耳・補聴器のこと

集音器と補聴器に関する私的、考え

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

最近、集音器のCMやら目につくものが多いようですね。お客様から言われたり、特にテレビ、新聞でそういったものを見るというように言われることが増えてきました。

私自身、実はテレビは見ていないので、どんなものが出ているのかすらもよくわからないのですが、テレビは今現在、ご高齢の方がみるメディアとして、どうしてもそういったものが多くなりやすいのだと思います。

集音器と補聴器は昔から歪み合ってきた仲なのですが、私自身としては「難聴の方が幸せになるのであれば何でも良い」というのが、個人的見解です。

最近の傾向?

最近の傾向と言いつつ、全くテレビや新聞を見ていないので、そういったものがどれだけ世の中に出ているのか。あるいは、目につくようになっているのかはわからないのですが、お客様からお話を聞く限り、かなり集音器のCMやら機器が目につくようです。

集音器と補聴器はそもそもやっていることが全く異なりますので、何とも説明がしづらいのですが、補聴器は政府にきちんと医療機器としての申請をだし、国の方で定めている医療機器としての効能、安全性などを認められたものになります。

補聴器に限らず、特に医療で使われるものは、体内に入れたり、体に装着するものになりますので、万が一があると、大体大変なことになります(というか取り返しがつかない事態になります)。

ですので、「これは人の体に使っても本当に安全ですか?」という基準や効能に関して、きちんとあるのかどうかを国に申請するのですが(厚生労働省の役割ですね)、それを通ってきたか、そうじゃないかの違いです。

特に補聴器の場合は、基本的に内耳と呼ばれる耳の中の神経が弱っている人につけるものになりますので、単に音を入れれば良いというわけではなく、耳を守る仕組みも必要になります。

今現在、聴力が低下するとそれを改善する方法がありません。

改善する方法がないから、補聴器という選択肢になるのですが、その補聴器を使うと、さらに聴力が低下するとか、悪化するのというのは、基本的に避けなければならないことです。耳を治す手段がそもそもないからです。

ですので、そういった国のシステムがあり、そこを通ってきたか、そうじゃないか。言い換えれば、「ちゃんと安全ですか?」と言えるかどうか。というのが根底の部分にあります。

ケンカではなく、棲み分けを

個人的に思っているのは、補聴器が悪い、集音器が悪いというケンカではなく棲み分けを。と思っています。

補聴器については、きちんと耳に関して、保護する役割も持ちつつ、聞こえの改善をしてくれるのですが、如何せん金額の高さが気になりますよね。

今現在、片方の耳だけで最低価格18万、19万とすごい金額になり、上を見ると片耳のみで60万円もするものもあります。

個人的には、無理に高いものを買う必要性はないと思っているのですが、最低金額も高いことから、正直、ちょっと価格がきついなと感じる方もいると思います。

耳のことをわかっている方からすると「いや耳のことを考えるとこれだけのことはどうしても必要なんです!」と言いたい部分はわかるのですが、価格に難を示さざるを得ない人もいるのも事実です。

集音器は、補聴器の金額からするとすごい安さです。場合によっては、10分の1そのぐらい安いですよね。

どの集音器は安全なのかはさっぱりわからない状態になりますので、私自身は集音器をオススメする気は、一切ありません。

しかし、人によっては、価格的に厳しい方がいるという事実は、補聴器は向き合わないといけない問題だと考えています。

言い方を変えると、誰もが気軽に聞こえを改善できる世界ではない。ということです。

お金のあり、なしにより、改善が変わる。ある意味、これはなくせはしないものの、ただ、最低の部分を引き上げる工夫、努力は必要なのかなと、個人的には、思います。

ここから思うのは、棲み分けですね。きちんとお金を支払える方は、補聴器の方が良いですし、逆に難しい方は、集音器という選択肢もありにする。

お互いに歪みあったり、あれが悪い、これが悪いとケンカしても世界は何も変わりません。

難聴の方にとってよい社会、よい世界はどんなものか。を考えると、棲み分けをして、それぞれの役割を担う。そっちの方が個人的には、まだ良いように思います。

ですので、個人的な考えとしては、「難聴の方が幸せになるのであれば何でも良い」になります。

まとめ

さて、最近、少し目につくみたいのですので、こちらに関して記載してみました。

正直、私のところでも「集音器を買ってみたけど、全然、使い物にならなくて……」という相談もありますし、

実際に購入した方からは「あんなものを売っている業者や会社は、何なんだ!ひどいにも程がある!」と怒りを露わにしているお客様もいましたので、個人的には、そこまで集音器に関して、肯定ではありません。

ただ、おそらくそれは、補聴器にもあるんだと思います。これだけ高いお金を出して買ったけど、全然、使えなかった。という方も少なくとも存在するはずです。私があまり会っていないだけで。

ですので、個人的にはどっちもどっちです。補聴器の人側が一方的に集音器について悪くいう事はできないですし、集音器の人側が一方的に補聴器について悪くいうことをいう事もできません。

そして、そもそもの問題は、補聴器の価格の高騰。もっというと、補聴器の価格が高く、生活するために必要なものであるのに関わらず、負担が大きいという部分が根本の問題です。

聞こえにくくなって補聴器の金額について調べたら「えっ!こんなにするの!?」とビックリし、集音器に流れるというのは、想像できることです。

基本的に医療は高いのである意味仕方がない部分も入るのですが、これに関して、どう考えていくかというのは非常に大事な問題で、そこの解決方法を問われているのだと思います。

これに関する私の返答は、住み分けをすること。だと思っています。全てを補聴器が担うのではなく、役割分担する。

補聴器が全てのことを担うには、まだまだ価格が高騰する可能性の方が高いので、ほぼ無理です。

であれば、ここに安心して使える集音器がその役割をになってくれれば、全体的に良くなるのかなと思っています。

なので、個人的には、住み分けが一番かなと思います。

お互いにケンカしても、難聴の方の生活なり、難聴の方の住む世界が良くなるわけではありませんので、それは、しなくて良いのかなと思いますね。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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