補聴器の調整と改善の考え方

自分の耳を疑ったお話しから、疑う事で得られるもの

昨日、記載した内容に、自分自身の耳を疑った事を載せました(リアナ・ウェン氏の動画を見て思う補聴器業界の未来のあり方)。もしかしたら、難聴になった方の中には、自分自身の事を疑った事がない方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、自分自身の耳を疑ったお話しを載せてみます。こちらは、あくまでも私自身が考えている事ですので、その点は、ご了承ください。

自分の耳を疑う

私自身が自分の耳を疑った理由には、

  • 聞こえる状態を知らない
  • オージオグラムが示すもの

この二つがあります。この二つがあり、自分自身の耳の事について、深く考える事になりました。

聞こえる状態を知らない

私自身は、生まれつきの難聴ですので、聞こえる状態というものを理解する事ができません。健聴の状態は、どのように音を感じ、どのように言葉を理解しているのか、私には、全くわかりませんし、想像もできません。なぜなら、私自身は、健聴の状態を体験した事がないからです。健聴の状態を体験した事がなければ、聞こえるという事がどのような状態なのかを、理解する事はわからないと、個人的には考えてます。

聞こえる状態であれば、どのように音声が聞こえるのか、聞こえる状態であれば、周囲の音がどのように聞こえるのか、これらがわからないため、補聴器で聞こえてくる音が、果たして良い状態といえるのかは、私には、わかりませんでした。言い換えれば、目指すべき聞こえがどこにあるのかがわからず、判断できない状態です。人は、比較対象がある事によって、初めて、これは良い、これは悪いという判断ができます。しかし、元々難聴の私は、聞こえる状態を知りません。そのため、補聴器を通して聞こえてくる音について、判断する術はありませんでした。前回同様ですが、補聴器を装用すると音は大きく聞こえますが、それをどう評価して良いかは、わかりませんでした。

オージオグラムが示すもの

そんな時、オージオグラムを見て思った事があります。それは、このような聞こえであれば、自分の耳で感じている音は、何なのだろうという事でした。※オージオグラムについては、以下の内容をお勧めします。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

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こちらは、私自身のオージオグラムなのですが、図を見てみると周波数ごとに若干異なっている事がわかります。例えば、周波数125Hzであれば、左右とも40dBで反応がありますが、4000Hzになると左右とも65dBで反応があります。

これだけ見ると良くわからないかもしれません。では、0dBの基準となっているものの意味は、ご存知でしょうか。この0dBは、聞こえが良い20代の方の平均値であると言われています。言い換えれば、人が聞こえる平均値となります。つまり、私の耳は、125Hzでは、人の平均値より、40dB低い状態で聞こえる、4000Hzであれば65dBで聞こえるという事になります。私自身が自分の耳に疑問を感じたのは、それぞれの周波数で人の平均値より下がった周波数のレベルが異なる事、そして、人の平均値を0として扱っているため、平坦ではなく、斜めになる波形が出ている事にあります。

平坦に聞こえが下がったのなら、単に音が聞こえにくいと感じますが、私の場合、オージオグラムが斜めっています。その事から「自分の耳は、音が歪んで聞こえているのではないか」と疑問を持つようになりました。平坦ならそれぞれ同じ量が聞こえなくなり、音のバランスは崩れないと思うのですが、私の場合は、少しではあるものの、それぞれの音で聞こえる音量が異なります。このような理由から、自分自身が感じている音の世界に少しずつ疑問を持ち始める事になりました。

耳の感覚を疑う

私の場合、これらのように感じて耳の感覚を疑いました。私の耳は、完全に聞こえないわけではありませんので、音を感じる事はあります。しかし、オージオグラムを見てみると、そのような耳で感じる音は、どのように評価してよいのかわかりません。

実を言いますと、今でもそのように感じています。聞こえにくくなった耳で感じているのは、あくまでも聞こえにくくなった耳で感じているだけであり、その感覚は、本当に信用できる感覚なのかがわかりません。数値で管理する前でしたら、このような事を考える事はなかったのですが、数値の意味がわかると、私の世界は、ガラッと変わってしまいました。

このような事から、私は感覚というものは、あくまでもおまけ程度に考え、データを主体に考えるようになりました。データであれば、どのように聞こえているのかも、どのように感じているのかもわかります。オージオグラムもそうですし、補聴器を装用した状態もそうです。奇しくも自分の耳を疑った事から出てきたのは、自分の耳を客観的に見ると言う事でした。そのおかげで、今は、状況が良くわかるようになってきました。

それが自分自身、耳を疑った事による報酬であると考えています。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:補聴器を初めて装用する方に伝えたい装用後の世界

リンク:補聴器は雑音がする?のホント、ウソ

リンク:適切な補聴器を理解する補聴器評価ポイントまとめ

リンク:デジタル補聴器の概要とできるようになった事

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、お店を開いています。
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