私が相談のしやすさが大事だと思う理由

このお店は、一般的な補聴器屋さんと結構、違うのですが、私自身、補聴器において大事な事は、相談のしやすさだと思っています。
これには、色々と理由があるのですが、大きな理由は、聞こえの改善は、ケースバイケースであること。トレードオフである事。ここが上げられます。
このケースバイケースであることと、さらに改善のトレードオフがあることから、相談が重要になってくるのですが、今回は、こちらに関して、記載していきます。
聞こえの改善はケースバイケース
補聴器で聞こえを改善していく場合、補聴器を選ぶパートとその選んだ補聴器で聞こえを改善するパートがあります。
補聴器で聞こえを改善するパートの部分は、補聴器屋さん側が主に行うので、お話の部分としては、あがりにくいのですが、補聴器による聞こえの改善は、ほとんどこの部分によって、決まってしまいます。
ですので、改善を中心にする場合は、どうしてもこの部分が避けられないのですが、じゃあ、改善をより良くするのは、どうしたらよいかを考えていくと、よい補聴器を購入する事ではなく、相談のしやすさが大事。というのが、私の結論です。
今現在、補聴器による聞こえの改善に関しては、ある程度、数値化されてきており、聴力に対して、このぐらい改善できるとよい。という部分は、わかってきています。
しかし、その部分まで改善できるのかどうか。あるいは、そこの部分まで音を入れて、日常生活を送るのに問題なくできるのか、逆に音が大きく感じて、辛く感じるのかは、正直、人によって異なります。
ある人は、しっかり音が入って、聞こえが改善されて良い。と表現する方もいれば、あるい人は、しっかり音が入ってくるから、補聴器をつけるとツラい。と表現されたりします。
つまり、その状態をどう解釈するかは人によって異なるということです。これは、耳の感覚というのは、どうしても個人差、あるいは、まだまだわからない部分がある事も影響していると思います。
ですので、そういった部分に関しては、相談しないと、その方の生活を支えられる補聴器というのは、難しい。というのが私が経験上、感じていることです。
これは一人一人、耳の状況も異なれば、好み、さらに求めているものが異なることからきています。使う方が何を正解とするか、何を良いとするかが異なれば、使って感じるときに起こる解釈も変化します。
ですので、実は、使う方がどういう人なのか。何が好きで、何が嫌いなのか。こういった価値観、もっと直接的にいってしまうと好き嫌い。これを把握する必要があります。
解釈はこの価値観や好き嫌いから起こっていることだからですね。
それらを把握しながら、その方にとって良いものを提供する。これが私自身が考えている補聴器の形です。
私は補聴器は、難聴の方の生活を支える道具である。と解釈していますので、そう考えると、価値観や好き嫌いを把握しながら、その方にとって良いものを提供することがその正解に辿り着きやすいのかなと考えています。
聞こえの改善はトレードオフ
もう一つ、お話をさせていただくと、聞こえの改善は、トレードオフ。というのがあります。
トレードオフというのは、あちらを立たせれば、こちらが立たず。というものです。Aを優先したら、Bは、捨てる。といえばわかりやすいかもしれません。(両立ができない)
補聴器による聞こえの改善は、基本的に強力なトレードオフが働きます。
例えば、聞こえの改善を重視すると、その代わり、周囲のノイズ、周りの音も入りやすくなりますし、細かな物音も入りやすくなります。
つまり、良くも悪くも聞こえが良くなる状態になります。聞こえが良くなることで、音声も物音も聞こえやすくなります。
逆に音を抑えれば、周囲の音や物音も下がるけれども、人の声も下がります。ですので、補聴器というのは、基本的に強力なトレードオフが発生します。
このような場合、基本的には、どちらを選択するか。になります。
聞こえの改善を重視するのか、それとも使いやすさ、音の快適さを重視するのか。こちらを考えなければなりません。
これ以外には、人によっては、しっかり音を入れて、聴力から改善できるとよい部分まで改善した場合、しっかり改善できてよい。と評価する方もいれば、しっかり音が聞こえるので、うるさい、疲れてしまう。と評価する方もいます。
この部分は、どちらかというとトレードオフというより、上記のケースバイケース、感覚や聴力、あるいは、使う方の好み、どちらの方が良いのかという部分に入りますが、このような側面もあります。
たまに周囲のノイズのみ抑える、特定の音だけ抑える。というような表現をされることはあるのですが、本当の意味でその音だけ抑えることは、今現在、まだできません。
その音を和らげることはできるのですが、それをすると音声の方にも影響が出てきます。
聞こえの改善は、トレードオフ。こういった側面もありますので、より相談が大事になります。
補聴器は、目標やこうした方が良いという方向性は示してくれるのですが、それが本当にその人のためになるのかはわかりません。
使う方の考えていることと方向性があっているのであれば、良いのですが、あっていない場合は、それ別に修正していったり、オリジナルで考えていく必要があります。
こういったところからも相談のしやすさ。もっというと相談して、どのようにしていくかを決める、話し合うことが大事になってきます。
まとめ
さて、こちらに関して、記載してみました。基本的には、聞こえの改善は、ケースバイケースであること。そして、トレードオフであること。この二つによるものが大きいです。
使う方、それぞれの価値観も違えば、耳の状況も異なりますし、さらに好き嫌いも異なります。
聞こえの改善はケースバイケースになりやすく、その方、その方だけに特殊解を出していく性質があります。全ての要素がケースバイケースだからです。
あとは、補聴器自体が専門的な内容になりすぎてしまってわかりづらいので、一つ一つ理解しながら進めていくことが大事。ぐらいでしょうか。
どちらにしても、相談と言いますか、数値だけ、目標だけ、状況だけ見れば、改善できるという類のものではありませんので、どのような状態になったら、使う方がよりよく生活できるようになるのか。ここを考えながら改善していくのが補聴器だと考えています。
これが相談のしやすさが大事だと思う理由ですね。