片耳のみ補聴器が合わないケースを改善するバイクロス補聴器を知る3つのポイント

バイクロス補聴器とは、両方とも難聴で、片方が何らかの理由で、補聴器を使えなくて、補ず、もう片方に関しては、補聴器を装用して、聞こえを補える方に使用される変わった補聴器になります。
そのような聞こえの方の場合、聞こえにくい耳側から話されたり、その方向からの音に弱かったりするのですが、従来の改善方法だと、そこが弱いままになりやすく、その部分をより改善しやすくなるのが、大きな特徴です。
こちらでは、よりしっかりとバイクロス補聴器について、理解したい方のために、こちらを理解するための要点をまとめていきます。
仮に興味がある方は、ご覧ください。
バイクロス補聴器とは?

バイクロス補聴器とは、このような補聴器です。
見た目は、普通の補聴器で、聞こえる耳側には、補聴器を装用し、聞こえを補ない耳側には、クロス。と呼ばれる音の転送機器をつけます。

すると、クロスに入った音を聞こえる耳側につけている補聴器に転送してくれますので、常時、聞こえない耳側から話されたものが、聞こえる耳側で、聞こえるようになります。

このような補聴器が対象になるのは、聞こえる耳側は、補聴器の適性があり、もう片耳側は、補聴器の適性がないケースです。
例えば、上記のようなケースが主に当てはまるのですが、上記のようなケースの場合、聴力低下がまだ少ない方は、補聴器による聞こえの改善が見込めるのですが、聴力低下が大きい方は、残念ながら、補聴器による聞こえの改善ができません。
そのような場合、従来だと、まだ聞こえを補える耳側のみに補聴器を装用し、聴力低下が大きい耳側は、何もせず、改善できるところのみを改善していきます。

このようなケースでも、より聞こえない耳側からもわかりやすくするために、このバイクロス。という補い方があります。
クロス。と呼ばれる音の転送機器を聞こえない耳側につけ、クロスに入った音が、聞こえる耳側につけている補聴器に転送されると、聞こえない耳側の音もわかるようになる事によって、より聞きにくさを改善しやすくなります。
これが、バイクロス補聴器になります。
バイクロス補聴器が開発された経緯
さて、少しお話がそれるのですが、バイクロス補聴器は、聞こえにくさを抱えている人の何を改善しようとしたのでしょうか。
その点を見てみると、この補聴器は、何をしようとしたのか。そして、何のために存在しているのかがわかるようになります。
この補聴器が開発された経緯は、両耳とも難聴の方で、片方は、補聴器で補補て、もう片方は、補聴器では、補ない方を、より改善するために、存在します。

例えば、このような聞こえの方の場合、一番、困るのは、聞こえない耳側から話されたり、騒がしい中でお話されたり、する事です。
聴力の低下が大きければ、大きいほど、当然ですが、聞きにくさは強くなり、その部分を改善した方が、聞こえにくさに困ることは、少なくできます。
しかし、一般的な補聴器は、どのような聴力の方でも、同じように聞こえを改善させることは、できません。
聴力の低下が低ければ、改善できる幅は、大きいのですが、聴力低下が進むと、進むほど、聞こえの改善効果は、薄くなります。
そして、このような全く聞こえない耳側の場合、補聴器の効果は、非常に低くなってしまい、一般的な人の声を聞き取るために、聞こえを改善できるか。と言われれば、残念ながら、かなり難しくなってしまいます。
その事から、上記のような聴力の場合は、せめて改善できる幅がある、聴力がまだ軽い方を改善させ、聞こえにくさを改善するようにします。
では、この方法で、聞きにくい側から話されたり、呼ばれたりした際にわかりやすくなるか。と言いますと、補聴器がないよりは、わかりやすくなりますが、それでも、聞きにくいケースが多発してしまいます。
聞こえる耳側で話してくれれば、わかりやすくなりますので、お話する人を聞こえる耳側に立たせて、お話することができれば、聞こえにくさの改善は、しやすくなるのですが、どうしても、それができない環境もあります。
そういったところでは、残念ながら、聞きにくさが強くなってしまい、なかなか改善させることができません。
そこで、その聞こえにくい耳側を改善できないか。と考えていくのですが、これを聞こえる耳側に音を転送させることで、改善したのが、バイクロス補聴器です。
従来のものだと、どうしても、聞こえない耳側から話されたり、その方向からの音に弱く、さらにその耳に補聴器を装用しても、聞こえの改善効果も薄いままでした。
このような状況だったため、バイクロス補聴器は、開発され、今現在、少しずつですが、対象となる人に使われつつあります。
バイクロス補聴器が対象となる耳とは?
では、バイクロス補聴器が対象になる耳は、どのような耳なのでしょうか。こちらは、私自身の経験から、載せていきます。
概念としては、片耳は、補聴器で補うことができ、もう片耳は、補聴器では、残念ながら、補ない耳の方となりますが、実際の経験から言えるのは、
- 片方が全く聞こえない耳の方
- 片方の明瞭度が低く、補聴器の効果が薄い方
- 片耳が何らか合わない耳の方
の3つです。
①片耳が全く聞こえない耳の方

バイクロス補聴器が合う典型的なケースが、上記のような聴力です。
両耳とも難聴で、片方は、補聴器で補うことができ、もう片方は、補聴器では、補ないような聴力の方ですね。
上記のようなケースは、聴力低下が大きい耳側に補聴器を装用しても、ほとんど効果がなく、かつ、聞こえない耳側から話されたり、言われたりすると、気がつかない事が多々あります。
ですので、このようなケースは、バイクロス補聴器を使用し、少しでも、聞こえにくい側からの音や呼びかけ、そういったところも改善できると、聞きにくさに困りにくくなります。
②片耳の明瞭度が低く、補聴器の効果が薄い方

ちょっと難しい単語が出てきましたが、明瞭度とは、言葉を理解する力の事です。(語音明瞭度測定、というもので調べる事ができます)
耳の場合、補聴器を装用して聞こえを改善していくケースは、感音性難聴である事が多く、この感音性難聴は、音を理解する神経の部分に何らかの異変があり、音が聞こえにくい事のほか、言葉が理解しづらい。という現象まで、起こります。
この言葉の理解のしづらさ。というのは、聴力によって低下している部分もあるのですが、単純に耳に入った音を正確に脳に伝える事ができず、言葉が言葉として認識できない。ということも起こります。
この認識が著しく低い場合は、補聴器で聞こえを補ったとしても、残念ながら、音声が理解できる感覚が少なくなります。
ただ音が大きく聞こえるだけで、言葉がわかりづらく(掴みにくいと表現するとわかりやすいかも?)、まるで理解できる感覚がありません。
仮に片方の耳は、補聴器を装用して、しっかり理解できるけれども、もう片方に関しては、理解できる感覚がまるでない。というようなケースも、たまにあります。
そのようなケースも、バイクロス補聴器は、有効です。

なお、聴力が同じようなケースだと、仮に片方の明瞭度が低かったとしても(どのぐらい低いのかによる)、バイクロス補聴器による聞こえの効果を薄く感じる事があるので、その点は、注意です。
このような場合は、バイクロス補聴器と両耳に補聴器を装用した状態。これを慎重に比較し、どちらがご自身にとって、補えるのか。を確認しながら、改善できると良いです。
③片耳が何らか合わない耳の方
上記に紹介した①と②は、片耳が何らか補聴器が合わない方ですが、それ以外の特異例として、
- 聞こえを改善すると音が強く異質に感じる
というケースも存在します。このようなケースも、対象になります。
ただ、音が強く異質に感じるケースは、語音明瞭度測定。という言葉がどれぐらい認識できるか。の測定を行うと、だいたい低い事が多いので、どちらかというと、②のケースに当てはまる事が多いです。
このようなケースも、バイクロス補聴器で改善できると良いケースの1つですね。
こういった耳を補聴器で無理に補うと、補おうとした耳側がだいぶ辛く音を感じる事が多く、精神的にも、肉体的にも、辛くなってしまう事が多いです。
バイクロス補聴器は、どう改善してくれる?

さて、バイクロス補聴器は、どう聞こえにくい人の耳を改善してくれるのか。その点に関しては、このようになります。

このような聞こえの方を対象にしていますが、このような方の場合、主に聞きにくさが強くなりやすいのは、聞こえにくい側から話された時と騒がしい中でのお話です。
あと、複数の人とのお話も、聞こえにくい側にいる人の話が極端にわかりづらくなってしまうので、その点がだいぶ辛くなりがちです。

それが、このようになります。ポイントとしては、
- どの方向からも音声は、わかりやすくなりやすい
- 騒がしい中は、ちょっと改善しにくい傾向がある
- 音の方向感覚だけは、改善できない
の3つです。
バイクロス補聴器の一番のポイントは、どの方向からも音声は、わかりやすくなりやすい事です。
今まで、聞こえにくい側から、話された場合、結構な聞きにくさ。場合によっては、話された事すらわからなかったものが、気づいたり、反応する事ができるようになります。
ただ、騒がしい環境下の場合は、その騒がしさのレベルにもよりますが、一部、改善しづらい場所があります。
また、複数の人とのお話に関しては、少人数、4〜5人くらいは、だいぶわかりやすくなるようですが、あまりにも数が多いケース(20〜30人)、そして、広い会議室のような場所になってしまうと、離れている人の声は、わかりづらくなる傾向があります。
そして、音の方向感覚については、以前と変わらず、わかりづらいままになります。
音の方向感覚は、両耳が聞こえていることにより、わかることですので、残念ながら、片方しか聞こえるようになっていないバイクロス補聴器では、音の方向感覚は、得る事ができません。
この点に関しては、注意しておく必要があります。
なお、片方のみ補聴器をつけた場合と比較すると、単純に聞こえない耳側から話された声がよりわかりやすくなるか、わかりづらいままになるか。の違いになります。
クロスがある事で、聞こえない耳側から話された場合でも、そのまま聞こえる耳側で受け取ってくれますので、聞こえない耳側から話されても、わかりやすくなる。というのが、バイクロス補聴器の一番のポイントです。
バイクロス補聴器による聞こえの改善事例
こちらでは、バイクロス補聴器による聞こえの改善事例について載せていきます。
なお、一つだけ注意が必要なのですが、バイクロス補聴器は、良い。という事をこちらでいう気は、ありません。
そもそもの問題として、どのような耳にバイクロス補聴器は、有効なのか。という事を考える、あるいは、認識する事が大事な事であって、あくまでも、目的は、聞こえを改善する事。となります。
その手段にバイクロス補聴器を使うのか、一般的な補聴器で聞こえを改善するのか。になりますので、目的と手段を絶対に履き違えないよう気をつけてください。
片耳、感音性難聴、もう片耳、突発性難聴(補聴器初めて)

どのようなことでお悩みでしたか?

実際に補聴器をお使いになってみていかがでしょうか?

このお店でご相談(購入)になったのは、なぜでしょうか

実際のアンケート内容

両耳とも原因不明の感音性難聴の方(他店ではうまく行かず)

ご相談される前は、どのような事でお悩みでしたか?

実際に補聴器をお使いになってみて、いかがでしょうか?

このお店でご相談(購入)になったのは、なぜでしょうか

実際のアンケート

両耳とも生まれつき感音性難聴の方(他店にて購入の方)

ご相談前は、どのような事でお悩みでしたか

実際に補聴器をお使いになってみて、いかがでしょうか

このお店でご相談(購入)になったのは、なぜでしょうか

実際のアンケート

他の症例は?
このほか、改善症例については、
にもまとめています。
バイクロス補聴器のまとめ
こちらでは、バイクロス補聴器に関して、まとめてみました。
バイクロス補聴器は、片方の耳は、補聴器で補う事ができ、もう片方の耳は、補聴器では、補ないような方が使用する補聴器です。
このような聞こえの方は、どうしても、聞こえない耳側からの音や呼びかけに弱く、そちらの方からの聞こえを改善してあげる事が、聞こえにくさの改善のポイントになりがちです。
しかし、聞こえを補える方のみに補聴器をつけても、改善しづらい場面がいくつか出てきてしまうため、バイクロス補聴器の方が聞こえの改善としては、しやすくなります。
ただ、片方の耳で全ての音を聞くため、少し特殊な感覚がありますので、実際には、バイクロス補聴器を試してみて、使えそうな感覚があるのであれば、検討するのが良いかと思います。
当店でも、ご相談は、承っていますので、ご相談を希望される方は、お問い合わせページより、ご連絡いただければ、幸いです。
という事で、以上、バイクロス補聴器について。でした。