耳・補聴器のこと

どうしたら、難聴の体でも生きやすくなるのか

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。

私自身、生まれつきの難聴者で補聴器を使って生活をしているのですが、そんな自分が思う最大の関心は、こちら、どうしたら、難聴の体でも生きやすくなるのか。です。

今現在、補聴器は耳を治すことはできません。ということは、聞こえにくい部分、不便な部分、不自由な部分が残ることになります。

その残った状態で、どのようにしたら、この体でも生きやすくなるのか。それが私の中での今現在の最大のテーマです。

ちなみにこちらで記載していくのは、その方法ではありません。その方法はまだわかっていないため、なぜ、そんなことを考えているのかを記載していきます。

自分の過去

さて、こちらを記載していく場合、なんでそもそもそんなことを考えているのか。という部分があります。

それは、上記のように、補聴器では耳を治せない部分もあるのですが、それ以上に私自身が子供の頃、3回ほど、耳や補聴器のことで失敗しつつづけ、あまり良い子供の頃を生きていないことが(恐らく)大きいです。

細かな部分は省略させていただくのですが、聞こえにくいことにより、中学生ごろから、周りの子とのコミュニケーションが難しくなり、聞きにくいことで揶揄われること、そういった事がだいぶありました。

そして、高校生の時、高校自体はよかったのですが、アルバイトをする様になり、聞こえの環境など全く考えなかった事もあり、飲食店で働き、騒がしさから聞き取りが難しい部分が多く、そこで挫折。

そして、19歳ごろ、補聴器に関する相談でうまく行かないことがあり、そこも挫折。そこから、自分自身で補聴器のことを勉強する必要性が出てきて、この世界に入りました。

子供の頃からあまり良い経験をしていなかったため、難聴の体でも自分が思うように生きたい。漠然と、そう考えていた部分がありました。

それは、単純に聞こえにくいままの時に受けていた仕打ちがこの先もずっと続くのかと考えたら、単純に恐怖を感じたからです。そんな風には、生きたくないな。そう思って、より良くしていくことを決意します。

聞こえ改善後にぶち当たった大きな壁

そして、ここからが大事なのですが、補聴器屋さんの世界に入り、耳や補聴器のことを学び、自分で自分の状況を良くしていきました。

ただ、ここで自分自身、最大の壁にぶち当たることになります。それは、「聞こえを改善しても、何も変わらなかった」ということです。

書き間違いではありません。本当に何も変わらなかったのです。

確かに補聴器により、聞こえはよくなりました。恐らく、聞き返しなどは、以前よりも減ったでしょう。もちろん、不自由な部分や不便な部分は、ある程度、残っているのですが、それでも自分ができることの総量は増えたのは感じています。

しかし、何も変わらなかった。なぜなら、私には特にやりたいことがなかったからです。

何かやりたいことがあったら、それができるようになったから嬉しい。楽しいことが増えた。と感じます。しかし、それがないと、補聴器があっても「聞こえるようになった」だけになります。

子供の頃、自分自身に自信がなく、さらに(多くのことを)耳のせいにして生きてきたため、そもそも自分がどんなことをしたら楽しいのか、嬉しいのか。自分の感情も含めてよくわからなくなってしまった時期がありました。

この点は、補聴器で聞こえを改善すれば、漠然と幸せになれる。と考えていたけれども、それがどうも改善してみた結果、そうでもなかった。ということですね。

補聴器がしてくれるのは、マイナスを減らすだけ

世の中には、プラスの量を増やすものとマイナスの量を減らすものがあります。

プラスというのは、自分自身の人生の充実させるためのもので、例えば、趣味だとか、自分がしていて楽しい、嬉しいと感じるものになります。

また、仕事で例えるとスキルや技術。こういったものがプラスの量になります。それらがあればあるだけ、お客さんやクライアントに対して、貢献しやすくなりますよね。

一方、マイナスの部分を減らすものというのも世の中にはあります。マイナスというのは、苦痛を感じるもの、自分が嫌だなと思うものを減らす。ということです。

最近だと、断捨離が話題ですが、こちらはマイナスの部分を減らすという側面が大きいです。

自分が良いと思わないものを捨てる、自分がいて居心地の良さを感じない人との関係を捨てる(初めは、自分が好きだと思う人、あるいは、いて居心地の良さを感じる人と一緒にいる時間を増やすことから始めたほうがいいかも)、などです。

医療は基本的にマイナスを減らすものです。マイナスというよりも、何かがあり、自分の生活に支障が出てしまっている状態ですね。補聴器もここに当てはまります。

風邪を引いている状態は、日常生活を過ごすことも、仕事もしづらい状態になりますよね。ですので、早めに治す。これは、マイナスの部分を±0の状態に持っていく状態とも言えます。

で、大事なのは、補聴器はマイナスの量を減らしてくれるだけ。ということです。(当たり前ですが)補聴器を使ったからといって、薔薇色の人生が待っているとか、ものすごく幸せになるとか、そういったものは、ありません。

聞こえにくいことにより、何かが阻害されている状態があり、その阻害部分を減らしてくれる。これが補聴器です。

ですので、実は、本当に大事なのは、自分自身の内側の感情を大切にすること。ここです。

補聴器をつけてもマイナスを減らすだけであり、自分は何をしているときに幸せを感じていて、嬉しい、楽しいと感じるのか。それがベースにないと、プラスの量が上がっていかないわけです。

プラスの部分がないと、いくらマイナスの数値を少なくしても、±0に近づくだけで、無に近づくだけになります。

なので、実は、プラスの量が大事。というのが聞こえの改善後、気づいたことでした。

どのようにしたら難聴の体でも生きやすくなるのか

どのようにしたら難聴の体でも生きやすくなるのか。ここは、今現在も私自身、模索している最中です。

ただ、一つ明らかなのは、補聴器を使うことだけでは足りない。ここです。

補聴器を使うことだけでは、不便な部分、不自由な部分は残るからです。補聴器屋さん側の人がそんなことを言っていいの?という感覚はあるかもしれませんが、事実なので仕方がありません。

補聴器にプラス、別の知識。例えば、少し前に記載したアドラー心理学を使うとか。周りの方にどのようにして協力をもらうか。という知識、技術もそうですし、単純に上記に記載した通り、自分は何に幸せを感じ、何に苦痛を感じるのかといった自己理解もそうです。

まだまだ私自身もわかっていない点がありますので、今現在、かけるのはこの点ぐらいですが、耳や難聴のこと、補聴器のこと、以外に自分が何に幸せ、嬉しいと感じ、何に苦痛を感じるのか。ここが鍵になりそうです。

人とのコミュニケーション方法、仕事のこと、自分の幸せのこと、自分がどう生きていきたいか。それに全て、そこが乗っかってくるからです。

ということで、今現在、思っていることを記載してみました。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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