補聴器を使う時に知っておきたい事

補聴器を長く使用する場合の落とし穴とそれを回避する方法

私自身は、補聴器を長く使用するか、しないかは、個人の判断で良いと思っている人間です。聞こえていれば長く使用していいですし、平均使用年数ほどで買い換えても、その人の自由です。

ただ、補聴器を長く使用する場合、ちょっとした落とし穴がありますので、その点だけご注意ください。それは、補聴器の修理が効かなくなる頃合いがあるという事です。

そして一番最悪なパターンは、補聴器が故障し、高額修理になるため、買い換えを検討せざるを得なくなったが、前のデータがなく、補聴器がなかなか耳に馴染まないというパターンです。このようになると、場合によっては、補聴器を活用できなくなったりします。

こちらでは、このような落とし穴にはまらないよう、最低限の注意として回避方法に関して載せていきます。なお、初めに結論を書きますと、修理対応期間中に買い換える事と長く付き合える販売店を探す事となります。こちらを意識いただければ、困る事は軽減できます。

長く使用する場合、しっておきたい事

長く使用する場合に理解しておきたい事は、

  • 修理可能期間というものがある事
  • 修理代が元通りに(保証が切れる)

の二つです。

修理可能期間の存在

補聴器には、修理可能期間があります。これは、補聴器がいつまで修理対応しているのか、という期間になり、この業界では、販売中止から5年間は受け付けています。しかし、それ以降は、部品を置いていないため、修理ができません。

補聴器の修理は、中の部品を交換して行う修理ですので、この部品そのものが死んでしまった場合は、修理可能期間後、直す事ができなくなります。このような期間がある事にお気をつけください。

多くの企業は、製品リリースから販売中止になるまでで、結構な期間(4〜5年?)がありますので、実質9〜10年くらいは修理できるものが多いと思います。ここは私の想像ですので、実際には、販売店にて、ご自身の補聴器について伺う事をお勧めします。その際は、単純に「使っている補聴器の修理対応終了期間は、いつですか?」と伺えば、教えてくださいます。

長く補聴器を使用するうえでは、知っておきたい事の一つです。

修理代が元通りに(保証が切れる)

補聴器を長く使用する場合ですが、補聴器は、年数が経過するとするほど修理金額が高くなります。これは、修理金額が増加したのではなく、元々保証込みの状態が、保証なしに変わるためです。

補聴器には、各社修理の保証期間というものがあります。どの補聴器メーカーも大抵1〜3年くらいの保証期間があり、その後、修理上限金額期間があります。

例えば、私が扱っているフォナックというメーカーを例にしますと、通常の補聴器は、2年間の保証期間があります。その間に壊れたものは、自然故障外(過失により壊してしまった場合)を除き、修理金額は、かかりません。その保証期間が過ぎると、2〜3年目は、修理上現金額が2万円まで、3〜4年は、修理上限金額が4万円までになります。このようにほとんどのメーカーさんは、修理金額そのものに保証をかけています。

しかし、4年を過ぎた辺りから、保証というものがなくなり、故障し、修理依頼すると、場合によっては、非常に高額な見積りが出ます。そのため、長く使うと使う程、保証が切れるために修理金額がかさむ傾向があります。

このような傾向があるという事は、予め理解しておいたほうが、良いでしょう。

長く使う場合の最悪のシナリオ

長く使われる方で、たまに起こる最悪なシナリオは、補聴器が故障し、後が無くなったことでいざ買い換えようとしても長く使いすぎたために昔の音に慣れ、今の補聴器に馴染みにくいというパターンです。

昔の補聴器より、今の補聴器は、良い意味でも悪い意味でも聞こえやすくなっています。特に細かい小さい音に関しては、入りやすく、それが反って嫌になる方もいます。

聞こえる事は、同時にうるさいという事に繋がり、静かであるという事は同時に聞こえていない事でもあります。どちらの評価をするかは、使用者さん次第ですが、性能が良くなる事がイコールそのまま補聴器装用者にとって良くなるとは限りません。

普通に考えたら聞こえがよくなる事はよい事のように感じますが、基本的に補聴器を使っている方は、今まで補聴器を装用していた時に聞こえていた音の世界に住んでいます。その補聴器の聞こえが仮に低下している世界で、かつそれが自分にとって良いと感じている世界だった場合は、より聞こえるようにすると、その聞こえるようになる部分が反って騒がしく感じ、違和感を感じるようになります。

これは、今まで感じている音の世界の評価により異なります。今まで聞こえにくい状態で過ごし、それの評価を良しとしている場合は、聞こえるようにさせると、合わなくなります。逆にその聞こえにくい状態の評価を×とすると、音量を大きくし、聞こえるようにさせる事で、評価は良くなります。

今までどのように聞いてきたか、そしてその音の評価はどうなのかで、良くも悪くも感じる音の評価は変化します。

落とし穴にはまらないようにするには

落とし穴にはまらないポイントは、

  • 長く付き合える販売店を探す事
  • 修理可能期間終了前に買い換えを検討する事

の二つがあります。

長く付き合える販売店を探す事

長く調整をしていますと、大抵の場合、その人に合った調整方法というものが確立されていきます。耳の状態のデータや様々な補聴器のデータを見ることで「この方の耳の感覚は、恐らくこのような状態だろう」というものがわかります。

販売店側の視点からしますと、補聴器に音に関しては、特性器というもので確認します。その音の出し方がわかれば再現でき、さらにその音を聞いてどのような評価をしているかがわかれば、どのように調整していったら良いかがわかるためです。

最悪なのは、壊れた後に補聴器を使用していた頃の特性データがなく、どのように使っていたのかもわからない状態になる事です。これは、どちらかというと販売店側の失態ではあるのですが、このようになると、場合によっては合わせる事、そのものが初めからやり直しになります。

修理可能期間終了前に買い換えを検討する事

長く使用するうえで重要なのは、タイムリミットがどこにあるのかを理解する事です。補聴器の場合、修理可能期間終了1年前には、買い換えを検討した方が良いと、私は考えています。これが、第二の落とし穴回避策です。

言い換えれば、どこで線引きをするかという事でもあります。どんなものにも限度があり、それを超えると、破綻します。その前に次の補聴器に買い換えられれば、困る事は軽減できます。

特に壊れた後、あたふたして購入するよりは、落ち着いて相談もできますので、この点が大きいですね。どんなときもそうですが、余裕をもって動ける状態の時が最も判断しやすく、余裕がない時ほど良い判断はできなくなくなります。できるかぎり、そのような状況下で判断した方が、適切に選ぶ事ができます。

まとめ

長く使う際に理解しておきたい事には

  • 修理可能期間があるという事
  • 修理代が元通りに(保証が切れる)

の二つがあります。そして、修理可能期間には、特にお気をつけ下さい。最悪なシナリオを避けるには、長く付き合える販売店を探す事と修理可能期間終了1年前には、買い換えを検討する事です。修理可能期間に関しては、予め確認しておくのがベストです。

なお、しっかりとした販売店の場合、大抵、聞こえを数値化していますので(聞こえの効果を含む)、ほとんどの補聴器を、前回の補聴器の評価と特性データを参考にして調整してくれます。そのため、実は、修理可能期間外でも大丈夫です。とはいえ、何が起こるかわからない点から、念のため、前もって相談しておく事が不測の事態を回避す方法となります。

という事で、長く使う場合の落とし穴には、気をつけましょう。これらを理解しておけば、困る事は軽減されます。

 

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ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら。お店に関しては、こちらに詳細を書いています。お店の場所は、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、あります。
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