補聴器の形状や特徴

今までの経験から耳あな形補聴器について改めて考えてみる

先日【重要】補聴器屋の私がクロス補聴器の試聴をし続けてわかってきた事という事で耳あな形クロスに関して記載した。この内容は、正直、私にとって非常に衝撃的だった。

と、同時にある事を考えさせられた。それは、通常の耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器、どちらが耳を補ううえで理想かという事だ。お客様から教えていただいた事と私自身が色々考えていた事が、意外に一致した。

あくまでも私自身が考えている事だが、参考になれば幸いだ。

クロスの試聴から学んだ事

クロスの耳あなから学んだ事は

  • 耳の指向性を活かした方が聞きやすくなる可能性がある
  • 耳の指向性を活かした方が余計な音は入りにくい

この二つだ。

耳の指向性を活かした方が聞きやすくなる可能性が高い

耳あな形のクロスを試聴した際に感じたのは、この点だった。耳介の集音効果を利用し、聞くべき音を選別して、聞く事ができれば、より聞きやすくなるのではないかという事だ。

これは、少しわかりにくい表現で申し訳ないが、意味としては音を拾う範囲の抑制という意味になる。例えば、耳介がある事により、前方から来る音を±0dBとした場合、後方(目が見えていない部分)から来る音は、約5dBほど減少する。

これは、後方から聞こえてくる音は小さくなる事で、より騒がしくなりにくく、さらに前方の音を後方の音に邪魔されず、音量を大きくできる事になる。

補聴器で聞きたい音を聞く場合は、基本、邪魔される音をいかに入れずに行うかになる。例えば、騒がしい中でボリュームを大きくしても聞きやすくならないのは、周囲の音も聞きたい音も同時に大きくなり、聞き取りに必要なSN比の改善ができていないからだ。

では、その場合、どのようにするかというと、SN比を改善できるプログラムを組んだり、あとは比較的邪魔する音が少ないところでお話しをする事となる。まさに、騒音の部分を少なくして、聞き取りやすくするという方法を取る。

自然の指向性により、いくらか周囲の音を軽減してくれるのであれば、SN比の改善に繋がり、結果、聞きやすくなる事は考えられる。意外にも上方向からの音もいくらか軽減される事もわかったため、この部分もSN比の改善に繋がるだろう。もちろん、補聴器の指向性は、そのような観点から作られたものであるのは、言うまでもない。

耳の指向性を活かした方が余計な音は入りにくい

クロスの耳あな形補聴器を使用した際の感想に暗騒音の軽減があった。恐らくだが、音を拾う範囲の抑制により、軽減されているのだろう。暗騒音は、聞こえる音量や聞こえている物音の量に応じて大きくなる。騒がしいところは、暗騒音もすごいが、静かなところは暗騒音が少ない。つまり、拾う音の量で暗騒音は決まると言う事だ。

であれば、後方の音を自然に抑制する事で暗騒音を軽減できるというのもうなずける。

また、静かな中だと結構、細かな物音が多く、ガチャガチャうるさい時もある。耳かけ形補聴器の場合、比較的静かな時は、補聴器は無指向性になる。そのため、全方向の音がまんべんなく入る。恐らく耳かけ形補聴器をつけている方は、この感覚がよくわかるのではないだろうか。

このようにすると拾う音の範囲が広すぎて、うるさく感じてしまう傾向がある。しかし、自然の指向性を利用し、-5dBでも軽減できれば、楽になる可能性はあるだろう。

耳かけ形補聴器にも指向性はあるが、静かなところでは、無指向性にしている事が多い。補聴器の中には、固定の指向性に変える事もできるが、その指向性と耳の効果はどちらがうえなのか。それは、わからない。

私の場合は、何となくではあるが、耳の方が優秀なのではないかと考えている。今現在、人間の一部の器官の変わりをするものが多く出ているが、その大半は、人の器官に遠く及ばない。であれば、耳も体の一部を利用した方が良いのでは?と考えている。

指向性による機能はさまざま

このように自分の耳という自然な指向性を活用する方が個人的には良いと思っている。元々耳がそのような形状をしている事、そのようなものがついている理由もあるし、目に見える範囲外の音を抑制できると、確かにSN比は改善しやすくなる。

聞き取りをよくするには、どうしたら良いかを考えれば、SN比を改善する事となる。それを考えると自然の指向性はまさにこのSN比を改善させる塊にも見える。そう考えるとこの耳をいかに利用できるか、それが重要なのではないかと考えるようになった。

クロスの耳あな形を試聴していただき、感想をもらった時、このような事も考えた。う〜む、私の補聴器も耳あなにするか……故障を覚悟で。

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、お店を開いています。
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聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。

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