補聴器の性能

補聴器の聞こえの効果と性能の関係、性能を理解する3つのポイント

補聴器の購入を考える際、気になるのは、どのようなものがどう聞こえの改善に影響してくるのか。金額が高いものほど、良さそうな感覚はわかるけれども、実際、どう良いのか。そして、どう違いがあるのか。このような点かと思います。

そこで、こちらでは、聞こえの改善をベースに性能がどう関わってくるのか。そして、その性能とは、どのようなものがあるのか。こちらについてまとめていきます。

なお、以下の説明は、あくまでも当店が扱っているフォナック、というメーカーを基準に記載していきます。その点だけ、ご了承ください。

補聴器の聞こえの基本と性能の関係

補聴器を考える際に気になるのは、聞こえを改善させる上で、どう性能が関わって来るのか。という部分だと思います。この点に関して、誤解が無いように言えば、ほとんどの機器で、基本的な聞こえは補えるようになっていますので、それほど、大きく聞こえやすさが異なる。ということはありません。

その点を理解するために

  • 補聴器の聞こえの基本
  • 基本的な聞こえと性能の関係

の2つに分けて記載していきます。

補聴器の聞こえの基本

まず、補聴器の聞こえに関しては、基本的に性能ではなく、どこまで聞こえを改善させられたか。によって決まります。この部分は、補聴器の調整になるのですが、補聴器の形状や性能により、改善させられる目安が変化したり、改善できる範囲(少しは変わります)が大きく変化することはありません。

補聴器の聞こえは、▲になる。この▲の位置が上にくるとくるほど、聞きやすさは、改善しやすい。そして、ほとんどの機器は、調整して、改善させる、この機能が付いているため、どれも改善できるようになっている。補聴器の聞こえは、▲になる。この▲の位置が上にくるとくるほど、聞きやすさは、改善しやすい。そして、ほとんどの機器は、調整して、改善させる、この機能が付いているため、どれも改善できるようになっている。

もう少し詳しく説明しますと、補聴器の調整というのは、聴力の程度から、どのくらいまで改善できるのか。その目標値を決め、そこまで改善させられると、それだけ聞こえの効果は高くなります。ここが重要で、性能(金額)が高い=聞こえるではなく、この改善値が高い=聞こえる、となります。

性能が高い=聞こえるもあながち間違いではないのですが、調整により、改善値をよくしてあげないと、基本の聞こえが得られません。聞こえの改善値が高い方が、聞こえにくさは、改善する傾向があります。それにプラスして、性能も良いと、その良い性能も活かしやすくなります。

上記には、赤い△で表示された目標値、▲で表示された補聴器使用時の聞こえが記載されていますね。

補聴器のランクには、フォナックの場合、主に上記のものがあるのですが、一番上のファーストクラスでも一番下のエコノミークラスでも、この赤い△と▲で表記されているものは、ほとんど変わりません。

そもそもの部分ではありますが、赤い△は、聴力によって決まりますし、▲は、どれだけ音を入れたかであり、どれだけ音を入れられるかは、音の出力で決まる部分で、性能とは、関係ありません。※フォナックは、音の出力ごとに金額を変えるということはしていません。性能と形状で、金額が変化します。

そのため、基本的な聞こえの効果というのは、実は、ファーストクラス〜エコノミークラスでもあまり変わらないようにしています。実際には、聞こえ方や音の感じ方の変化はありますが、どの性能のものでも、ちゃんと改善させられる部分までは、ちゃんと改善できるようにしています。(なのでそのメーカーを私は扱っている、というのはあります)

基本的な聞こえと性能の関係

さて、改めて補聴器の性能表を見てみますと、

上と下では、ものすごい金額差ですね。基本的な聞こえは、変わらないと書くと「え?じゃあ、この金額差は何?」となるわけですが、補聴器で聞こえを改善させようとすると、するほど、気になりやすい音があったり、周囲が騒がしくなってしまって、聞きたい音が阻害されてしまう。ということが起こります。

基本的に補聴器で大きく金額に差が出るのは、②と③になる。音を調整する機能は、どの補聴器にも付いているため、どの補聴器でも耳の改善は、できるようにしている。それが、補聴器だ。基本的に補聴器で大きく金額に差が出るのは、②と③になる。音を調整する機能は、どの補聴器にも付いているため、どの補聴器でも耳の改善は、できるようにしている。それが、補聴器だ。

それを軽減、抑制する機能が入っていると入っているほど、金額が上がります。それらが搭載されている補聴器ですと、気になりやすい音を抑制してくれて、快適に使いやすかったり、騒がしい中での会話を少しはわかりやすくしてくれたりなど、してくれます。このような部分が異なります。

補聴器を耳に合わせる調整の機能は、全てにあり、そのような音を抑制したり、聞きにくくなる部分をなるべく聞きにくくならないように支援してくれる機能があると、一気に補聴器の金額が上がってきます。

これが、補聴器の性能と基本的な聞こえの部分です。

補聴器の性能とその種類

では次は、補聴器の性能に関して本格的に見ていきましょう。補聴器の性能に関しては、上記にチラっと出てきましたが

  • 補聴器の聞こえの基本となる機能
  • 騒がしい中でなるべく聞きにくくならないようにしてくれる機能
  • 快適性をあげる機能

主にこの三つに分かれます。それぞれ詳細を記載していきます。

補聴器の聞こえの基本となる機能

補聴器の聞こえの基本となる機能とは、チャンネル(バンド)というものです。

これは、補聴器を調整する上で、どれだけ細かく調整できるのか。という部分に直結するため、重要な部分でもあります。

こちらは、8chのもの。8chだと、8個の調整できるボタンがある。こちらは、8chのもの。8chだと、8個の調整できるボタンがある。

こちらは、補聴器の調整画面なのですが、みてみますと、細かく、8つに分かれていますね。これは、8つに分かれているため、8chになります。

こちらは、20chのもの。20chだと20個の調整できるボタンがある。こちらは、20chのもの。20chだと20個の調整できるボタンがある。

それ以外に、多いものでは20chというものもあります。このように細かく分かれているものほど、高価になります。

チャンネルが関係するのは、

  • 補聴器で音を調整する時
  • 不快な音を抑制する時

の2つです。多ければ多いだけ、補聴器で足りない部分だけを調整したり、不快に感じやすい部分だけを下げられたりします。※他の周波数を犠牲にしないで……という意味になります。

で、重要なのは、ここからなのですが、ここは、多いと調整しやすいということはあるのですが、実際に調整している人間からすると、12chもあれば十分かなと感じます。

実例の目標値。赤い△および白い△の数は、8個しかない。周波数に関しては、これだけ測定できるものではあるが、これらを目標まで改善させる。という視点でいうと、16chや20chまでは、不要かなという印象。実例の目標値。赤い△および白い△の数は、8個しかない。周波数に関しては、これだけ測定できるものではあるが、これらを目標まで改善させる。という視点でいうと、16chや20chまでは、不要かなという印象。

その理由は単純で、調整したとしても確認できる要素が、今現在、8つしかなく、それ以上、調整できるように16ch、20chにしても、そんなに使うことがないからです。

上記にも少し触れましたが、基本的に聞こえの改善値は、どこまで聞こえさせたかにより決まります。チャンネルは、多いに越したことはありませんが、12ch以上は、実際に調整している身からすると、あまり意味がないのかなと感じます。

なお、あくまでもこちらは、そこまで聴力が難しい形をしていないことを記載していますので、聞こえているところと聞こえていないところの聴力差が大きい方や複雑な聴力をしている方は、除きます。

騒がしい中でなるべく聞きにくくならないようにしてくれる機能

こちらは、騒がしい中での聞き取りをなるべく低下させないようにする機能で、補聴器の世界では、指向性と呼ばれています。指向性は、聴力低下している部分の音を補うだけでは、聞こえが改善させられないことから生まれた機能で、主に騒がしい中で、機能します。

指向性とは、前方の方向からの音を優先的にきく機能。元々は、きく範囲を定めるのが指向性という。指向性とは、前方の方向からの音を優先的にきく機能。元々は、きく範囲を定めるのが指向性という。

前方や会話を中心として、聞くようにし、なるべく周囲の音に会話が阻害されないよう支援してくれる機能が指向性です。

人は、お話する際、前を向きながら話す習性があります。それを利用し、前方の音を中心的に入れ、後方や横の音を抑制し、前方からくる音をなるべく邪魔させないようにします。そのようにすることで、騒がしい中で聞きにくくなりやすい状態をなるべく阻害されないよう支援してくれます。

もともと人の耳は、前方の音の方が聞こえ、後方からの音の方は、前方に比べると聞きにくくなっています。人の耳も実は、聞く範囲を絞っており、そのような習性から、生まれた機能と言ってもいいかもしれません。

この機能が優れているといるほど補聴器の金額が上がるようになります。上がると上がるほど、騒がしい中での聞き取りを手助けしてくれるようになります。しかし、この機能があるからと言って100%理解できるわけではありません。

しかし、機能が優れると優れるほど、邪魔されやすい環境で聞こえの支援をしてくれるようになります。

快適性をあげる機能

快適性をあげる機能とは、補聴器を装用していると不快に感じやすい音を補聴器の方で抑制してくれる機能です。この機能も上がると上がるほど、金額が高くなります。

主に、このような種類があり、

補聴器ごとに何が搭載されているのかが変化します。基本的に高い補聴器ほど、たくさんの抑制機能が搭載され、かつ、機能も良いものが搭載されています。

①暗騒音を抑制

こちらは、補聴器を装用しているとサーッといったり、ザワザワ…というような音が常に聞こえるのですが、それを軽減してくれる機能です。暗騒音は、人が多いところや車などがよく通っているところほど、感じやすくなります。

この機能が優れていると優れているほど、その音を軽減しやすく、かつ軽減する際に音声まで余計にカットすることなく、抑制がしやすくなります。ただし、限度はあります。

この機能が優れている場合、使用している人の評価を聞いてみますと、音がクリアに聞こえる。という評価をいただくことが多いです。おそらく暗騒音のような余計な音が少なくなることにより、より人の耳の感覚に近くなるためでしょう。

たまに周囲の騒音全般、例えば車の音や周りの音、そのものを抑制してくれるというような言い方をする方がいるようですが、そんなことはしてくれません。

こちらの機能は、

  • ノイズブロック
  • ノイズキャンセラー
  • 雑音抑制

など、様々な言い方があります。

②風の音を軽減する機能

こちらは、そのままですが、風の音を抑制する機能です。補聴器は、マイクに風が当たると非常に大きい音がします。その音を軽減してくれるのが、この機能です。

こちらもあると、風による大きな騒音が抑制されますので、快適性が増します。

この機能は、ウインドブロックなどと呼ばれています。

③突発的な大きな音を軽減する機能

こちらは、ものが落ちた際やヒールのカンカンする音を軽減する機能です。こちらがあると、その部分だけ軽減することができます。

補聴器を装用するとはじめに気になるのは、細かな音という事もあるのですが、突然発生する大きな音も同様です。ドアを勢いよく閉めた時の音やものを落とした際の音、その様な勢いよく大きな音がするものは、不快に感じやすい傾向があります。こちらの機能は、そのような音を中心に抑制してくれます。

大きな音は不快に感じることも多いため、あると、快適性が増すようになります。主にサウンドリラックスなどと呼ばれています。

④反響音を軽減する機能

これは、狭い部屋や響きやすいところでの反響音を抑制する機能です。音が反響すると、言葉の輪郭が捉えにくくなったり、響いた感覚が強くなり、なんと言っているのかわかりづらくなる傾向が出ます。

それを軽減してくれるのが、この機能です。響く感覚を抑えてくれ、快適性+聞き取りに関して、貢献してくれるようになります。

快適性をあげる機能のまとめ

上記にあげたものは、全部、音響機器であるがゆえに起こる問題です。最近は、YouTubeの動画や動画の生放送などが増えてきましたので、それらを見てみる(聞いてみる)とより感じるかと思います。

例えば、暗騒音に関しても、ずっと何か鳴っているような音が聞こえたり、ざわざわした感覚で聞こえたり、風があるところでは、風がマイクにあたり、ヴォーヴォー聞こえ、何を言っているのかよくわからなかったりします。また、細かな物音が妙に大きく聞こえたり、大きい音は、かなり響くような感じも同様です。

補聴器は、音響機器ですので、これらのことが起こります。補聴器を装用し続けることで、音の感覚に慣れてくることはありますが、これらの機能があると、より快適性は、増す様になります。

金額による性能別イメージ

さて、次は、金額による性能別イメージです。ここまで、補聴器の基本となる聞こえの部分を記載したり、性能の部分を記載しましたが、これだけでは、イマイチ、金額別にどう聞こえに関して、影響してくるのかが見えにくい状態です。そこで、金額別の性能に関して記載していきます。

結論から言えば、基本的には、下のものは、耳の聞こえを補うだけに対し、上になるとなるほど、補うだけでなく、様々な抑制機能(快適性をあげる機能)や指向性機能がつき、さらにその聞こえを支援してくれる様になります。

上記のランク表があるとしますと、

  • エコノミー:基本的な聞こえを補う機能のみ。そして、それを最小限で行う
  • スタンダード:全体的に基本となる聞こえを補える様に。かつ、快適性も少し上がる
  • ビジネス:基本となる聞こえは補いつつ、快適性、指向性の機能がここから急に上がる様に
  • ファースト:聞こえを補う基本、指向性、快適性、全ての要素を最大限まで高めたもの

各クラスのイメージは、この様になります。

基本となる聞こえの部分は、どの補聴器でも補えますが、その機能に+して、快適性や騒がしい環境下での聞き取りをなるべく下げない機能の効果を上げていくと、それに伴い、どんどん金額が上がっていく状態です。

補聴器の金額と性能の差は、この様なところに出てきます。

補聴器の性能のまとめ

さて、今回の内容についてまとめていきます。

まず、補聴器の聞こえの基本と性能に関しては、上記に記載した通り

  • 基本的な聞こえは、改善値によって決まる
  • 改善値は、性能によって、大きく変わることはない

となります。聞こえ改善の目標値はあくまでも聴力によって決まり、実際に音を入れた後の改善値は、性能によって大きく変わるということはありません。実際には、少し変化はあるのですが、大きくは、変化していない状態です。

この点は、あくまでもフォナック社を扱っているというところと、実際に私自身がお客様の耳へ補聴器を合わせていることから感じる見解です。

そして、性能に関しては、分別すると

  • 補聴器の聞こえの基本となる部分
  • 騒がしいところでもなるべく聞きにくくならないようにする機能
  • 快適性をあげる機能

の三つに分かれます。どの補聴器にも聞こえの基本となる部分はあり、聞こえを改善させることはできます。そして、その基本の機能にどんどんプラスしていくほど、金額が高くなります。

それが補聴器の基本と性能の関係になります。

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、お店を開いています。
補聴器で聞きにくさを改善する方法、まとめました

聞きにくさがあり、お悩みの方のために、補聴器で聞きにくさを改善する方法をまとめてみました。

書いてある内容は?
  • 難聴の症状別に、どう補聴器で改善すると良いか
  • 補聴器の基本から、種類の特徴、金額による違い
  • ご自身に適した補聴器の選び方

聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。

補聴器の改善まとめお客様の改善事例

なお、お店に関する内容は、以下にまとめています。

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