改善

聴神経腫瘍により、片耳聞こえない耳を補聴器で改善させる方法

聴神経腫瘍とは、耳の中の内耳(ないじ)にある聴神経とよばれる部分に腫瘍ができてしまい、耳の中の神経が圧迫されてしまうことで、聞きにくなる病気です。

こちらにより、聞きにくくなるケースは、

  • 聴神経腫瘍が大きくなり、聞きにくくなるケース
  • 聴神経腫瘍摘出手術をした際に、聞きにくくなるケース

の2つがあります。

どちらも、耳の状態が特殊な状況になりやすく、一般的な補聴器では、改善できないことが多々あります。

そのような場合は、クロス補聴器。という少し変わった機器を使うことで、改善できたりします。

こちらでは、聴神経腫瘍、または、聴神経腫瘍摘出手術により、聞きにくくなってしまった方で、治療ができず、聞きにくさにお困りの方へ、改善方法を記載していきます。

少しでも聞きにくさでお悩みの部分が改善できるようになったのであれば、幸いです。

聴神経腫瘍を補聴器で改善させる基本知識

聴神経腫瘍により、聞きにくくなるケースの最大のポイントは、聴神経が傷つくことにより、聴力が低下することと、言葉の明瞭性が失われることです。特に音声に関しては、低下する傾向が多く、補聴器を装用しても、その部分は、改善されないことが多くなります。それゆえ、補聴器の効果は、かなり限定的になるか、ほぼない状態になります。聴神経腫瘍により、聞きにくくなるケースの最大のポイントは、聴神経が傷つくことにより、聴力が低下することと、言葉の明瞭性が失われることです。特に音声に関しては、低下する傾向が多く、補聴器を装用しても、その部分は、改善されないことが多くなります。それゆえ、補聴器の効果は、かなり限定的になるか、ほぼない状態になります。

聴神経腫瘍による聴力低下の特徴は、上記の通りです。

聴力図(オージオグラム)○が右側、×が左側を表します。下に来るほど、耳は、聞こえにくくなります。こちらの場合は、左側がかなり聞きにくくなっている状態です。聴力図(オージオグラム)が右側、×が左側を表します。下に来るほど、耳は、聞こえにくくなります。こちらの場合は、左側がかなり聞きにくくなっている状態です。

耳の聞こえに関しては、バラバラになることが多く、このように大きく片耳が聞こえない状態になる方もいれば

こちらは、左側が、中くらいの聞きにくさ(人の声がギリギリ聞こえるか、聞こえないかくらいの聞こえ)になります。このような聴力の場合、補聴器の適性があれば、補聴器で補っていきますが、補聴器の適性がない耳もあります。こちらは、左側が、中くらいの聞きにくさ(人の声がギリギリ聞こえるか、聞こえないかくらいの聞こえ)になります。このような聴力の場合、補聴器の適性があれば、補聴器で補っていきますが、補聴器の適性がない耳もあります。

このようにそこまで低下は、していない方もいます。

しかし、そこまで大きく低下していない方でも、低下した側の耳は、

  • その耳に大きな音が入ると、強く響く
  • こもった感覚、耳が詰まった感覚が常時、している
  • 耳鳴りがある(こちらは、大きく低下したケースも同様)

などが起こることがあります。

一般的に補聴器で耳を改善させる。としますと、聞こえなくなった耳に補聴器を装用して改善する。というのが、基本的な考え方です。

しかし、この方法では、上記の耳の場合、改善させることができません。

大きく聴力低下した耳に補聴器を装用した場合、何かしらの音は、聞こえますが、聞こえが低下しすぎてしまい、補聴器でうまく音声を捉えることが、困難になります。

また、このような聞こえの方でも、先ほどの

  • 音が入ると、強く響いてしまう(そのままの耳で)
  • こもった感覚、耳が詰まった感覚が常時、している

がある場合、その耳に補聴器を装用しても、うまく耳で音を捉えられないことがあります。

耳には、言葉を認識する機能があったりするのですが、聴神経腫瘍により、聞きにくくなった場合、言葉の認識が非常にしづらくなることが多くなります。

この機能が大きく低下していると、たとえ補聴器で聞こえを補える聴力だったとしても、聞こえやすくなる感覚は、あまり感じなくなります。

このように一部の難聴では、その耳に補聴器を装用しても、うまく効果が出ない耳があります。

そのような耳を改善させるのが、こちらのクロス補聴器。というものです。クロス補聴器とは、片耳が補聴器で、もう片耳がクロス、と呼ばれる機器で、構成されています。

補聴器側を聞こえる耳側につけ、聞こえない耳側には、クロスをつけます。

聞こえない耳側につけたクロスに音が入ると、聞こえる耳側につけた補聴器に常時、音が転送されます。

このようにして、聞こえる耳側で全ての音をきくのが、クロス補聴器です。

補聴器側は、このように耳せんに穴が空いており、耳を塞がない状態にします。

聞こえない耳側は、クロスにより、聞きやすくなり、聞こえる耳側は、そのまま聞こえるようにすることで、左右、どちらの音も聞こえる耳側で、聞くことができます。

どのような耳の状態でも、補聴器を装用することで、聞こえにくさが改善できるのであれば良いのですが、残念ながら、そのようなことはありません。

一部の難聴(耳の状態)は、補聴器では、ほぼ改善ができないため、このような特殊な機器が作られました。

聞こえない耳側に補聴器を装用しても改善ができないなら、聞こえる耳側で、全ての音を聞く。そのように考えて、聞きにくさを改善したのが、クロス補聴器になります。

片耳のみ聞こえにくいケースを補聴器で改善する方法は片耳のみ聞こえにくい方を補聴器で補う時に理解したい2つの補い方にまとめています。

クロス補聴器で改善できるところ、変わらないところ

片耳のみ聞こえにくいケースは、このような状態であることが多いです。

  1. 聞こえない耳側からの呼びかけ、声がわからない
  2. 騒がしい中での、会話がわからない
  3. 複数の人とのお話では、聞こえない側にいる人の声がわからない
  4. 音の方向感覚がわからない

まとめますと、この4つですね。

クロス補聴器を装用すると、このように改善されます。残念ながら、④の音の方向感覚だけは、改善できません。

また、それぞれの効果は、このようになります。

聞こえない耳側から話されたり、そちらからの呼びかけは、わかりやすくなるのですが、問題は、周囲が騒がしい場合です。

騒がしさが強い場合は、わからなくなることもあり、少し騒がしい程度であれば、わかることは、増えてきます。

また、複数の人とのお話や会議やミーティング。そのような場面でも、聞きやすくなることが多くなります。

これが、クロス補聴器の効果です。

クロス補聴器を使用した方の評価(口コミ)

私のところでは、実際にクロス補聴器を扱っていますので、試聴や貸出、実際に購入した方より、お話をお伺いする機会があります。

クロス補聴器を購入した人に評価を聞いてみますと、このような結果になりました。

こちらは、聴神経腫瘍によって聞こえにくくなった方だけではなく、聴神経腫瘍のように片耳のみ難聴になった方を全部含めての、評価になります。

評価として多かったTOP3は、

  1. オフィスや仕事の場で、聞き返しが少なくなった(24票)
  2. 聞きやすくなることで、不安やストレスが軽減した(23票)
  3. 会議やミーティングが聞きやすくなった(10票)

でした。

多いのは、オフィスや仕事の場で、聞きにくい側から話されても反応できるようになったり、聞き返しが少なくなった。

聞きやすくなることにより、不安やストレスが軽減した。とお話された方でした。

難聴は、聞こえにくいことが問題ではなく、聞こえにくいことにより、コミュニケーションが取りづらくなり、人間関係に発展しやすくなるのが、一番の問題です。

聞こえない側からお話された時、別に無視しているわけではないのですが、反応できないことにより、相手を不快にしてしまったり、無視しているような感覚にしてしまうことがあります。

相手側に耳が聞こえない事をお伝えしていない場合、見た目で、耳が聞こえないことは、理解することはできませんので、どうしても、このような誤解が生じやすくなります。

その部分を解消できるようになると、気づくことができるようになって、変に誤解を生じることも少なくできますし、相手にとっては、無視している感覚を感じにくくなります。

もちろん、クロス補聴器をつけることにより「実は、片耳が聞こえないんです」とカミングアウトしてもいいですし、なるべく聞こえやすい側で話してもらう。というのも手です。

  • なるべくどの方向からでも聞きやすくする事
  • 周囲の人に耳の事を伝えられるようになる事

これらができると、グッとストレスや耳に関する悩みは、軽減できるようになります。

そのおかげで、ストレスが少なくなった。という方は、多くいました。

なお、購入していない方ももちろんいます。その方々の意見は、

  • 金額と効果が釣り合わなかった
  • 金額が高い

がありました。

金額にまつわるものは、比較的多く、クロス補聴器の場合、安いものでも約30万近くするため、気軽に買えるものではありません。

また、クロス補聴器を使用したからといい、劇的に改善する。耳が治るレベルまで改善する。ということもありません。

それらのことから、一部の方からは、金額と効果が釣り合わない。という方もいました。

あくまでも、こちらは、クロス補聴器の評価となりますので、買った方の意見、そして、買わなかった方の意見、その2つを載せてみました。

なお、私から少し補足をさせていただきますと、正直なところ、聞こえの効果は、環境によって、大きく変わります。

そのため、できれば、ご自身で、試してみて、どんな感じなのか。を体験できるとベストです。

クロス補聴器の場合、騒がしいところでばかり使用していた方の場合は、効果は、薄くなりますし、オフィスの中やそこまで騒がしくないところで使用されていた方の場合は、効果は高くなります。

上記の内容は、あくまでも全ての内容を入れた評価となりますので、その点にご注意ください。

聴神経腫瘍摘出手術により、片耳が聞きにくくなった方の改善事例

こちらは、実際に聴神経腫瘍摘出手術により、聞きにくくなった方を改善した事例になります。

こちらの方は、右側に聴神経腫瘍ができてしまい、手術をして、腫瘍を取り除いた方となります。

その後、失聴し、聞きにくくなってしまったことから、改善のご相談をいただきました。

聴力低下が大きい事から、一般的な補聴器では、聞きにくさを改善できないため、クロス補聴器で改善を行いました。

どのようなことでお困りでしたか

実際にクロス補聴器を使ってみていかがでしょうか

販売後のアンケート

聞きにくさを感じていた部分で全てが改善されたわけではないのですが、今現在の状態より、聞きやすくなったこと、そして、聞きやすくなることで、ご自身の不安や自信も少しずつ改善させることができました。

実際には、補聴器の相談を行うと共に、お仕事にも復帰され、その仕事を行いながら、改善を行なっていきました。

状況として騒がしくなりやすい環境下でしたので、ものすごくよくなる。ということはなかったのですが、聞こえるようになった事で、徐々に自信を取り戻して行く事も、できました。

今では、無事仕事にも復帰され、補聴器を活用しながら、生活をしています。本来の望んでいた事ができるようになり、こちらとしては、本当に何よりでした。

改善したケースの解説に関しては、聴神経腫瘍摘出により聞こえなくなった方、クロス補聴器で改善しましたをどうぞ。

クロス補聴器のQ&A

こちらでは、クロス補聴器に関して、よく聞かれる事を載せていきます。

クロス補聴器の値段は?

クロス補聴器の形状により、変わりますが、

片耳のみ難聴の方を改善させる基本的な形状が耳かけ形です。片耳のみ難聴の方を改善させる基本的な形状が耳かけ形です。

耳にかけるタイプ(耳かけ形)ですと、282,600〜602,600円まであり

耳あな形のクロスも、クロス補聴器の種類としてはありますが、聞こえる耳側を塞ぎ、今以上に聞きにくくなるという致命的な欠点があるため、片耳が正常な方には、適さない形状になります。耳あな形のクロスも、クロス補聴器の種類としてはありますが、聞こえる耳側を塞ぎ、今以上に聞きにくくなるという致命的な欠点があるため、片耳が正常な方には、適さない形状になります。

耳の中に入れるタイプ(耳あな形)ですと、317,600〜669,600円まであります。

ただ、耳の中に入れるタイプ(耳あな形タイプ)は、片耳が正常に聞こえているケースは、耳を塞いで、聞こえにくくしてしまうため、オススメしません

相場は、30〜40万代になり、よく出る価格帯もその辺りになります。

なお、クロス補聴器についてより知りたい場合は

をご覧ください

クロス補聴器は、どのくらい使える?

クロス側も補聴器側も、基本的には、5〜7年です。

クロス補聴器は、壊れたら終わり。ではなく、修理をして使い続けることができる製品です。

修理に関しては、販売中止から、5年間はできるようにしています。

仮に補聴器を購入してから、2年後に販売中止となった場合、7年は、修理できる計算になります。

そのため、大体、使用年数は、5〜7年くらいになることが多いです。

クロス補聴器に保証はある?

クロス側が1年間、補聴器側が2年間あります。

この間は、無償で修理ができます。

ただし、ご自身で、踏んで壊してしまったり、ペットが噛み砕いてしまったりなど、過失によるものだった場合は、有償になることがありますので、ご注意ください。

聞こえる耳は、悪くならない?

こちらは、返答が難しいのですが、耳に負担がかかるのは、事実ですが、耳を悪くするまで、音を大きくはしていません。

そのため、聞こえるようにするものの、なるべく耳にかかる負担や悪くなるリスクは、抑えるようにしています。

こちらについては、クロス補聴器でよく聞かれる耳への負担と負担を軽減する2つのポイントをご覧ください。

どこで相談ができる?

病院さんや補聴器屋さんで相談ができます。

ただ、クロス補聴器は、かなり珍しい機器ですので、クロス補聴器に関して、ご存知のところで、ご相談するのが、ベストです。

その場合、お手数でも、はじめに問い合わせをし、クロス補聴器に関して扱っているか。など、確認すると良いかと思います。

そして、重要なのは、耳の状況をはじめに伝えることです。耳の状況を伝えられれば、それなりに対応をしてくださるかと思います。

クロス補聴器は、試聴や貸出してもらえる?

場所によっては、しています。期間はバラバラで、1〜2週間のところもあれば、3ヶ月貸出をする。というところもあります。

私のところでは、お客様に応じて、貸出を行い、実際に日常生活上で、どのような変化があるのか。そして、実際に使うとしたら、問題なく使えるのか。という部分を確認するためにも貸出をしています。

期間に関しては、人によって、バラバラで、比較的、自由にやっています。

クロス補聴器には、どんなものがある?

上記に少しでましたが、基本的には、

耳にかけるタイプ

耳の中に入れるタイプがあります。

それぞれの違いに関しては、

に記載しています。

聴神経腫瘍により、片耳が聞こえない方を補聴器で改善するまとめ

聴神経腫瘍により、聞きにくくなった場合は、片耳が大きく低下したり、その耳側に補聴器を装用しても、うまく改善できないことが多くなります。

そのような場合は、クロス補聴器で、改善してあげるとよくなることが多いです。

昔は、補聴器では改善することができない状態でした。

それについては、一応、今も同じなのですが、クロス補聴器、という変わった機器が発達してきたことにより、よりよくできるケースが増えてきました。

もし、お悩みな方がいらっしゃいましたら、ご自身で体験なり、試聴なりしてみると良いです。

そのようにすることで、どのようなものなのか理解できますし、ご自身にとってあった方が良いのか。という部分を確認することができます。

それを使用したとしても、残念ながら治る。というところまでは行かないのですが、使用することにより、聞きやすくなったり、コミュニケーション障害を少なくすることができます。

特に難聴の場合、聞こえやすくなることにより、益があるのは、ご自身だけではありません。相手の方にとっても、聞きやすくなれば、意思疎通がしやすくなり、変なところで拗れることも少なくなります。

それは、人間関係を円滑にする事にも繋がりますので、心の負担やストレスに関しては、減る傾向があります。

こちらがお悩みを改善させるにあたり、参考になったのであれば、幸いです。

クロス補聴器をより知りたい方へ

こちらは、クロス補聴器についてより詳しく知りたい方へ向けたクロス補聴器に関する内容をまとめたリンク集です。見たいところからご覧ください。

クロス補聴器の対象者から基本や効果について

クロス補聴器の種類や性能を理解する

クロス補聴器での改善事例

クロス補聴器を使用する時に知りたい事

クロス補聴器の音の調節について

クロス補聴器、購入前に気になる事

クロス補聴器を購入した後は?

こちらが、聞きにくさやお悩みの改善にお役に立てば幸いです。

ABOUT ME
深井 順一
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者で補聴器を使っている事、補聴器の販売を行っている事、この二つの視点で、ブログを書いたり、補聴器のご相談をしています。書いている人の詳細は、こちら。お店に関しては、こちらに詳細を書いています。お店の場所は、東京都墨田区、都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩2分のところに、あります。
補聴器で聞きにくさを改善する方法、まとめました

聞きにくさがあり、お悩みの方のために、補聴器で聞きにくさを改善する方法をまとめてみました。

書いてある内容は?
  • 難聴の症状別に、どう補聴器で改善すると良いか
  • 補聴器の基本から、種類の特徴、金額による違い
  • ご自身に適した補聴器の選び方

聞きにくさにお悩みの方は、参考にしてみてください。また、お客様の改善事例には、実際の耳の状態から、実際に改善させた方法を中心に記載しています。

補聴器の改善まとめお客様の改善事例

なお、お店に関する内容は、以下にまとめています。

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