が難しいため、音が小さく聞こえるようになったら、補聴器屋さんへ持っていく事をお勧めします。もし、行く時間がなければ、乾燥させてみましょう。もしかしたら、音が聞こえるようになるかもしれません。

故障じゃないけど故障のようなものは、大抵、水分がどこかに詰まり、水分が蒸発すると症状が回復します。水分には、汗もあれば、湿気もあります。もちろんこちらは、水分だけでなく塵やゴミなどが詰まった場合でも、起こる事があります。

空気穴にも注意しよう

補聴器は、どのようにして音が出ているかご存知でしょうか。補聴器の電池は、空気電池と呼ばれている電池であり、空気を吸い込む事により(厳密には酸素)、発電します。そのため、どの補聴器にも空気を電池に運ぶための穴が存在します。この穴が塞がってしまうと電池にうまく空気を送れなくなり、音が出なくなる原因になります。

こちらは故障でない故障に近いものであり、どちらかというと仕様になります。

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赤い○で囲まれているのが空気穴です。どんな補聴器にもこの穴があります。

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こちらも赤い○で囲んだ部分に穴が空いています。ここから、空気を取り込んで発電しています。このように、どの補聴器にも空気穴は存在します。そして、この穴が塞がってしまうと音が出なくなったり、出たりを繰り返す事になります。

もし、音が止まった場合、ここが塞がれていないか確認しましょう。そして、水が入っている事で塞がれている場合は、その水を取っ払いましょう。すると症状が改善するかもしれません。この部分は、意外にも塞がりやすい部分ですので、要注意です。

塞がれば、当然音はでません。音が出るように塞がらないようにしましょう。

電池のサビに気をつけよう

電池のサビにも気を付ける必要があります。電池を入れる部分にサビがある場合は、そこに汗が入り込んだ証拠でもあります。電池に汗がつくとプラス極とマイナス極が繋がってしまい、電池がショートしてしまいます。

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こちらがプラス極です。小さな穴が三つ空いていますね。ここから空気を取り込んでいます。

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こちらがマイナス極です。少しわかりづらいのですが、丸い表面のところがマイナス極です(青い○の絶縁部分より内側がマイナス極です)。両サイドの部分は、プラス極になります。空気電池は、プラス極とマイナス極が非常に近い位置にあるため、少量の汗でプラス極、マイナス極が繋がります。

電池がショートすると

  • 熱を持つ
  • 液漏れする事がある
  • 電池がなくなる
  • 電池が膨張する

この四つが起こります。ショートするとすぐに電池がなくなったり、電池が膨張する事がありますので、注意が必要です。

もし、電池を入れているところに汗が侵入している形跡があれば、その電池は、使用しない事をお勧めします。電池がショートしてしまうと熱をもったり、液漏れが起こったりします。液漏れがおこると補聴器の内部にも影響を及ぼしますので、二次災害が起こる可能性があります。補聴器にさらなるダメージを与える前に、電池を入れる部分を拭き、新しい電池を入れる方が、結果的に、長く使用できるようになります。

まとめ

夏における補聴器の注意事項として、載せてみました。汗や湿気は、補聴器に大きな影響を与えます。夏場は、これらの事に気をつけていく必要があります。補聴器には、空気穴のような仕様もあれば、電池に関する注意もあります。これらの事に気をつけられると補聴器の故障は、減りますし、快適に使用できる事が増えていきます。

ぜひ、覚えておきましょう。

故障対策をしよう

では、対策には、どんなものがあるのでしょうか。これらの故障は、完全に防ぐ事はできないにしても故障回数を減らしたり、補聴器の持ちを長くする事は、可能です。こちらでは、共通の対策について載せていきます。

汗をかいたら拭く

地味に大切なのは、汗をかいたら補聴器を拭く事です。補聴器に多くの汗が付着している場合は、汗を拭いましょう。補聴器だけでなく顔や耳の横の汗を拭き取るのも有効です。補聴器に汗がつかないようにするには、汗を拭うしかありません。

場合によっては外す

あまりにも汗をかきすぎた場合は、補聴器を外した方が良くなります。一時的に外し、補聴器に行く汗のダメージを軽減させましょう。

乾燥ケースを使用する

夜寝る前には、乾燥ケースを使用し、なるべく乾燥させてあげる事が重要です。乾燥させる機器には、いくつかありますので、詳細は、こちらをご覧下さい。

リンク:補聴器を長持ちさせるケア方法、紛失防止と水没時の対応

こちらをするのとしないのとでは、大きな差が出ます。故障するとお金もかかりますが、使用できない時間もできてしまいます。困る時間を減らすためには、非常に有効な策です。

汗カバーの注意

補聴器を装用している中には、補聴器の汗カバーというものを使用している方がいます。汗カバーとは、補聴器につけるカバーであり、汗のダメージを軽減してくれるものです。しかし、この汗カバーも注意が必要です。

汗カバーを使用する分には、良いのですが、汗カバーに汗が十分にしみ込んでいる場合は、外して交換した方が補聴器にダメージを与えません。たまに、汗カバーがぐっしょり濡れているまま、使用しているケースを見かけますが、その状態では、汗が常にまとわりついている状態になりますので、むしろ逆効果になります。気をつけましょう。

交換するものがあれば、ぐっしょり濡れた時に交換します。もし、交換するものがなければ、外しましょう。少なくともぐっしょり濡れた汗カバーを装用している状態よりは、良くなります。汗カバーによっては、濡れすぎると補聴器の空気穴を埋めてしまう事もありますので、注意が必要です。これらの理由からも外す事をお勧めします。

症状が見られる場合は?

もし、上記の故障症状が見られる場合は、補聴器屋に持っていってください。

  • 音が出ない
  • 音が小さい
  • ノイズがする

これらの症状が出ている場合は、その場で直る事は少なく、修理預かりする可能性が高くなります。もちろん、故障しているかわからないケース、不安なケースがあれば、補聴器屋さんで聞いてみる事をお勧めします。きっとあなたのお力になってくれるでしょう。

あとがき

夏場における注意に関して、記載してみました。夏は、汗をかきやすい季節なだけに、故障も多くなりますし、故障のような症状も多くなります。そのため、乾燥や汗を拭う事が重要になります。これらの事を行っていただければ、故障がなくならないにしても故障回数を減らす事は、可能です。回数が減れば、それだけ困る事も減ります。

なお、故障に関しては、あくまでも一例です。補聴器の故障は、正直よくわからない故障も多く、原因がはっきりしない故障からマイナーな故障まであります。あくまでも良く起こりがちな故障のみをまとめています。

故障を予防し、少しでも快適に補聴器を使用できるようになれば、幸いです。

 

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