補聴器を装用することにより、聞こえが改善できる。こちらに関しては、その通りです。
しかし、一部の耳の方は、補聴器を装用しても、思うように改善できない方もいます。それは、耳そのものの言葉を聞き取る力が著しく低下しているケースです。
耳の治療ができないケースに補聴器は、装用するのですが、場合によっては、耳の損傷が大きく、補聴器を装用しても、ほとんど効果が得られない方もいます。
そのような方は、補聴器で聞こえを改善させることにプラスして、目で補うことも考えていく必要があります。
目次
補聴器の効果が見込みにくい人
耳の場合、初めに治療ができるなら、治療し、治療ができず、聞こえにくさにお悩みの場合は、補聴器を装用して、聞こえを改善していきます。
この際、治療ができない耳の症状は、ほぼ感音性難聴である事が多く、この感音性難聴は、音が聞こえにくくなる他、言葉も聞きづらくなります。
言葉が聞きづらくなるのは、音そのものが小さく聞こえるから。というのもあるのですが、それ以外に、言葉が言葉として捉えづらくなる。という症状を出すのが、感音性難聴の特徴です。
この症状が大きくなると、音は、聞こえるけれども、言葉が理解できない。音は、十分に入っているけれども、音声が理解できない。となります。
耳の世界には、語音明瞭度測定(語音弁別能検査)というものがあり、こちらを使うと、調べる事ができます。
最良値をおおよそ改善できる数値として、考え、その最良値が、50%以下になった場合は、残念ながら、補聴器を装用することによる効果は、薄くなります。
なお、各数値の意味は、こちらの通りです。※最良値での数値の意味です。
そして、この明瞭度は、基本的に一度、下がると改善のしようがなく、どんどん聞きにくさが強くなってしまいます。
一部の耳の方には、この数値が非常に低い方がいます。
どのような人に見られるか
見られるケースには、色々とありますが、比較的みられるケースには、
- 原因不明の難聴になり、聴力低下したケース
- 年齢を重ねても、装用せず、長い間、言葉を聞かなかったケース
があります。
原因不明の難聴になり、聴力低下したケース
明瞭度が低いケースには、原因不明の難聴になり、聴力低下したケースが度々見られます。
元々少し聞こえていたけれども、急に原因不明の難聴により、失聴してしまった。より、聴力が重くなってしまった。というケースは、明瞭度が低くなる事が、少々、多いように感じています。
もちろん、生まれつき耳が聞こえにくく、元々、この部分が低い方もいるのですが、原因不明の難聴の原因により、低下しているケースは、明瞭度が下がりやすい傾向を感じています。
年齢を重ねても、装用せず、長い間、言葉を聞かなかったケース
年齢を重ねても、何らか補聴器をつけない理由を重ね、80代、90代になって、補聴器。というケースの中には、長い間、音を聞いていなかった事により、明瞭度そのものが下がっているケースがあります。
このようなケースは、なかなか判断が難しいのですが、補聴器をつける事により、少々、よくなるケースもあれば、その数値通り、低いケースがあります。
年齢を重ね、長い間、音や言葉を聞かない期間が長いと長いほど、聞きにくい傾向が強くなりますので、補聴器は、聞きにくさを感じた頃から、早々につけるのが、望ましくなります。
明瞭度が下がってしまった場合、その明瞭度は、改善する方法が一切ありません。年齢を重ねて、装用が遅れたケースの中にも、こちらは、見られます。
効果が得られにくい方は、どうすれば良いか
効果が得られにくい人の場合、基本的には、補聴器を装用し、補聴器以外の要素も取り入れながら、改善していくしかありません。
具体的には、
- 音以外にも文字や目で確認できるもので把握する
- 周囲の方々にご協力をいただく
の2つです。
基本的な考え方は、音以外にも、目で確認できるもので、確認する事です。その代表格は、文字や代筆です。
ある程度、年齢が若い方であれば、手話も選択肢に入ります。ただ、年齢を重ねていると、当然、新しく覚えていく必要があるため、難しい部分があるのも事実です。
その場合は、音だけではなく、メモ用紙なり、字や自分がわかりやすい方法で、コミュニケーションをしていく必要があります。
また、周りの方にもご協力をいただく必要も出てきます。例えば、話す前には、合図をして、今から話すことを伝えてもらう。お話に関しては、なるべくゆっくりお話ししてもらうようにする。などです。
そして、それらにプラスして、重要な部分は、文字にしてもらう。紙に書いてもらう。などができると、意思疎通は、しやすくなります。
明瞭度が下がってしまった場合、今現在、よりよくする方法は、残念ながらありません。そのため、聞こえを改善すると共に、プラスαを考え、より状況を改善していく方法を、他の人とコミュニケーションを取る方法を考えていく必要があります。
まとめ
明瞭度が下がってしまった場合は、補聴器で補う事+目で確認したり、自分が理解しやすい方法を考えていく必要があります。
耳での改善は、かなり限定的になりますので、聞こえにくい部分が強くなってしまうためです。
音だけではなく、視覚で確認できると、コミュニケーションは、しやすくなります。そのように、改善に関する考え方を変えていく必要があります。
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