こちらでは、左右の聴力が少し違う耳を補聴器でしっかり改善するためのポイントについて、まとめていきます。
左右の聴力が異なる場合、聞こえが大きく低下している側が聞きにくさを感じやすいため、こちら側が改善されると、それだけ、聞こえの改善度が上がりやすくなります。
大事になるポイントをはじめに記載しますと、
- 聞こえの補い方(どのような補聴器を使うか)
- 補聴器の調整(どこまで聞こえを改善するか)
の2つが改善の8割を占めます。ですので、この部分は、できればしっかりと押さえておきましょう。
一応、補聴器の形状は、扱いやすさに入るため、そこも入れると、大事な部分は、3つですね。
補聴器で聞こえを改善する際に関わる要素は、
- 聞こえの補い方
- 補聴器の形状
- 補聴器の性能
- 補聴器の調整
の全部で4つです。
全てを記載すると非常に長くなってしまうため、聞こえの改善に強く影響する1、4。そして、扱いやすさに影響する2について、こちらでは、まとめていきます。
目次
ポイント①聞こえの補い方
聞こえの補い方と言われると、わかりづらいかと思いますが、こちらは、どのように聞こえを改善するのか。という全体像の部分です。
仮に左右の聴力が異なる耳の方の場合、
- 一般的な補聴器を両方の耳に装用する
- バイクロス補聴器で聞こえを改善する
の2つがあります。
この2つの大きな違いは、聞こえない耳側を補聴器で補えるのか。補えないのか。になります。
補える場合は、一般的な補聴器を両方の耳に装用した方が聞こえを改善しやすく、仮に補えない場合は、バイクロス補聴器を装用して、聞こえを改善できると、改善度を上げやすくなります。
左右の聴力差が大きくない限りは、左右、どちらも、補聴器による聞こえの改善効果を見込める事が多く、今回のような聴力のケースは、左右に補聴器を装用して、聞こえを改善していく事が多いです。
なお、両方の耳に補聴器を装用するとなると、お金の心配が出てきますが、性能が良いものを片方に使うより、価格を抑えたものを両方に使うのとでは、両方に使う方が聞こえの改善は、できます。
ですので、その点をお考えになりながら、補聴器の選択、金額に関して、考えられると良いですね。
ポイント②補聴器の形状
こちらからは、両方の耳に補聴器を装用して聞こえを改善していく事を前提にお話を進めていきます。
補聴器の形状は、主に扱いやすさに関わる部分です。
ですので、形状は、ご自身が扱いやすいと思うものを選べると良いです。
今現在、補聴器には、
- 耳の中に入れて使用する耳あな形補聴器
- 耳にかけて使用する耳かけ形補聴器
の2つがあります。
これらの違いは、このようになります。大きく異なるのは、邪魔になるか、ならないか。そして、補聴器を使った時の不快感。それの大小が異なります。
数が多くなってしまうとわかりづらいため、ここでは、よく選ばれる補聴器を2つ出していきます。
それが、
- 耳あな形補聴器なら、CIC補聴器
- 耳かけ形補聴器なら、RIC補聴器
です。
耳の穴の中に入れて使う補聴器が耳あな形補聴器で、その中でも、小型のタイプがCIC補聴器になります。
こちらの利点は、耳の中に補聴器が入るため、形状が目立ちにくく、かつ、メガネやマスクの邪魔になりません。
さらに電話に関しても、そのまま行えるため、電話のしやすさもあります。
逆に欠点は、耳の中をしっかり塞ぐため、閉塞感を感じたり、自分の声が大きく聞こえやすい。という欠点があります。
125〜500Hzが、60dB以内だと、特に補聴器を使った時の不快感を感じやすくなります。
特にこの部分の聞こえが良いと、その不快感は、感じやすいため、その点のみが欠点です。
こちらの形状は、電話をよくする方だとか、メガネやマスクなどの邪魔にならない補聴器が良い。という方にオススメです。
耳にかけるタイプのRIC補聴器は、このような形をしており、こちらの良い点は、閉塞感や自分の声が大きく聞こえる感覚を軽減しやすい事です。
赤いマークのところに補聴器があります。
逆に欠点は、耳の上にかけて使用しますので、メガネやマスクなどの耳に重なるものの邪魔に少しなりやすい事です。
メガネやマスクは、使い方次第で、気にならなくなるのですが、人によっては、少々、邪魔に感じやすいかもしれません。
また、電話の場合は、音を拾う位置が上になりますので、受話器を上にずらして、電話する必要があります。
ですので、少々、電話に関しては、しづらくなる傾向があります。
この形状は、耳につけた時の不快感、自分の声が大きく聞こえる感覚が軽減されやすい使いやすさの部分がありますので、補聴器を初めて使う方にオススメの形状です。
補聴器には、いくつか形がありますが、どちらにしても、ご自身が使いやすいものを選べれば、それが一番良い事です。
ポイント③補聴器の調整
補聴器の調整とは、どこまで聞こえを改善するか。という聞こえの改善の根本となる部分です。
今現在、聴力ごとにどのぐらいまで聞こえを改善できれば良いかは、ある程度、わかってきており、改善目標となる部分まで、聞こえを改善できると、それだけ、聞こえの改善効果は、上げやすくなります。
聴力が下がっている側は、その耳側の改善状況を調べないと、放置されることが多く、ここの部分も、しっかり確認して、改善していけるようにしましょう。
そして、左右の聴力が異なる場合は、聞こえにくい側をなるべく改善できるようにしていきましょう。
記載している聴力をベースにお話をさせていただくと、改善できると良い部分は、おおよそ35dBぐらいです。こちらは、補聴器の改善効果を可視化できる音場閾値測定で、表現しています。
左右の聴力が異なる場合は、右だけ、左だけの改善状況がわかりづらいので、別々に調べられると良いです。
まず、左右の聴力が異なる方の場合、できれば、左右のバランスを見れるようにするため、左右、別々に改善効果を調べられると良いです。
使った感覚だと合っていない感覚は、わかっても、どこが合っていないのかわからないので、注意が必要です。
ですので、左右のバランスを可視化しながら、合わせられるようにできると、左右のバランスは、合わせやすくなります。

音声は、500〜2000Hzが影響しやすいので、両方とも改善できるなら、ここまでは、改善したいところ。
そして、500Hz〜2000Hzは、音声の改善に関与することが多いため、この部分は、できれば、改善目標値である35dBぐらいまで改善できると良いです。
すると、聞こえの改善に貢献しやすくなります。これは、聞こえている耳側も、聞こえていない耳側も、同様です。

高い音は、35〜40dBまで改善できると、それだけ、周囲の状況がわかりやすくなります。
さらに高い音に関しては、できれば、35〜40dBまで改善できると良いです。
すると、アラーム系の音や音声の明瞭性を上げやすくなりますので、聞こえの改善度を上げやすくなります。
聴力が下がっている側は、なるべくできる範囲でこちらの改善ができると、それだけ、周囲の状況に気づく機会も増え、かつ、明瞭性も上げやすくなります。

今現在は、このぐらいまで、両耳とも改善できるようになると、それなりに聞こえの改善度は、上げやすくなります。
そして、左右の聞こえが異なる方は、左右、別々に補聴器の効果を調べるなどして、バランスも可視化するようにしましょう。
そうすることで、聞こえの改善度を上げやすくなります。
左右の聴力が異なる方の実際の改善事例
ここからは、実際の改善事例に関して、記載していきます。
左右の聴力が異なるケースは、実に様々なケースがあるため、実際には、耳の状況により、改善が微妙に異なります。
生まれつきの感音性難聴の方(初めて)

- 補聴器:初めて
- 改善:両耳に耳あな形補聴器
- 備考:左右のバランスを整えながら改善
ご相談前は、どのような事でお悩みでしたか

実際に補聴器をお使いになってみて、いかがでしょうか

他にも似たような販売店があったのに関わらず、当店で購入された理由は、何でしょうか?

実際のアンケート内容

生まれつきの感音性難聴の方(買い替え)

- 補聴器:買い替え(他店で初め購入)
- 改善:両耳に耳かけ形補聴器
- 備考:左側も補聴器による効果が見込めたため、両耳装用
ご相談前は、どのような事でお悩みでしたか

実際に補聴器をお使いになってみて、いかがでしょうか

他にも似たような販売店があったのに関わらず、当店で購入された理由は、何でしょうか?

実際のアンケート

両耳とも原因不明の感音性難聴の方(買い替え)

- 補聴器:買い替え(他店で初め購入)
- 改善:バイクロス補聴器
- 備考:左側は、改善が見込めないため、バイクロスで改善
ご相談前は、どのような事でお悩みでしたか

実際に補聴器をお使いになってみて、いかがでしょうか

他にも似たような販売店があったのに関わらず、当店で購入された理由は、何でしょうか?

実際のアンケート

他の症例は?
このほか、改善症例については、
にもまとめています。ご参考にどうぞ。
なお、お客様の声のみ、アンケート用紙のみの場合は、以下にまとめています。
まとめ
こちらでは、左右の聴力が少し異なる方の聞こえの改善について、まとめてみました。
左右の聴力が少し異なる場合、改善の要点は、
- 聞こえの補い方(どのような補聴器を使うか)
- 補聴器の調整(どこまで聞こえを改善するか)
の2つが、非常に重要になります。
補聴器の世界にも、8:2の法則(パレートの法則)は、あり、聞こえの改善の8割は、上記の2つにより、決まると言っても過言ではありません。
ですので、こちらの内容は、聞こえを改善する場合、押さえておきましょう。
あとは、補聴器の形状がありますが、こちらは、扱いやすいものであれば、なんでも良いと思います。
そして、厳密には、性能の項目もあるのですが、上記の2つをしっかり押さえた後、さらに聞こえの改善を目指したい場合は、良いものを選んでいただければと思います。
左右の聴力が異なる方の場合は、聞こえの補い方と補聴器の調整により、改善効果がほとんど決まりますので、まずは、ここを押さえましょう。
ということで、以上、左右の聞こえが異なる方の改善のポイントでした。
聞こえにくい事でお悩みだったり、使用されている補聴器が不調。など、聞こえづらくてお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
安心してご相談できるよう、補聴器の貸出や試聴も行なっています。
当店でご相談を希望される場合は、まずは、お問い合わせフォームより、ご連絡ください。
当店の内容や聞こえの改善に関しては、以下にまとめています。