補聴器のこと

これからの補聴器販売に求められるのは、板前的職人

補聴器の世界ですが、急激に良くなってきているなぁ……と最近感じるようになりました。なぜ、そんなことを感じるかと言いますと、補聴器のフィッティングに関して、おそらくディープラーニングやPDCAを繰り返して学習し、かなり正確に調整できるようになってきた。というのがあります。

何を持って正確というべきかは、人によって異なるのですが、ちゃんと改善できるところまで改善させる。しっかりと聞こえを改善させる場合において、重要な聞こえの数値が、本当の意味で、フィッティングソフトと現実の効果が一致しつつあるので、今まで必要とされてきた人とこれから必要となる人が違うのではないか。とも感じます。

ちょっとこの点に関して記載していきます。ちなみに結論から言うと、タイトル通り、板前的職人であり、素材を活かせるやり方ができる人が、今後、より求められてくる。と私は感じます。

補聴器の調整に必要な二つの要素

補聴器の調整というと販売している人はともかく一般の方は、どう音を調整するか。もっと細かくいえば、補聴器のソフトで、どう音の調整をするか。

補聴器の調整画面。調整というと、この部分をどう操作するか。ということを考えることが多い。補聴器の調整画面。調整というと、この部分をどう操作するか。ということを考えることが多い。

例えば、これが補聴器の調整画面だったりするのですが、これでどう操作するか。というところを考えると思うのですが、これは、単に音の出し方を命令するだけになりますので、それ以外にも色々な要素があって音の伝わり方というのは、変化します。

それは、マイクの位置だったり、イヤホンの位置、耳かけ補聴器のような耳の外から音を出して耳に伝えるのもそうですし、耳あな型のような耳の中から音をだし、音を伝えるというのもそうです。

ここからが重要なのですが、耳の中の容積とベントと言われる空気穴により、音の伝わり方というのは、たとえ機械から(全く同じ補聴器から)同じ音を出したとしても、異なって耳の中へ届くようになります。

耳の中の容積とは、単に外耳道の広さ、容積を表す。耳の中の容積とは、単に外耳道の広さ、容積を表す。

耳の中の容積とは、単純にこの耳の穴の中の広さ(外耳道の容積)になります。そして、ベントとは、音の通気口で、どれだけ密閉させたのか、もしくは、どれだけ通気をよくさせたのかによっても、聞こえは変化します。

耳あな型補聴器やRICと呼ばれるイヤホンが外に出ている補聴器

RIC補聴器の形状、RICもちゃんと補い方を考えないと聞こえに関しては、不安定になる。RIC補聴器の形状、RICもちゃんと補い方を考えないと聞こえに関しては、不安定になる。

こんな形状のものですね。その場合は、さらにどこまでイヤホンを入れるのか(耳あな型の場合は、どこまで作るか)によっても聞こえ方というのは、簡単に変化します。

ですので、補聴器の場合

  • 補聴器の音の調整
  • それ以外の音に影響する部分

の二つを考えながら音を設定していきます。

今までであったこと

今までであったのは、人によって耳の中の容積は違いますし、補聴器をおく位置も違う(耳かけ型とかだと耳の後ろに隠れすぎることで前方の音が拾いにくくなることもあった)、そして、耳かけ型補聴器か、耳あな型補聴器か、でも聞こえが異なる。という状態でした。

そのため、ひとまず音の調整を行い、補聴器の調整を行なった後に補聴器の効果を可視化する必要がありました。

補聴器には、音場域値測定という補聴器の効果を可視化するツールがあり、それで見ると、どこまで補えているのかがおおよそ見れるようになります。こちらで、可視化し、本当に改善目標となる部分まで補えているのか。そして、ちゃんと良い状態なのかを確認する必要がありました。

というのも仮に補聴器の調整ソフト上、しっかりと音が出ていたとしても、そのまま本当にその音が耳に伝わり、ちゃんと改善に結びついているのかがわからなかったためです。

改善目標値:赤い三角。現状:▲。目標までちゃんと改善しているのか。それを見る必要があった。改善目標値:赤い三角。現状:▲。目標までちゃんと改善しているのか。それを見る必要があった。

ですので、上記のように目標を定め、そこまでちゃんと改善しているのかを見る必要があったのですが、最近の調整ソフトは、明らかに精度が上がり、よりズレが少なくなり、良くなっています。

私の場合、主にフォナックの製品を扱っているのですが、特にフォナックはそう感じます。

そこからわかる今後、必要な能力とは

そこからわかるのは、ちゃんと音のデザインをしてあげる能力。ということがわかってきます。

補聴器の場合、耳あな形補聴器であればどのように作ると音が伝わりやすくなるのか。RIC補聴器であれば、耳せんではなくCシェル

Cシェルとは、RIC補聴器の耳の型を採取して作る専用の耳せん。耳せん一つでも聞こえ方は、異なる。Cシェルとは、RIC補聴器の耳の型を採取して作る専用の耳せん。耳せん一つでも聞こえ方は、異なるのが補聴器の世界。

やイヤモールド

一般的な耳かけ型に使用するのが、このイヤモールド。これも聞こえ方が変化する。一般的な耳かけ型に使用するのが、このイヤモールド。これも聞こえ方が変化する。

このような形のものですね。これらのものを使い、しっかりと音を伝えるまでをデザインすること。つまり、音をしっかり伝える補聴器そのものを構築する能力の方が重要になるはないかと感じます。言い方を変えれば、より機械が想定している状態に近づける。ということです。

調整の部分は、明らかに機械の方が優ってきている状態になりつつある今、まさに素材を活かす能力。それが求められているように感じます。それが板前的職人です。

料理の技術がうまいというのもありますが、そのような方々に共通するのは、素材の魅力、力を存分に引き出してあげること。これは、今後の補聴器に関しても言えるのではないかと感じます。

時代によって必要となる能力は異なる

時代や機械、ものが変化すれば、徐々に必要となる技術は変化してきます。今までは、総合的な能力、補聴器を調整し、音の設計まで考える状態でしたが、もう補聴器の調整に関しては、人の力より、明らかに機械の力が優ってくる時代になってきました。

AIがより発達すれば、よりそのような傾向は強くなります。そんな中で必要となる能力は、やはり機械が想定している状態へ持っていく能力と個人的には、感じます、もちろん将来的には、作る方すら人間は、いらなくなるかもしれません。

個人的には、すごい勢いで進化しつつあるなと感じるようになってきました。こちらとしては、嬉しい限りですね。

ABOUT ME
深井 順一
生まれつきの難聴者が対応している補聴器専門店、パートナーズ補聴器、代表。聞こえにくさを抱えている方が、聞こえを改善し、より良い生活ができるようになるお店。という考えのもと、お店の内容やサービスを考え、補聴器による聞こえの改善をしています。書いている人の詳細は、”書いている人のページ”へどうぞ。お店に来た"お客様の改善事例は、こちら”に記載しています。最近は、Yourtubeにて、動画による解説も始めました。
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