補聴器のFAQ

ここ最近、補聴器が進んできた歴史をまとめてみた

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

こちらのブログでは、あまり補聴器の事、自体は、書かなかったりするのですが、ここ最近の補聴器の進化は、目を見張るものがあります。

その事から、ちょっと共有しておいたほうが良いかな?と思いまして、こちらでは、その点について、まとめていきたいと思います。

今回、こちらで記載していくのは、

  • 充電形の補聴器の登場
  • スマートフォンと補聴器が連動できるように
  • 補聴器と補聴援助システム、ロジャーとの通信が直接可能に

の3つです。

充電形の補聴器の登場

だいたい、3年ぐらい前あたりから充電形の補聴器。というのがちらほら出てくるようになりました。

スマートフォンのように充電して使用できる補聴器。という事ですね。

メーカーの開発意図は、あまりよくわかっていないのですが(私だけ?)、充電できるようになる事で、よくなる部分というのは、結構、ありました。

  • 故障がしづらくなった
  • 操作が楽になった

大きく分けると、この2つですね。

故障がしづらくなった

従来は、空気電池。というものを使いますので、補聴器の天敵である水や湿気が中に入らないよう、密閉することができませんでした。

一応、補聴器メーカーは、それでも防水(防滴程度)、防塵できるようにしていますが、空気電池の特性上、ずっと酸素が供給されないと、電池がうまく動作しなくなります。

補聴器には、よ〜く見てみると、電池への空気(厳密には、酸素)を供給する穴があります。これを塞いじゃうと、電池がうまく動作しづらくなっちゃうんですね。

しかし、充電形にできれば、空気を中に送る必要は、無くなります(空気電池を使う必要がない)。すると、密閉度がまし、その結果、故障しづらくなります。

実際には、バッテリーの交換等が追加されるので(バッテリーは、充電を繰り返すと、徐々に電池の保ちが短くなります)、絶妙な感じではありますが、修理の値段は、徐々に下がりつつあります。

今は、充電形にするとある程度の大きさが必要で、スマホのようにバッテリーの部分を多くすれば、それだけ、形状が大きくなるため、そこのせめぎ合いがあります。(形状か使いやすさか)

この点は、今後、より電池効率などがよくなれば、どんどん小型化されて行ったり、さらには、一回の充電で、今は、10〜20時間だったものが、より保つことで、安定して使いやすくなる。というようになってくると考えられます。

操作が楽になった

人によっては、あまり感じないかもしれませんが、充電形になり、操作が楽になった。と言う方もいます。

電池を入れたり、取り除いたり、そして、電源を入れる際の開閉が無くなり、楽になった。という事ですね。

電池の交換が無くなりますので、その部分に関して、余計な動作がなくなった。と見れば、楽になった。と言えるかもしれません。

今まで電池について普通に交換できていた人からすると、あまり恩恵は、受けづらいかもしれませんが、交換が面倒に感じていた方からすると、恩恵は、大きいですね。

ご年配の方の場合、操作が難しいケースもありますので、そういった方の場合は、優位性は、ある程度、あるかも?というところです。

?(クエクション)にしている理由は、電池の交換が難しい方が充電をスムーズにできるのか。というところは、確認はする必要があるためです。

しっかりとはめて、ちゃんと充電されている様子を確認できるのか。それができるのであれば、ベストですね。

充電できなければこの補聴器は、どうやっても使えない状態になってしまいますので、その点は、要注意です。

個人的には、ここは、よくなってきている部分もあるけれども、ちゃんと確認しなければならないところかな?と感じます。

充電形により少しずつバリエーションが増えた

このように従来、空気電池で動作していたものが、徐々に充電形のものが増えてきて、今後は、充電形のものが、より多くなるのかな。と感じています。

もうちょっとバッテリーの持ちがよくなるといいかな?と感じる事はあるものの、問題なく使える方は、使えていますので、今後、より、こういったものが増え、徐々に時代が変わってくるんじゃないか?と感じています。

スマートフォンと補聴器が連動できるように

第二シーズン到来。スマートフォンと補聴器が連動できるように。こちらは、だいたい1〜2年前?ぐらいからでしょうか。

メーカーによっては、だいぶ前から、そのようなことができるようになり、徐々に、そういった補聴器が当たり前になってきました。

一部の人は、歓喜し、一部の人は、そんな機能は、いらない。とだいぶ人により、評価が分かれる機能になります。

個人的には、より便利には、なってきたのかな。という感じですね。

スマートフォンと連動できるようになって、できるようになった事は、

  • スマホの音声を気軽に聞けるように
  • 補聴器の操作も楽にできるようになった?

の2つですね。

スマホの音声を気軽に聞けるように

スマートフォンと連動できるようになって、しやすくなったのは、こちらですね。

これは、iPhoneと繋げる事で、iTuneやYoutube、動画をより気軽に楽しめるようになった。という事です。

もちろん、電話もそのまま連動しますので、電話がかかってきたら、普通に補聴器に電話がかかり、そのままお話する事で、通話もできます。

難聴の方の中には、電話が苦手な方もいるので、どのぐらいの需要があるのか。仮に需要があったとしても、そういったやり方での改善を望むのかは、私には、わかりかねるのですが、このようなやり方もできるようになった。という点は、素直に評価したいところです。

ただ、こういった機能は、非常に電池を食うため、電池が直ぐ無くなります。

Bluetoothで常に音声を飛ばしているようなものですので、スマートフォン側も補聴器側の電池もすごい勢いで減っていきます(特に補聴器側)。

ですので、こういった機能を求めている方は、喜びますが、そんな機能を望んでいない方は「そんなものはいいから、一つあたりの電池で使用できる時間を伸ばしてくれよ」となります。

補聴器の操作も楽にできるようになった?

補聴器メーカーの中には、スマホにアプリを入れることで、そこで、音量の操作や音の切り替え(プログラムの切り替え)ができるようになったり、少しであれば、補聴器の調整(音楽アプリのイコライザーのようなもの)もできるようにしているものもあります。

これがどれだけの意味を持つのか。は、ちょっと私には、わかり兼ねています。

補聴器の調整が自分でも、ある程度、気軽にできるようになる。という点は、求めている方にとっては、良いかもしれませんね。

若い方であれば、ちょっと興味本位、もしくは、操作してみたい。という方は、絶対数は、少ないものの、ある程度いますので、そういった方には、良いかもしれません。

ただ、アプリで音の操作、音量を変えたり、プログラムを変える機能は、正直、微妙で、これらの操作をする場合、緊急性が高いことが多く、直ぐに状況を変えたい。という心理が先に来ます。

これらの操作で重要なポイントは、直ぐに変えられる事。なので、アプリで操作するとなると、作業工程が増えることにより、返って面倒かな。と感じます。

これは、こうした方が便利だからした。というより、できるからした。という側面が強いかな。と感じます。

スマホとの連動は始まったばかり

スマートフォンとの連動は、まだ始まったばかりで、これから、どうなっていくのか。という部分に期待です。

個人的には、気軽に動画や音楽、そして、人によっては、電話ができるようになる。というのは、すごく良いことだと感じています。

聞こえにくい人でも、これらのものを気軽に楽しめるような世界になってきたというのは、大きな進歩です。

こういった側面が大きくなってくれば、補聴器は、聞こえを改善するもの。という認識から、聞こえにくい人が、より良い生活ができるようになるもの。というように認識が変わるかもしれません。

スマホとの連動という部分は、まだ始まったばかりですので、今後、補聴器は、聞こえを改善するもの。という認識から脱却し、より大きな目的、思想、それをどう描けるか。により、変わってくるかと思います。

まさに今、その転換期にいる。というのが、現在の状況ですね。

補聴器と補聴援助システム、ロジャーとの通信が可能に

これは、ちょうど1年ぐらい前から出てきたもので、補聴器と通信機器、ロジャーが直接、繋げられるようになった。というものです。

補聴器には、補聴援助システムというものがあり、補聴器の欠点である騒がしいところでの聞こえや離れたところからのお話、それを別の道具を使って聞きやすくする。というものがあります。

補聴援助システムは、送信機と受信機の2つに分かれており、送信機に入った音が、受信機が付いている補聴器に直接、音声が届くことにより、明瞭な音声で、聞くことができます。

従来は、送信機と受信機が必要だったのですが、フォナックのマーベル。というシリーズから、受信機が必要なくなり、送信機のみを用意することで、通信ができるようになりました。

これにより、気軽にこういった聞こえの拡張がしやすくなった。という部分があります。

今まで補聴器の調整により、騒がしいところや離れたところでの会話を聞きやすくしようとしていたのですが、そもそもの問題として、これらのものは、補聴器の特性上、かなり改善がしづらいものです。

それを、別の方法で改善しようとしたのが、この補聴援助システムで、今までは、非常にお金がかかる事から、疎遠されていましたが、ようやく、手に入りやすい価格になってきました。

まだまだ、こちらを活用されているケースは、少ないのですが、こういった支援機器。これが、気軽に使えるようになって、補聴器の世界もまた変わってきたな。と感じます。

これは、ここ最近の変わってきたところで、より聞こえの改善がverアップしたようなイメージですね。

補聴援助システムは、いくつか気をつけなければならないことはあるのですが、使いこなせると強いものでもあります。

まとめ

すみません、少し長くなってしまいました。ここ最近、補聴器の世界は、このように少しずつ、変わりつつあります。

充電型から、スマートフォンでの連動。そして、補聴器と補聴援助システムの連動。それらにより、どんどん改善、もしくは、使いやすさ。それは、変わりつつあります。

これらの進化は、目を見張るものがあり、こちらでは、まとめという事で、簡単にこれらのことをまとめてみました。

それにより、また補聴器の値段が高くなってきてしまっているところはあるのですが、活用できるもの、そして、できる事が増えるようになってきたのは、良い事だと思います。

できる事が増えた世界では、聞こえにくい人の生活は、より楽に、そして、豊かになってくる事でしょう。

補聴器もどんどんよくなってきていますね。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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