補聴器の効果は、基本的に調整で決まることが多いのですが、それ以外にも聞こえを安定させたり、ある道具を使うことにより、より改善させることもできたりします。
耳かけ形のバイクロス補聴器に限定されるのですが、バイクロス補聴器のRIC型と呼ばれるタイプは、耳の先端にイヤホンがついており、そのイヤホンを耳の中にしっかりと入れられると入れられるほど、効果を増します。
また、耳の中は、口が動いたり、顎が動くと、連動して中も動くため、しっかり装用した状態を固定する道具もあったりします。そのような物を使えると、より、安定して聞こえを改善させることができます。
こちらでは、耳かけ形のバイクロス補聴器で、より改善させるための内容をまとめていきます。
目次
耳かけ形のバイクロス補聴器でしっかり改善するために
しっかりと聞こえを改善させるには、調整も重要ですが、しっかりとその効果が出るように装用することも大切です。
具体的には、
- しっかりと耳の中にイヤホンを入れること
- 耳からイヤホンが抜けやすい場合は、スポーツロックを使うこと
の2つがあります。
しっかりと耳の中にイヤホンを入れること
RIC形のバイクロス補聴器とは、
このような形状のことを言います。バイクロス補聴器の中では、耳かけ形を使うとすると、高確率で使われることになる形状で、
この形状の場合、この先端の部分から、音が出るようになります。
この部分をしっかりと耳の中に入れることが大切です。※入れすぎに注意です。
一般的なイヤホンを耳につけた時、浅く入れた時としっかり入れた時(深く入れた時)では、音の大きさを変えていないのに関わらず、しっかり入れた時の方が、大きくしっかり聞こえるかと思いますが、その現象と全く同じことが起こります。
浅い場合は、補聴器を装用していても、音が少し弱い感覚になりやすいため、しっかりと耳に入れることが大切です。
耳からイヤホンが抜けやすい場合は、スポーツロックをつけること
しかし、耳にしっかりと装用できていても、しばらくすると、耳から外れてしまう……という方や耳の中に入れはするけれども、心許ない……という方は、
このような道具をつけてもらうと良いです。これは、スポーツロックといい、イヤホンが耳から抜けてくるのを防止してくれるものです。
耳に装用すると、先ほどの透明の部分が、耳の部分で固定してくれ、イヤホンを常時、同じ位置で固定してくれるようになります。
つけるのは、慣れてしまえば、簡単ですので、試聴や借りた際、耳からイヤホンが外れやすい、つけていても、しばらくすると耳から徐々に抜けてきてしまう。という方は、この部品をつけてもらい、耳から抜けないようにしましょう。
スポーツロックをつけられると、しっかり入れた位置で、イヤホンが固定されるため、安定して、聞こえを改善できる。というメリットがあります。
デメリットは、特になく、強いて言えば、初めは少しつけづらいくらいでしょうか。慣れてしまえば、すんなりつけられるようになります。
メリットの方が大きいため、使えるなら、使った方が良い部品です。
さらに聞こえを改善させる場合は?
さらに聞こえを改善させる場合は、Cシェル。と呼ばれる製品があります。
これは、耳の型を採取して作る、その人専用の耳栓で、
このような位置から音が出るようになります。一つあたり、@10,000〜12,000円(非課税)ほどで作れるオーダーメイド耳せん(イヤホン)になります。
こちらのポイントは、
- 聞こえの改善値が上がる傾向がある
- 耳にぴったりな物を作るため、ハウリング防止、耳から外れるのを防止してくれる
- 少々、自分の声が大きく聞こえたり、こもったりすることがある
の3つがあります。
聞こえの改善値が上がる傾向がある
バイクロス補聴器を含む、補聴器で聞こえを改善させる場合、補聴器の音の調整をしていくのですが、その調整をした後の改善値が上がりやすい。という特徴があります。
補聴器は、基本的に低下してしまった聴力分を補って、聞こえを改善させる機器です。その低下した部分に音を入れていくのですが、耳の形状や補聴器によっては、音が伝わりづらいのか、一部の周波数で、音を大きくしたとしてもうまく改善できない部分があったりします。
そのような時にCシェルを使うと、改善できることがあります。耳の中を塞ぎ、音がそのまま耳に直接、しっかりと届くようになるため、音の伝わりがよくなるのか、改善値、そのものがよくなることが多々あります。
たまに改善しすぎることがありますので、実際に調整した後は、補聴器使用時の測定を行い、現状の改善値を見ていく必要はありますが、聞こえの改善値をあげられる、数少ないやり方の一つです。
耳にぴったりな物を作るため、ハウリング防止、耳から外れるのを防止してくれる
Cシェルの本来の使用目的は、この、ハウリング防止と耳から外れるのを防止する事です。聞こえの改善ができる部分もありますが、聞こえの改善は、実は、おまけの要素になります。
特にハウリングに関しては、ある程度、聴力低下している方の場合、悩みのタネになりやすいため、ハウリングに悩まないように、このような道具を使えると、その部分を気にせず、快適に使えるようになります。
もちろん、耳から外れるのも同様で、耳から外れるということは、安定して聞こえの改善ができないことを意味します。
そのような状態で使用するのではなく、しっかりと装用でき、かつ、安定して良い状態にできれば、快適さも異なりますし、何よりも安定して改善ができるようになります。
少々、自分の声が大きく聞こえたり、こもったりすることがある
最後は、こちら。少々、自分の声が大きく聞こえたり、こもったりすることがある。となります。デメリットの部分ですね。
これは、耳の中をふさぐと起こる、こもり、自分の声の響き、といった部分になります。
耳の型を採取して作る製品なため、良くも悪くも耳を塞ぎます。耳を塞ぐことにより、上記に出した、聞こえの改善、そして、ハウリングや耳から外れるものの改善というのができるのですが、その代わり、こもりや自声の響きといった部分が出ます。
これがなるべく起こりにくくなるように、このようなベントと呼ばれる空気穴を設けて、楽にすることはしているのですが、感じるものは、感じます。
この点だけが唯一欠点で、この部分さえ気にならなければ、使える範囲内であれば、良い製品になります。
Cシェルのまとめ
Cシェルに関しては、良くも悪くもメリット、デメリットが大きい製品です。もしできるのでしたら、仮に作って見て使えるのか、どうか。を見れると良いでしょう。
なかなかCシェルの部分まで試聴ができるところは少ないかもしれませんが、そのように確認ができると、よりよくすることができます。
なお、上記に出てきた、ハウリングや耳から外れやすい。という部分があるのでしたら、思い切って作ってみるのも手です。
楽に使える。というのも使用者からすれば大きなメリットです。補聴器を使い始めると、使用時間が一日中になることもしばしばありますので、使いやすいというのは、非常に大きなメリットになります。
バイクロス補聴器は、しっかりと使える状態にしよう
聞こえの改善というと、補聴器の調整部分を考える方も多いのですが、それ以外にもしっかりと聞こえるようにすることはあります。
RICタイプの耳かけ型を使用するなら、上記の部分は、押さえておきましょう。聞こえを安定して改善させることができます。
そして、更なる改善を望む場合だけ、Cシェル。という手段があることをお伝えします。もちろん、RICタイプで、しっかりとイヤホンを固定した状態での聞こえで、それなりに改善できており、装用する感覚について楽に使いたい。という場合は、その状態でも構いません。
耳の状態と相談し、より改善させたい。と感じるなら、Cシェルを検討しても良いですし、今現在の状態で、しっかりと改善できているのであれば、そのままでも大丈夫でしょう。
ということで、こんな方法もありますよ。というご紹介でした。聞こえの改善に役立てば幸いです。
各、難聴改善方法まとめ
バイクロス補聴器について
当店では、聞き取りづらさにお困りの方へ補聴器による聞こえの改善相談を行なっています。
このお店では、安心してご相談いただくために生まれつき難聴で補聴器を使っている当事者が実際に対応させていただき、
- 聞こえにくい事によるお困り事
- 聞こえの改善
- 補聴器に関するご相談(ご質問)
これらについて、誠実にご対応しています。
完全予約制の一対一で対応しておりますので、聞いてみたい事、ご相談したい事がありましたら、お気軽にご相談ください。
相談を希望される方は、まずは、お問い合わせフォームより、ご連絡願います。
なお、当店の内容や場所、聞こえの改善に関しては、以下にまとめています。