補聴器の事でお考えの方でも、まだまだ抵抗があり、補聴器について見えないものが良い。という方をたまにお見かけします。
よくWebでも雑誌でも見えない補聴器!みたいなものを書いているのを見かけますが、私の体感では、そのような補聴器を欲しいと思っているのは、だいたい3割ほどで、ほとんどの方は、自分の聞こえを最も改善できるものを欲します。
そのような場合、いわゆる「自分に合う補聴器がいい」と表現されます。補聴器は聞こえを改善させるためにありますので、当たり前ですね。
しかし、中には、補聴器を装用することに抵抗がある方もいるのも事実です。全体から見ると少ないとはいえ、抵抗があるとなかなか先に進むこともできません。そして、補聴器について相談してみると見えるものの方が良い。というようにアドバイスされることもあるかと思います。
もしかしたら考えたこともないかもしれませんが、実は補聴器に関してお伝えすると見えることによるメリットもあるのです。
私自身補聴器を使っており、かつ補聴器の販売もしている身から補聴器に関して見られたくない!とお考えの方へ少しでも先に進めるようアドバイスと補聴器に関する全体像の部分を今回は、記載していきます。補聴器についてしっかり理解できれば幸いです。
結論
まずはじめに結論から言いますと、見えない補聴器、見えにくい補聴器でも、私自身は、いいと思っています。はじめは、どんな感じかわからないというところもあり、少々、警戒するところ、不安なところも多いかと思います。
であれば、まずは、自分が良いと思える補聴器。小さくて見えないものの方が良いならそれでいいですし(耳を補えることが条件です)、気にいる補聴器で全然大丈夫です。
その理由は、
- 補聴器をつけることにより改善できることが多くなれば精神的にも楽になる
- 補聴器を使うことが多くなれば、自然と補聴器に関する理解が深まる
- 補聴器は、聴力さえ補えるものであれば、基本的な改善はできる
の三つがあります。聴力に対し、ちゃんと補える範囲内のものを選べばほぼ補えるのが補聴器ですので、その後、見えない補聴器でも見えにくい補聴器でも使い、まずは、自分自身の状況をよくするのが重要です。
そして、使い続けることにより、補聴器のことも徐々に理解できるようになってきますので、理解したのちに、次の選定にその知識を活かせば全く問題ありません。
それが、私からのアドバイスです。
補聴器の全体像
では、仮に補聴器を見せたくない、見えないようにしたいという欲求がない場合は、どうなのでしょうか。その点に関していうと実は、補聴器は多少見えていた方が、生活しやすくはなります。
その理由は、
- 補聴器は残念ながら耳を治せるに至らない
- 耳が聞こえにくいことは、見た目ではわからない
- 補聴器が見えると耳の事を話すきっかけになる
の三つです。
補聴器は残念ながら耳を治せるに至らない
補聴器は今現在の技術では、聞きやすくすることは可能ですが、治すというところまでは、残念ながらいきません。治るのであれば、個人的には、見えていても、見えなくてもどちらでも良いと思うのですが、治らない場合、聞こえにくいことによっておこるコミュニケーション障害がどうしても起こります。
難聴の場合、一番に問題なのは、聞こえないことではなく、聞こえにくいことにより、相手を無視しているように思われたり、言われた事をしない、相手からしたら言ったのに関わらず、反応なし。という悪態をついているように見られやすくなってしまう事です。
本人が意図していない方向へどんどん誤解が広まってしまい、人間関係が悪化するのが一番の問題です。その点に関して、補聴器を装用することにより、聞こえやすくなりよりよくはなりますが、残念ながらその点を100%改善できるわけではありません。
そのため、相手に耳のことを伝えておき、こちらとしては、そのような意図はないということを伝えておく必要があります。必要以上に誤解をうまないためですね。
耳が聞こえにくいことは、見た目ではわからない
しかし、耳の状態は、残念ながら見た目ではわかりません。補聴器や耳について予め伝えておいたり、見えるものをつけているのであれば、気づく人もいるかと思いますが、見えない補聴器、見えにくい補聴器をつけている場合、当然ですが気づかれることは、ほとんどないと思った方が良いです。
補聴器が見えると耳のことを話すきっかけになる
耳の状態は、見た目では伝わらないということになりますと、自分で誤解を大きくしないためにも、耳のことを伝える必要があります。しかし、私自身も痛感していますが、この耳のことを伝えるタイミングというのは、なかなかに難しいです。
少々仲が良くなったタイミングで話す、一人一人に話すなど、方法は確かにあるのですが、そのタイミングは、結構難しく、むしろ補聴器に関して「なにそれ?」と気軽に聞いてくれた方が非常に話しやすいです。
多くの人にお会いする仕事などは、特にそうで、ここまでくると、なかなか話すことはできません。体のことを話すというのは、想像以上に難しく、かつ、プライベート的な要素が大きいので、話せるきっかけを作れるというのは、実は大きなメリットになるんですね。
まとめ
補聴器に関して、抵抗があり、見えるなら使わないとなるくらいなら、見えない補聴器でも使用し、状況を改善させた方が私は良いと考えています。そのようにすることで、
- 聞きやすくなり、ストレスが減る
- 変な誤解なども少なくなる
- 自分に対し、自信を持てるようになる
というような効果があるからです。耳が治らないというところは誠に申し訳ないのですが、それでも補聴器があった方が身体的な負担が少なくなるのであれば、トータル的に考えて、装用した方が良いでしょう。
ただ、治らないとなるとやはり周りの方に耳のことを伝える必要もありますし、見えないものを使っていると少々忘れさられやすいという問題もあります。それがあったとしても、使わないよりは良いので、私は、装用することそのものをお勧めします。
補聴器を使うことで、自分の状況を気にしているのは、実は自分だけというのもよくわかるようになるかと思いますので、それを理解したあとで、次の補聴器選定に役立てる。という方法もあります。意外かもしれませんが、ほとんどの方は、仮に補聴器が耳から見れるようにしてもほぼ見ません。
私は、このような形状の補聴器を使用し
イメージとしては、こんな状態ですが、それでも気づくのは、20〜30人に1人くらいです。つまり自分の顔を気にしているのは、自分だけと同じなのですが、なかなか初めての場合は、そこまでわからないものです。
であれば、まずは状況を改善する。そちらの方が重要なのかなと私は、考えています。
こちらの内容で、少しでも自分自身がより良くなる方向へ行けたのであれば幸いです。
聞きにくさがあり、お悩みの方のために、補聴器で聞きにくさを改善する方法をまとめてみました。
- 難聴の症状別に、どう補聴器で改善すると良いか
- 補聴器の基本から、種類の特徴、金額による違い
- ご自身に適した補聴器の選び方
聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。
なお、お店に関する内容は、以下にまとめています。そして、当店で扱っている補聴器、製品に関しても、まとめています。