耳のことを正しく伝えるって想像以上に難しい

お店をやっていると様々な人が来店されるわけですが、ちょっと考えさせられることが最近続きます。それは、タイトル通り、耳のことを正しく伝えるというのは、想像以上に難しいということです。耳のことに限りらず、特殊なもの、専門的な分野であるほど、その難しさというのは、共通する部分があるのではないかと感じます。
どんなことがあったのか。ということになってくると思いますので、それについて記載していきます。結論から記載しますと今現在、様々なところで情報を得られるようになり、得られるようになったはいいけれども正しく理解することが難しく、挫折する方をたまに見かけます。その方をどう減らすか。その点ですね。
現在の問題点は
はじめに結論から記載していきます、今現在は、インターネットも書籍もあるため、耳の情報、難聴に関すること、それらを調べようとすれば調べられるようになりました。これらの問題で感じるのは、耳のことを正しく伝えるというのは、想像以上に難しいということです。
そして、その問題が引き起こすのは、患者が挫折するということです。
実際にあったこと
これは、実際にあったことですが、軽・中等度難聴の難聴の方で、非常に勉強熱心で、耳のことに関しても書籍を購入したり、実際にネットで調べている方がいました。
ネットで調べている際に私のブログにたどり着き、実際に来店され、耳を改善させるわけですが、その際に言われた言葉は「もっと早く出会っていればよかった」という言葉でした。
ん?どういうことかな?と思い、聞いてみますと、聞きにくさを感じ始めた頃から耳のことについて色々と調べていたようで、書籍やネットで情報収集しても、かつ耳鼻科に行っても治らない、改善は難しいと言われ続け、最終的には、職をやめていたんですね。
その方から教えてもらったのは、上記の本です。耳のことは、改善できない。補聴器や人工内耳をつけても限界があるとのことで、医師からもそれを言われていたため、職をやめざるを得ないと思い、やめていた。という状況でした。
この本は、私もはじめ知りませんでしたので、実際に読んで見たのですが、確かに事実を書いており、人工内耳や補聴器に関して、様々なことが書いてありました。ここまで書いてあるのは、なかなかなく、補聴器の裏事情に関してもいろんな意味で結構書いてあります。
で、様々な情報を集め、耳のことは気になりつつも改善できないなら……と補聴器については、諦めていた状態でした。しかし、私のところへきて、改善ができるとしり、出てきた言葉が、上記のもっと早く出会っていればよかったという言葉だったのです。そうすれば職もやめずに続けられたかもしれない。そのようなこともおっしゃっていました。
この一連の流れは、ちょっと考えさせられるものがあります。
あるべき姿は何だろう?
私もこのようにブログを書いている人間ですので、情報発信をすることをよく考えるのですが、その度に考えるのは、あるべき姿は何だろう?という基本的な考えです。
個人的に思うのは、やはりなるべく正しく伝えること、だと思っていまして、補聴器でできること、できないことはありますので、それを伝えた上で、患者さんやお客さんが望む形にできれば良いのかなと思っています。
例えば先ほどの方を例に出せば、より良い形は、現状に関して正しく伝え、よりよくしてあげれば職についてもやめなくても済んだかもしれませんし、必要以上に耳のことについて悩まなくてもよかったのかもしれません。そうすればその方が望んだ形にできただろうなと思いました。どのような例か、というのがなかなか出せず、伝わりづらいのが誠に申し訳ないのですが、そのように感じます。
では、具体的には?という話になるのですが、その場合は、ネットや書籍、伝える場で、できることできないことを説明したのち、補聴器を体験してみて、あった方が良いのか、そうでないのかを考えてもらう。それが1番のように感じます。
補聴器の場合、わかりにくくしている要素は2つあり、
- 補聴器は体験型の商品である
- 耳の状態は、人により異なる+感音性難聴という耳の状態
にあります。体験型の商品といいいますか、補聴器については、つけてみないと実際のところがわからないため、考えてもよくわからないということ。そして、耳の状態は、人それぞれなので、いい人もいれば、残念ながら効果が薄い人もいる、その理由は、感音性難聴というものもありますし、音声を理解する力にもよってしまうためです。
そこが伝えるということについて考えると難しい点ですね。ですので、実際に体験してみてどうなのか。それが一番伝えるという点に関しては、良いように感じます。
補聴器をつけている私が言えること
最後に実際に補聴器をつけている私が言えることは、補聴器にはできることできないことは確かにあります。しかし、私は、補聴器をつけるとできることの方が多くなるから補聴器をつけている。ただ、それだけです。非常に合理的ですね。仮に補聴器をつけても全く効果がないなら、できることが増えないなら、つけていないということです。
私の場合は、感音性難聴というもので耳を治せない状態ですので、補聴器でなるべく聞きやすくしています。それでも聞きにくいことはどうしても出てしまいますが、ないよりは、良いですね。だからこそ、このような販売店も自分でやっていますし、それ以外のことで、よりよくできないかも考えています。
このように今現在は、改善させることもできるようになってきていますので、自分にとって利益の方が大きくなるのであれば考えてみても良いのではないかと考えています。
そして、そのようなことを伝え続けるのが、私の今やるべきことなのかなと感じます。と、その方を対応していた時に思い、そのような方を少しでも減らすことに繋がるのかなと思いますね。
とにかく地道にやっていくしかなさそうだ。