補聴器の形状や特徴

世の中には、こんな補聴器がある?マイナーな特殊補聴器

補聴器の種類……といったら、どのような補聴器を思い浮かべるでしょうか。一般的な補聴器としては、ポケット形補聴器、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器が最も多くなります。しかし、補聴器の種類は、これだけではありません。補聴器には、この他にも特殊な補聴器がいくつかあります

では、特殊な補聴器には、どんなものがあるのでしょうか。そして、その補聴器は、どんな人に合うのでしょうか。今回は、こちらに関して記載していきます。特殊な補聴器は、対象となる人こそ少ないのですが、対象になる方には、有効な手段となります。こんな補聴器もあったんだ!というような発見に繋がれば、幸いです。

特殊な補聴器達

では、早速見ていきましょう。特殊な補聴器という事で

  • 伝音性用補聴器
  • 特殊補聴器

この二つに分けて記載していきます。どの補聴器も対象者には、有効な補聴器になります。なお、以下では、対象者をわかりやすくするために、聴力図を載せていきます。聴力図の見方がわからない場合は、予め、こちらをご覧になっておく事をお勧めします。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

伝音性難聴用補聴器

伝音性難聴用補聴器とは、伝音性難聴の方にしか合わない補聴器です。主にこのような難聴の方に合います。

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気導値と骨導値が異なり、骨導値が0〜15dBに入っている方が対象です。このような方は、典型的な伝音性難聴になります。

伝音性難聴とは、感音性難聴と対なす存在の難聴であり、全ての難聴は、伝音性難聴か、感音性難聴かの二つに分かれます。そして、伝音性難聴の方で、補聴器を装用している人は、かなり少なく、全体の補聴器装用者の中で1〜5%くらいしかいません。

これには、理由があり、伝音性難聴は、多くの場合、手術で耳の聞こえを治療する事ができます。そのため、補聴器を装用するより、治療で治してしまうケースの方が圧倒的に多くなります。何らかの事情により、手術できなかったり、効果が見込みにくい場合のみ、補聴器を装用して聞こえを補っていきます。

そのような方が対象となるのが、伝音性難聴用補聴器です。いずれの伝音性難聴用補聴器は、効果が高く、伝音性難聴の方の中には、好んで使用している方もいます。

骨導補聴器

さて、そんな伝音性難聴にあう補聴器が骨導補聴器です。一部では、骨伝導補聴器とも呼ばれています。主には二つあり

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※画像は補聴器メーカースターキージャパンより引用

メガネ形と呼ばれる骨導補聴器と

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※画像は補聴器メーカースターキージャパンより引用

カチューシャ形の骨導補聴器です。メガネ形の骨導補聴器は、大人が使用するもので、カチューシャ形の骨導補聴器は、子どものが使用するタイプの補聴器です。その他、ポケット形補聴器の先端にカチューシャ形の補聴器のようなものを取り付けるタイプも存在します。

使い方としては、骨導子と呼ばれる部分を耳の裏に当てて聞きます。聴力検査で、耳の裏に黒い塊のようなものを当てて、不思議な聞こえを感じた事がないでしょうか。あれが骨導です。その聞こえ方をそのまま補聴器にしてしまったのが骨導補聴器です。耳の裏に当てて、骨を振動させる事によって音が聞こえてくるようになります。

骨導補聴器の特徴としては、伝音性難聴の方が使用する以外にも耳を塞がない事によるメリットを受けられる事です。耳を塞がなければ、耳の中が蒸れたり、かゆくなったり、あるいは、自分の声が響くという事がありません。通常の補聴器(耳かけ形、耳あな形、ポケット形)と比較するとこのようなメリットがあります。

数こそ少ないですが、このような補聴器を活用している方も少なからずいます。さらに詳しい内容は、こちらをご覧下さい。それぞれのメリット、デメリットについて理解できるでしょう。

リンク:骨伝導補聴器の対象者とメリット、デメリット

BAHA補聴器

BAHAは、骨導補聴器の一種です。こちらは、手術するタイプの骨導補聴器になります。

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※画像は人口内耳メーカーコクレア社より引用

手術する……と聞くと少し引いてしまうかもしれませんが、いくつかメリットがあります。骨導補聴器のデメリットには

  • 痛みが出る
  • 装用が安定しない

の二つがあります。骨導補聴器は、ある程度の力で、耳の後ろにある骨に当て続ける必要があります。当てる力が弱いと適切に聞こえなかったり、聞きにくくなる原因になります。さらに、当てる力が強いと痛みが出やすくなります。これは、聴力検査の時も同様です。聴力検査時もある程度、強い力で当てなければならないため、場合によっては、痛みが出ます。

また、当てる場所がズレると聞きにくくなる事もありますので、装用が安定しにくいというデメリットもあります。人は、当然動きますので、装用に安定性がないのが欠点です。骨導補聴器には、このようなデメリットがあります。

この二つに関しては、BAHA補聴器の方が優秀です。手術するという欠点はあるものの埋め込み形の補聴器ですので、ズレる事はありませんし、強い力で抑えつける必要もありません。となれば、痛みは出なくなりますし、装用が安定しやすくなります。

ここが通常の骨導補聴器と比較した際のメリットになります。

さらに詳しい内容は、こちらをご覧下さい。リンク先のメリット、デメリットは、通常の骨導補聴器と比較した際のメリット、デメリットになります。

リンク:埋め込み式骨伝導補聴器BAHAのメリットとデメリット

まとめ

どちらも伝音性難聴に有効な骨導補聴器です。対象者は少ないものの、補聴器には、このようなものもあります。少ないながらにも有効な聞こえを提供してくれる補聴器ですので、使用している人は、使用しています。BAHA補聴器も少ないながらに使用している方はいます。

どちらの補聴器も上記に記載した伝音性難聴の方が対象になります。骨導値が0〜15dBであれば、骨導補聴器もBAHAも対象になります。

特殊補聴器

特殊補聴器には、クロス補聴器とバイクロス補聴器があります。この二つは、片耳が聞きにくい方、あるいは、両耳聞きにくいけれども片耳が特に聞きにくい方に該当します。片耳が聞きにくいケースは、聴力レベルが重いケースが多く、通常の補聴器を装用させても、うまく対応できない事があります。そのような方にお勧めなのが、クロス補聴器、バイクロス補聴器です。

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

この補聴器は、聞こえ方もかなり変わっており、なんと片耳で全ての音を聞き取る補聴器です。基本的には、クロス補聴器が片耳難聴で、もう片耳が健聴の方が使用する補聴器です。バイクロス補聴器は、片耳が難聴でもう片耳がさらに重い難聴の方が使用する補聴器です。

クロス補聴器

クロス補聴器の対象者としては、このような方です。

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片耳が良く聞こえ、もう片耳が非常に聞きにくい方になります。クロス補聴器の形状は……

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

このような感じです。補聴器の形状を見てみると、通常の補聴器となんら変わりはありません。補聴器を使用する際は、通常の補聴器とクロス補聴器の二つが必要になります。クロス補聴器を聞こえにくい方に装用し、通常の補聴器を聞こえる耳に装用します。そしてクロス補聴器から入ってきた音声を通常の補聴器に送る事で、聞こえるようになります。

使い方としては、両耳とも補聴器を装用するようにすれば、問題ありません。両方の電源を入れると、クロス補聴器側からの音も聞こえるようになります。聞こえない方の音を聞こえる側に転送しているせいか、その感覚は、何とも不思議な感覚があります。

片耳で全てを聞く……と聞くと不思議に思うかもしれません。しかし、クロス補聴器が対象となる方は、聴力が低下しすぎてしまい、通常の補聴器を耳に装用しても効果が薄い方です。片耳でも全てを聞こえるようになると、片耳が難聴のままより、聞こえの効果は高まります。そのおかげで片耳難聴独特の症状を軽減する事もできます。

更なる詳細は、こちらをご覧下さい。メリット、デメリットに関しても記載しています。

リンク:片耳が聞こえない方、誰でも対応。クロス補聴器を理解する5つの要素

バイクロス補聴器

基本的には、クロス補聴器と変わりません。クロス補聴器と形状は、同様です。ただ対象者は、片耳が聞こえにくく、もう片耳がさらに聞こえにくい方が使用する補聴器です。イメージとしては、このような聴力です。

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このパターンの聴力の場合、バイクロスで補うのが良いのか、通常の補聴器で補うのが良いのかも考える必要があります。聞こえがあまりにも異なる場合は、バイクロスの方が補えるのですが、そこまで大きく離れていないのでしたら、補聴器を両耳装用した方が聞こえやすくなります。

さらに詳しい内容を知りたい場合は、こちらをご覧下さい。メリット、デメリットに関しても記載しています。

リンク:片耳がより聞こえにくい方にお勧めなバイクロス補聴器

まとめ

クロス、バイクロス補聴器は、ある特定の方々に合います。この方々は、元々補聴器の効果が薄い、あるいは、非常に出しづらい方です。そのため、片耳だけ聞き取れるようにするだけでも聞こえを改善する事ができます。完全ではないにしてもこのように補った方が、補聴器をそのまま耳が聞こえにくい方に装用するより、効果が出やすくなります。

特殊な補聴器達 まとめ

特殊な補聴器には、このような種類があります。どの補聴器も特定の人に効果があります。伝音性難聴用補聴器は、文字通り、伝音性難聴の方に効果がある補聴器です。

さらに特殊補聴器では、通常の補聴器では合いにくい耳の聞こえの方がマッチします。通常の補聴器でも補えないとなると聞こえないままにしがちです。しかし、この補聴器を装用する事で、聞こえが改善できるケースがあります。少しでも聞き取りを良くしたいとお考えの方には、お勧めのものです。

補聴器は、このように一部特殊な方が装用する補聴器が存在します。いずれの補聴器も耳の状況を良く理解したうえで作られている補聴器です。

あとがき

特殊な補聴器についてまとめてみました。あまり知られていない補聴器もありますので、それを紹介する意味でもしてみました。対象者が少ないものは、知られる機会が少ないため、どうしても情報が少なくなりがちです。それでは、その道具で救える方も救えなくなってしまいます。

様々な補聴器があるのは、様々な方に対応するためです。マイナーな補聴器ではありますが、このような補聴器も難聴の方を助けるために存在しています。マイナーな補聴器でもしっかり難聴の力になっています。

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら。お店に関しては、こちらに詳細を書いています。お店の場所は、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、あります。
補聴器で聞きにくさを改善する方法、まとめました

聞きにくさがあり、お悩みの方のために、補聴器で聞きにくさを改善する方法をまとめてみました。

書いてある内容は?
  • 難聴の症状別に、どう補聴器で改善すると良いか
  • 補聴器の基本から、種類の特徴、金額による違い
  • ご自身に適した補聴器の選び方

聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。

補聴器の改善まとめお客様の改善事例

なお、お店に関する内容は、以下にまとめています。そして、ご来店いただいた方の当店の評価もまとめてみました。

お店の特徴を見るお客様の評価一覧