耳・補聴器のこと

私が補聴器以外で自分を充実させる事を意識し始めた理由

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

このブログでは、難聴の私自身が生活を改善するために、色々と行なっていることも記載するようにしました。

その理由にはいくつかあり「難聴の体でも充実した人生を送れるようになる」もありますし、補聴器以外にも自分の状況を改善させる方法がある。というのも理由です。

ただ、本当の理由は、ここではありません。それは、補聴器というのは、マイナスを少なくする要素しかない。ということに気がついたからです。

以前の私は、聞こえにくささえ改善すれば、全てが改善される。と思っていたのですが、実際には、そうではありませんでした。

今回は、こちらに関して、記載していきます。

なぜ補聴器業界に入ったのか

私自身、生まれつきの難聴者であり、それと同時に補聴器を販売している人間でもあります。

実は、私が補聴器業界に入った理由は、自分の聞こえをより改善することはできないか。と考えたためです。

私自身、補聴器に関して、あまり補聴器屋さんとうまく相談できず、失敗している事がいくつかあります。中には、合わない補聴器を売られ、そのまま30万という大金を失ったこともあります。

その経験から、自分で耳の事や補聴器の事を学び、そして、自分でよくしていく。ちゃんと自分で責任を持って、ちゃんと学ぶ必要がある。という事で、補聴器業界に入りました。

その後、自分の聞こえを自分で改善するに至ります。

この時、私は、聞こえにくいことによって、全てがうまくいかない。逆に言えば、聞こえさえよくすれば、もっとより良くなる。と思っていました。

では、聞こえを改善したあとは、どうなったのか。それは、実際に良くはなったのですが、自分が想定していた状態とは、少し異なりました。

なんというか、何もない。という状況です。確かに良くなったけれども、何もない。表現すると、マイナスの部分がなくなった。このような感じでしょうか。

この感覚は、当時の自分を迷わせました。というのも自分が想像していたような感覚ではなかったからです。

補聴器は、マイナスを減らしてくれる道具

聞こえを改善した後に気がついたことですが、それは、補聴器は、マイナスを減らしていくれる道具である。ということです。

聞こえにくい事によって、自信を失ってしまったり、人とお話する事が億劫になってしまう。さらに人とのコミュニケーションに難が出てしまう。

こういったマイナスの要素を無くしてくれる道具。といえばわかりやすいかもしれません。

図でいうと、こういう感覚ですね。

聞こえにくいことでマイナスな部分がある場合、それを少なくしてくれる。というものです。

これは、何か元々あって、マイナスの部分が出てしまうことにより、引っ張られてしまう方には、非常に有効です。

プラスの部分があるけれども、同時にマイナスな部分があり、プラスの部分が少ない方、あるいは、マイナスの部分が大きくなりすぎて、マイナスに転じてしまっている方。

そういった方には、マイナスの部分を少なくする事で、プラスの部分が大きくなり「本来の自分に戻れた」「聞きにくくて諦めていた事があったけど、あれをやってみよう」という風になります。

が、もともと何もない方の場合は、どうなるでしょうか。上記の様になります。

もともと何もない場合は、実は、補聴器をつけることによって、マイナスの部分は、少なくなるのですが、マイナスの部分が少なくなることにより、元通り、何もない状態になります。

改善する前はマイナスしかないのですが、改善したとしても、何もないのです。

この点は、仕事で例えるとわかりやすいかもしれません。

スキルや能力、自分に向いている仕事をしている方は、聞こえにくさというマイナスな部分があることにより、それが弊害されてしまい、能力が下がってしまいやすくなります。

その場合、聞こえを改善する事で、マイナスの部分を少なくすることにより、そのスキル、能力、強み。それを活かすことにつながり、より活躍しやすくする事ができます。

しかし、仮にスキルがあまりない方、向いていない仕事をしている方は、どうでしょうか。

いくら聞こえを改善しても、それは、マイナスの部分を減らす事につながるのですが、プラスの部分が伸びているわけではありません。

このプラスが伸びていない。というのが非常に大事です。

もともと、プラスの部分がなければ、いくらマイナスの部分を減らしても、せいぜいプラスマイナスゼロにしかなりません。

実際には、補聴器で耳を治すことはできませんので、少しのマイナスが残るのみになります。

実は、自分の聞こえを改善することに集中していた頃、私は、このことに気づけませんでした。本当の問題は、マイナスがあることではなく、プラスがそもそもなかった事だったのです。

その結果、聞こえを改善したあと、自分が想定したような状況にはなりませんでした。

マイナスを減らす事だけではなくプラスを伸ばす。

実は、本当の意味でよくしていきたい場合は、マイナスの部分を減らすだけでは足りないのです。

マイナスの部分を減らし、そして、プラスの部分を増やしていく。こう考えていく必要があります。

以前の私は、マイナスの部分を少なくすることしか意識できていませんでした。そして、実際に聞こえを改善した後に気づくわけです。

「おや?自分が想定した通りのものではないぞ?」と。

もちろん、補聴器を装用することによって、聞きやすくなり、様々な事がしやすくなりました。しかし、聞こえを改善して、いろいろなものを自分で経験したり、あるいは、人と楽しむことをする。

いわゆるプラスの部分を増やしていく。ということをしないと、より良くすること。あるいは、良くなった事を実感しにくくなります。

そのことに気づいてから、自分の生活を改善するようにしたり、仕事に関して、スキル、知識を入れようとしたり、このプラスの部分をいかに増やせるようにするか。を考えるようにしました。

それが、私自身、補聴器以外でも自分を充実させることを意識し始めた理由です。

補聴器は、マイナスの部分を少なくする道具であり、その効果も大事な事です。

しかし、マイナスの部分を少なくし、プラスの部分を増やす事。例えば、健康を意識して体調が良い状態をキープできれば、より充実した日々を送れるようになる。

仕事に関しても、自分の強みを活かせるような職業、仕事を考えたり、そこに転職する。自分の強みがよくわからないので、自分の強みから、まず把握して、1つずつ改善していく。

このように聞こえにくさ。というマイナスの部分を少なくすると共にプラスの部分をいかに増やせるか。が一番大事です。

その事に気付いたのは、実際に聞こえを改善した20代の頃でした。ただ、当時は、今ほど認識できていた訳ではなく、さらに「これより良くするにはどうしたらいいんだ?」と迷っていました。

今現在は、そんなことはなく、聞こえにくさというマイナスの部分を改善したら、あとは、プラスの部分をどう増やしていくか。ここにあると確信しています。

このことに気づいた事。そして、ある意味、実験台ではないのですが、一つの例として、参考になればと思い、このような内容もブログに記載するようになりました。

まとめ

補聴器は、マイナスの部分を解消する道具である。と言われるとショックを感じる方もいるかもしれません。

こちらはもちろん、あくまでも補聴器を実際に使っている私自身が感じている事です。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、補聴器はマイナスを減らす道具であり、それと同時にプラスの部分を増やしていく事ができれば、上記の通り、プラスの部分が多くなる事で、より充実したものになります。

補聴器だけで全てを解決するのではなく、他のものも使って解決をしていければ良いのです。

難聴の人が求めているのは、補聴器。というよりも、聞こえにくさが残る体でも、より良く生活できるようになる事。充実した人生を送れるようになることではないでしょうか。

今現在、まだまだ難しいところはありますが、ただ、他のものと組み合わせることにより、少しずつ、そういった生活ができるようになってきている部分はあります。

何よりも私自身は、そういった生活をしたいと思っていますし、そういった生活をすることはできる。とも思っています。

もし、そういった生活をしたい。と思いましたら、ぜひ、一緒に頑張っていきましょう。

自分の体で実験しながら。にはなってしまうのですが、その中で有効そうなものをこれからもまとめていきたいと思っています。

ということで、本日も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

記事URLをコピーしました