補聴器の調整と改善の考え方

しっかり改善させるための補聴器調整の基本と2つの効果確認法

補聴器の調整に関しては、人によって異なり、かつ、明確にこの様にしなければならない。という部分がありません。決められているのは、効果の部分で「これだけ効果が出ていれば、補聴器の適性はあるとみなせる」という部分です。

しかし、補聴器の効果は、調整により決まるところも多く、効果があるものを求めるには、避けては通れない部分でもあります。ここで、重要なことは、どの様な状況になると良いのか。という効果の部分を理解することになります。

ということで、補聴器の調整に関して、全体像から、どの様に改善させると良いのか。そのポイントに関してまとめていきます。私自身も生まれつき難聴であり、補聴器をつけていますが、この方法で、より良くさせていきました。

補聴器の調整とは

補聴器の調整とは、基本的に、補聴器を耳に合わせる際に行われるものです。

聞こえを補うイメージ。下がった聴力を補聴器を使って、より聞こえる様にしていく。聞こえを補うイメージ。下がった聴力を補聴器を使って、より聞こえる様にしていく。

具体的には、聴力低下した各周波数を補う様に音量をいれ、全体的に聞こえを改善させていきます。

実際には、この様に機器を使って

この様に補聴器の状態を画面に出しながら、調整して行きます。

これが、補聴器の調整画面なのですが、色々と線が出ていますね。これは、上にあると上にあるほど、音量が出ている状態になるのですが、異なる聴力ごとに、どれだけ音を補うか。その調整を行うのが、補聴器の調整です。

補聴器の調整の基本

補聴器の調整の基本は、シンプルで

  1. 改善の目標を立てる
  2. 実際に調整する
  3. 現状の補聴器の効果を確認する

の3つになります。①の後、②と③を繰り返して、改善を行なっていきます。

重要になるのは、①と③になります。どう調整するかより、どの様に効果が出ていれば良いのかを知る方が重要になります。調整でうまく行かない方は、大抵、①と③が不足しています。

①改善の目標を立てる

基本的に補聴器は、聴力ごとにどれほど改善できるのかの目安があります。それが、改善目標値です。

補聴器は、残念ながら耳を治せる道具ではありません。そのため、補聴器をつけた時の目標が聞こえる様になること、もしくは、困っているところ、全部がよくなること、にしてしまうと、改善できない部分があるため、うまく評価することができなくなってしまいます。

この部分は、補聴器は耳を治せないということを伝えたいのではなく、治せないなりに補聴器の効果を最大限出すためには、どこまで改善できると良いかを知る必要があるという事です。

なぜなら、治せる、治せないだと、治せないという判断しか下せなくなってしまい、そこから先に進めなくなってしまうからです(より良く改善させる思考ができなくなります)。

なるべく改善できるようにするために、まずは、どこまで改善すると良いのか。その補聴器の効果の見方、評価の仕方を中心に記載していきます。そこから、改善の目標を立てていきます。

聴覚医学会の補聴器適合の指針2011からみる改善目標値

補聴器の評価の仕方は、いくつかありますが、ポピュラーな部分を載せますと、

audiology-03

(3)評価方法

ファンクショナルゲインが聴力の半分(ハーフゲイン)であるか、装用域値が1000Hzで35dB以内であればよい。ファンクショナルゲインは、低音域ではハーフゲインより少なくてもよく、高音域の利得は補聴器の性能上ハーフゲインが得られない場合がある。

評価例(図11)

補聴器適合例と適合不十分例を示した。▲印は低音及び高音部をのぞき非装用時の域値のほぼ半分のファンクショナルゲインを得ており適合例と言える。■印の場合は、ゲインが不足しており、適合不十分例といえる。

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

この聴覚医学会の補聴器適合指針2011の音場閾値測定の効果確認になります。

音場閾値測定とは、

聴力検査室の中で行われる補聴器を装用した状態を各周波数ごとにどれだけ聞こえる様になっているのかを見る測定です。

スピーカーから音をだし

聞こえたらボタンを押す。というシンプルなものです。聴力検査の補聴器版といえば、わかりやすいかもしれません。

測定結果は、聴力図と同じ様に図に出すことができます。補聴器ありなしでどのくらい差が出ているのか。そして、改善目標を決めていた場合は、その目標と比較して、どう改善できているのかを見れる様になります。

聴覚医学会のデータでは、1000Hzが35dbまで来れば良いとなっている。

聴覚医学会の補聴器適合指針2011では、その効果が、1000Hzが35dBを達成しているか聴力の半分改善していれば良い。となっています。実際には、低い音(250Hz、500Hz)は少なくても良く、高い音(2000Hz、4000Hz)は、補聴器の性能上、半分まで行かない可能性もあるよ。と、記載されています。

これが達成できれば良いということですね。なお、私の体感でもありますが、これが達成できれば、補聴器に関しては、それなりに効果を得れている方が多いです。

私がしている改善目標値

私自身も補聴器を実際に調整している身ですので、改善目標を決めて調整しています。

ほとんど補聴器適合指針2011を応用し、より改善できないか考えて作ったのが

▲が補聴器を使っている状態。△は、補聴器なしの状態。実際に改善させている身から感じるのは、ちゃんと平均的に改善させた方が聞こえの改善が良いことが多いこと。▲が補聴器を使っている状態。△は、補聴器なしの状態。実際に改善させている身から感じるのは、ちゃんと平均的に改善させた方が聞こえの改善が良いことが多いこと。

こちらになります。この目標値は、主に、軽度〜中等度難聴(〜65dBくらいまで)の方に適応されます。

重要な部分は、音声に関連する部分で、500Hz〜2000Hzを満遍なく改善させてあげると聞きやすさに関しては、上がる傾向があります。それ以上の高い音(3000Hz、4000Hz)は、アラーム系の音、お知らせ系の高い音に気がつく様にしてあげるために上げます。

高度難聴以上については、基本的に聴覚医学会の内容で計測。低い音(250Hz〜500hz)は上がりやすく、750Hz、1000Hz、1500Hzも頑張ればできるケースがあるが、2000Hz辺りから、かなりきつくなり、半分は、目指せないことが多い。高度難聴以上については、基本的に聴覚医学会の内容で計測。低い音(250Hz〜500hz)は上がりやすく、750Hz、1000Hz、1500Hzも頑張ればできるケースがあるが、2000Hz辺りから、かなりきつくなり、半分は、目指せないことが多い。

なお、高度難聴〜重度難聴(80dB〜)に関しては、私自身も聴覚医学会の内容通りにやっています。

基本的に500Hz〜2000Hzあたりは、聴力の半分を改善できる様に行い(500Hz〜2000Hzは、会話の主成分なため、ここを中心に改善していく方が効果が高くなりやすい傾向があります)、なるべく聞きにくさが改善できる様にしていきます。

聴力が重いからといって無下にて諦めるのではなく、できる限りのことは行い、改善させていきます。

よくできる改善値から目標を設定

どこまで改善すれば良いかが分かれば、その部分まで改善させられるように試行錯誤できます。何もないとわかりづらいため、解決方法が思いつかないわけですね。この部分は、ご自身の聴力か音場閾値の補聴器なしの数値で出していきます。

仮の数値。聴力と音場閾値の補聴器なしの状態がこの様な状態だった場合、赤い△の位置まで改善できると良い。という目標をまず作る。仮の数値。聴力と音場閾値の補聴器なしの状態がこの様な状態だった場合、赤い△の位置まで改善できると良い。という目標をまず作る。

例えば、上記の様な聴力があった場合は、この様に改善目標を決めていきます。音場閾値の場合は、

実際に測定した数値で出していきます。

ちなみに聴力より、音場閾値の方が正確な目標は出しやすいです。音場閾値は、補聴器ベースで物事を考えられるため、特に軽度の方ほど、こちらで目標および、どこまで改善できるのかの数値を出してみると、効果が期待できそうか、そして、実際にどのくらい改善幅があるのか、という部分を見やすくなります。

調整のポイントは、目指す部分と現状の把握。その2つが分かれば、自分の音の体感値と比較して、もう少し大きくして改善させた方が良いのか、そして、今現在の状態は合っているのか。など、全てがわかる様になる。調整のポイントは、目指す部分と現状の把握。その2つが分かれば、自分が感じている音の体感値と比較して、もう少し大きくして改善させた方が良いのか、今現在の状態は合っているのか。など、全てがわかる様になる。

ここは、仮の段階の改善目標になりますので、実際に音をいれてみて、どのくらい改善しているのか。どのくらい改善すると良いのかをみながら、改善をしていきます。

そして、実際の改善値と目標となる改善値、実際の音の体感値(音が大きい、このくらいなら使える。などの音の大きさ)を比較しながら、どのくらい入れると良いかを確認していきます。

なお、この部分は、自分でやることではなく、補聴器販売店、もしくは、補聴器を調整する人、医師や言語聴覚士の方がすることになります。

上記に出したのは、あくまでも私のやり方になりますので、実際に対応される方々が「ここまで改善できれば良い」というものがあれば、それに向かって、改善をしていきます。

②実際に調整する

こちらは、実際に調整することになります。

調整する場合は、この様にパソコンで調整していきます。この場合のポイントは、体感だけでおおよその良さそうなところを決めていきます。音量としては、普通くらいか、少し大きく聞こえるくらいにして、実際にどのくらい改善できているのかを後に、測定を通じて、理解していきます。

③現状の補聴器の効果を確認する

体感で音を合わせた後は、実際に現状を確認していきます。その場合の確認とは

  • 測定を通じた数値の確認(聞きやすさ)
  • 日常生活上で使ってみて、音が大きすぎないか(補聴器が使える範囲内か)

の2つになります。基本的に補聴器は、日常生活上で使える音量であればよく、かつ、聞こえを改善できる数値まで、改善できていると、なお良し。の状態となります。

測定を通じた数値の確認(聞きやすさ)

調整のあとは、実際にどのくらい改善されたか。上記に紹介した音場閾値測定を通じて、把握していきます。

いきなり、目標となる改善値まで大きくできるのであれば良いのですが、その様な方は、少ないため、大体、

調整テクその①。改善目標から全部を一段階、もしくは、一番高い音だけ、2段下げ、まさに全体的に徐々に調整し、最終的に改善目標値まで目指すというやり方。この状態に慣れた後、全体的にあげても良いし、Volで2段くらいあげるとそのくらいの音量になるので、試験的にあげたりしながら、合わせていくと実は合わせやすかったりする。要はやり方次第である。調整テクその①。改善目標から全部を一段階、もしくは、一番高い音だけ、2段下げ、まさに全体的に徐々に調整し、最終的に改善目標値まで目指すというやり方。この状態に慣れた後、全体的にあげても良いし、ボリューム機能で2段くらいあげるとそのくらいの音量になるので、試験的にあげたりしながら、合わせていくと実は合わせやすかったりする。要は改善させ方次第であり、どうその部分を設計するかである。

この様な状況からスタートすることが多いです。目標より、全体的に一つ下か

高域から下げる、というテクニックもある。基本的に、補聴器で感じやすいのは、高い音の聞こえが気になること。であれば、それ以外は、さっさと改善させ、気になりやすい部分だけ、初めは下げる。というやり方。補聴器の感覚に慣れてきた頃から、高い音もあげ、全体的に補えれば良いだろう。高域だけ下げる、というテクニックもある。基本的に、補聴器で感じやすいのは、高い音の聞こえが気になること。であれば、それ以外は、さっさと改善させ、気になりやすい部分だけ、初めは下げる。というやり方。補聴器の感覚に慣れてきた頃から、高い音も補い、全体的に補えれば、最終的に良い状態にできる。

もしくは、高い音だけ、目標より、下にするケースです。この様にして、なるべく日常生活上で使える様にし、かつ、聞こえもそれなりに改善できる状態から初めていきます。(時には、2つ合わせることもあります)

日常生活上で使ってみて、音が大きすぎないか(補聴器が使える範囲内か)

調整したあとは、実際の場で使用してみます。この際、どこまで改善させているのかにより、効果が異なるのですが、少なくとも、補聴器がない状態よりは、改善されているはずです。

この際のポイントは

  • 日常生活上の音で、かなり苦痛な音はなかったか
  • 音量を下げたことはあるか、逆に上げたことはあるか

の2つになります。

あくまでも適切な音量になっているか。そして、今現在の音量だと、騒がしすぎることはないか。という部分を理解するためのものがこちらです。

はじめに調整されたものは、大抵、改善目標値より低く設定されていますので、この段階から、かなり騒がしく感じてしまうと、改善がそれ以上、できなくなってしまいます。普段使用されていて、非常に大きくて辛かった音はないか。音量を下げるほど、苦痛な音はなかったか。これらを理解していきます。

補聴器には、音量を自分で調整できるものがあります(ボリュームという機能です)。その様な機器であれば、音量を下げたか、逆に上げたかで、現状の聞こえに合っているのか、合っていないのかが、おおよそわかる様になります。

例えば、調整は、してみたけれども、実際に補聴器を使っている時は、音量をあげる機会が非常に多かった、補聴器を使っているときは、常に音量を、1段、2段上げていた。などが分かれば、もう少し上げた方が良い、もしくは、音量をあげても大丈夫なことがわかりますし、逆に下げることが多かった場合は、今の音量が大きいことがわかります。

この様に日常生活での聞こえや実際に使用する場も含めて、補聴器の状況を確認をしていきます。

②と③を繰り返し、目標改善値を目指す

基本的には、③現状を確認し、①で立てた目標まで、②調整していきます。これを繰り返して(実際に繰り返すのは、②と③)より聞こえる様にしていきます。

聞こえる様にすると、様々な音が入る様になりますので、聞こえの改善と同時にその状態で聞こえることに慣れる必要があります。そのため、少しずつ、改善目標値まで目指すことが多いです。

なお、改善目標値は、必ずしも達成しなければならないということはありません。中には、そこまで音を大きくすると、キツイ。というケースもありますし、そこまで実際に上げられなかった。というケースもあります。そして、仮に音が大きく感じてしまう場合、優先すべきは、日常生活上で使用できる音量です。そうしないと使いづらい補聴器になってしまいます。

  • 改善目標値まで改善させること
  • その状態で日常生活をおくれること

の2つを目指して、よくしていきます。

調整の基本のまとめ

基本的には、上記の通りで、

  • ①改善の目標を立てる
  • ②補聴器の調整を行う
  • ③補聴器の状況を調べる

の3つを行い、②と③を繰り返して、①の目標を目指します。

改善値が高い、もしくは、しっかりと改善させている医療関係者、補聴器に携わっている方は、意識的にやっているか、無意識のうちに、これらのを行い、改善させていることが多いです。

私自身も強く感じることですが、補聴器の効果は、実際にどこまで改善させたか。ここで言えば、音声閾値測定の効果が今の所、一番影響が強い、改善状況を把握しやすいと感じています。この測定で、効果が出ている方、上に数値がある方ほど、効果が高く、補聴器の効果も感じている方が多いです。

だからと言ってむやみやたらにあげる必要はなく、かつ、人によって補聴器の効果は、異なってしまうので、なんとも言えない部分もあるのですが、改善目標値まで上げられると、それなりの効果を得ることができます。

補足:音声の聞こえはどう理解する?

恐らく、こちらをご覧になった方は「いや、音声が理解できる様になりたいんだ」という方もいるかと思います。ほとんどの方は、音声の理解をしたくて、補聴器をつけますので、当たり前の部分ではあります。

しかし、補聴器を使用する方は、基本的に、感音性難聴になりますので、必ずしも、補聴器をつけたからと言い、目的の音声が理解できるかと言えば、できる部分もあれば、できない部分も残念ながらあります。そのため、「その人の声が理解できるか」「理解できないか」で考えても、うまく状況が理解できなくなります。

その様な場合は、音場での語音明瞭度測定で、効果を確認していきます。測定類を見る場合のポイントは

  • どこまで改善できると良いのか(適合値はどこか)
  • 現状はどうなのか

の2つになります。この2つがわかると、現状を理解することができます。

音場の語音明瞭度測定とは

補聴器の世界には、音声の理解度を調べるものがあります。それを語音明瞭度測定(語音弁別能検査)と呼びます。

これは、補聴器を装用した状態でも行うことができ、先ほどの様な音場閾値測定を行う場と同じ様に

この様な場所で行うことができます。

音場閾値測定と同じ様に、スピーカーから音を出し、それぞれの音の大きさで音声の理解度を調べていきます。

聞こえた通りに紙に書いたり、その場で言ったりし、現状を把握していきます。

音場の語音明瞭度の改善目安は

こちらは、音場閾値測定と同様で、聴覚医学会の内容を含めて記載していきます。

聴覚医学会の補聴器適合指針2011の目安は

こちらは、この様になります。

goon-zibika

3)評価方法

補聴器装用時の音場語音明瞭度曲線において、各検査音圧での明瞭度は小さめの音圧から70dBまたは、80dBまでの広い範囲で良好であること、また音圧の上昇とともに明瞭度が低下する現象がないことが好ましい。また検査範囲内での補聴器装用時の最良の語音明瞭度が非装用時の値より15%以上低下してれば、適合不十分であると判定する。

評価例(図2)

適合例では、補聴器装用時に置いて小さめの検査音圧でも明瞭度が著しく改善しており、検査音圧の広い範囲で80%以上の明瞭度が得られ、また検査範囲内での最良の語音明瞭度が非装用時ものと比べて同等であることから、十分な補聴効果が認められると判定する。

適合不十分例では、補聴器装用時において各検査の音圧明瞭度は、50dBHLと60dBHLでは、非装用時よりも改善しているが、70dBHLでは悪化しており、また検査範囲内での最良の語音明瞭度は、非装用時よりも15%低下していることから、この補聴器は十分には適合していないと判断する。

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

ポイントは、補聴器あり、なしで測定してみて、

  • 同じ音量で補聴器ありの測定値が補聴器なしの測定値を下回らない(15%以内、※10%まで)
  • 補聴器ありの状態で各音量測定時、音量上昇と共に、明瞭度が下がらないのが望ましい

の2つになります。これらが達成できればいいですよ。となります。

実際に改善させている身としては、これらの部分をよくできれば(数値によりますが)、それなりに補聴器の効果を感じることができます。

私がしている語音明瞭度の評価

私の場合は、また上記の適合指針2011を自分なりによくできないか考え

  • 補聴器なしの最良値を基準に70dB、60dB、50dBで、それぞれ同等か、10%以下までの改善を目指す

としています。※この様な目標でやっているのは、〜70dBくらいの聴力までです。

音場閾値測定と同じく、△の部分は、補聴器なしの状態。そして、▲が補聴器あり。補聴器なしの最良値を基準として、50dB、60dB、70dBが−10%以内なら、良しとしている。音場閾値測定と同じく、△の部分は、補聴器なしの状態。そして、▲が補聴器あり。補聴器なしの最良値を基準として、50dB、60dB、70dBが−10%以内なら、良しとしている。

図にすると、この様になります。これが改善目標ですね。先ほどの、聴覚医学会の数値であれば文句なしの合格です。

こちらがおおよその音量表、注目すべきは、声の大きさになる。こちらがおおよその音量表、注目すべきは、声の大きさになる。おおよそなのは、環境や人により、音の大きさが変化するため。

まず、この様に考えている理由ですが、人の音声と音量をみてみますと、概ね上記の様になります。ポイントとなるのは

  • 70dB:大きい声の方
  • 60dB:普通の声の大きさの方
  • 50dB:少し声の小さい方、ちょっと(3〜4mほど)離れたところでの声の大きさ
  • 40dB:声の小さい方、少し(6〜8mほど)離れた時の大きさ

になり、補聴器の改善を目指せる部分と人の音声レベルで多い部分は、50dB〜70dBの間にあるひとの方が多い状態であることです。

そのことから、その部分をなるべく最良値に近づけ、効果をあげてあげる様にしています。そのための目標が上記に出したものです。

実際に改善を行なっていくと、聴力にもよりますが、60dB、70dBは、よく出る傾向があり、50dBもよく出る方(ここでいうよく出るは、補聴器なしの最良値まで出る方です)もいれば、ギリギリ達成になる方もいます。

補聴器は、補聴器なしでの測定の最良値が基本的に改善できる最良値になりますので、その部分を人の声の音量で多い50dB〜70dBで改善できる様に私の方では考え、改善しています。

そして、その様にしてあげると、補聴器の効果を感じている方が多く、かつ、改善できているところもどうやら多くなる傾向を感じます。

なお、40dBの音量は、改善できる方もいれば、全然、改善できない人もいます。ここは、あまり評価ポイントにはいれておらず、実際にどのくらい理解できるのか。という確認部分としてしか見ていません。※音場閾値測定でどのくらい改善すると改善値が上がりやすいのか、只今、調べている最中です。

この部分が改善すると、距離に関する部分、例えば、呼びかけや会議などでの聞こえがより良くなりますので、意識したいポイントでもあります。しかし、明確にどこまで改善できるのかは、聴力や耳の状況によって異なりますので、見るだけに今の所、しています。

音場、語音明瞭度の改善のポイントは?

補足として書くならば、この測定の結果をよくするには、どうすればいいか。ということでしょうか。その点に関してですが、誤解を恐れずはっきり言えば「わかりません」となります。ただ、因果関係はともかく、相対関係を感じる部分は、一つあります。それは、音場閾値測定の結果です。

まず、私の方で、確認できている事ですが、音場閾値測定の測定結果が、上記に掲げた目標(聴覚医学会でも私のでも可)くらいまで改善してると、しているほど、音場の語音明瞭度測定の結果もよくなる傾向があります。

そして、ここは、自信がないのですが、音場閾値測定の数値も平均的に改善させていると、効果が高くなりやすい傾向を感じます。低い音だけ聞こえているとか、高い音だけ聞こえているではなく、低い音も中音域も高い音も平均的に改善させているケースは、高くなりやすいです。

その事を感じてから、私の場合は、

  1. まず、音場閾値測定での改善目標を作る
  2. 実際に改善させ、音場閾値の目標値まで改善させる
  3. 音場の語音明瞭度測定をしてみる

という順に、状況を把握していたりします。実際の対応では、だいたい②の部分で、補聴器の効果を体感的に感じやすくなり、よくなることが多いのですが、③の部分を確認すると、確かに改善されている。ということをよく感じます。恐らく体感の部分と結果がリンクしているからだとは、思います。

ですので私の場合は、最終目的である音声の聞こえを改善させるために、まず、音場閾値での改善目標値を決め、音場閾値をまず改善させる。その後、音場の語音明瞭度を測定し、状況の確認。と、やるのが多いですね。

ここに記載しているものは、全て、音声を改善させるための手順になります。

補聴器の調整のまとめ

補聴器の調整というと、もしかしたら、いい調整の仕方があるかも?という部分を期待した方は、いるかもしれませんが、いい調整の仕方より、どの様になれば良いかの方が重要です。なぜなら、効果を知る方法がないと、今現在の状態が良いのか、悪いのか判断がつかないからです。

特に補聴器は、感音性難聴の方が使用するため、どうしても自分で効果を把握することが難しくなります。耳が治るのであれば、その体感だけで判断しても良いかもしれませんが、感音性難聴の性質上、その様なことは、残念ながらできない状態です。

ただ、補聴器は、耳を治すことはできなくてもよくすることはできます。その良くするという部分を最大限、引き出せる様にしたのが、こちらの内容です。

そのポイントは、どう補聴器の効果を把握し、どう改善していけるかを考えられる様にしていくことです。補聴器の業界だと馴染みがないかもしれませんが、いわゆるPDCAができる様にする事ですね。

ということで、補聴器の効果を確認し、改善して行きましょう。

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、お店を開いています。
補聴器で聞きにくさを改善する方法、まとめました

聞きにくさがあり、お悩みの方のために、補聴器で聞きにくさを改善する方法をまとめてみました。

書いてある内容は?
  • 難聴の症状別に、どう補聴器で改善すると良いか
  • 補聴器の基本から、種類の特徴、金額による違い
  • ご自身に適した補聴器の選び方

聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。

補聴器の改善まとめお客様の改善事例

なお、お店に関する内容は、以下にまとめています。

お店の特徴を見てみる