アドラー心理学に学ぶ、仕事の考え方

こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがうございます。
さて、ここからは、難聴の方の仕事に対する考え方について、記載していきたいと思います。
今現在の課題は、補聴器を装用したとしても耳が治らない事です。ですので、どこかしら、できないことが出てきたり、聞きにくいことで、仕事がしづらい場面がどうしても出てきてしまいます。
そのようなハンディキャップを抱えている場合、どのように仕事に関しては、考えていければ良いのか。どのように自分を活かしていければ良いのか。その点に関しては、実は、アドラー心理学 嫌われる勇気を読むと多くのヒントを見つけることができます。
結論から記載しますと、仕事の本質は、他者への貢献である。なので、自分が貢献できることで、他者に貢献していく。ここになります。
自分自身の課題
さて、その点を書く前に、まず私自身が持っている課題からお話させてください。
私は、生まれつきの難聴者で、補聴器に関しては、小学校2年生ぐらいから使っています。ですので、大体7歳ぐらいから、補聴器がある生活をしています。
今現在、36歳なので(1986年生まれですので、いい歳したおっさんです)、ここに来るまで、いろいろなことを経験してきました。
挫折という挫折は一通り経験してきている人間なのですが、その際に大きく記憶している挫折があります。それは、高校生の時のアルバイトの経験です。
高校生になった時、遊ぶ金欲しさにアルバイトをするようになるのですが、その際、「アルバイトといったら、飲食店だろ」というような安価な気持ちで働いた結果、散々な目に遭いました。
私自身、生まれつき難聴になりますので、アルバイトの面接の際は、自分の耳のことを伝え、そこから採用されたのですが、飲食店は、ガチャガチャと、いろいろな物音がしていてうるさいですし、さらに混んでくると人が多くなってくるので、余計に聞きづらくなります。
ですので、先輩方からの指示や店長からの指示など、いろいろなものが聞こえなくて、やらかしたり、うまくいかないことが多々出てきました。
この際、自分自身は、結構、ショックを受けました。自分はアルバイトすらまともにできないのか。と感じたからです。アルバイトすらまともにできないとなると、じゃあ自分はどんなことができるんだ?そもそも正社員で働くことができるのか?と本気で悩んでいた頃がありました。
高校生の時ぐらいに働くということの強力な洗礼を受けたため、ここについて、どのように考えたら良いのか。当時は、誰かが教えてくれるわけでもありませんでしたので、自分一人で答えを出していくしかありませんでした。
他者に貢献していくことを軸とする考え
私自身は、このような経験をしていますので、どのようにしたら、難聴の体でも、幸せに生きていくことができるのか。その点に割と興味があります。
それは、補聴器で聞こえを改善したとしても、必ずしも状況が良くなるわけではないことを知っているからです。(補聴器屋さんの立場で言うのもアレですけど)
その観点で、アドラー心理学 嫌われる勇気を読んでみると、仕事に関しても様々な発見があります。それが他者に貢献していくという考えです。
アドラー心理学については、全ての悩みは、対人関係にある。として、どのようにしたら対人関係の問題を改善し、一人ひとりが幸せに生きられるようになるのか。を考えた心理学です。
そこで出てくるものの一つが、他者に貢献していく事を軸とする考えです。個人的には、この点は、すごく腑に落ちる考えでした。
上記の通り、私は、初め、飲食店にアルバイトして、散々な目に遭いました。
これは、ひとえに考えが足りなかったといえばそうなのですが、それ以上に大事なのは、自分は、どのようなところなら貢献できるのか。どんな仕事なら他者に貢献できるのか。ここの考えが足りなかったことでした。
今だったらわかるのですが、何も働くとした場合、上記のような自分が働きづらい環境で働くこと。あるいは、自分の力が発揮できない環境で働く必要はどこにもありません。苦しい環境で働くことの必要性は、どこにもないのです。
どのような人にも苦手なものやできないことはあります。そして、難聴の体であったり、障害、ハンディキャップがある方なら、なおさら一般の方と比較してしまうと、できないことはあるでしょう。
しかし、ここで大事なのは、他者と比べて、できないことを羅列するのではなく、自分はどのようなことなら他者に貢献できるのか。ここを考えることです。
例えば、今の私なら、このような経験を軸に「実はこんな失敗をした。だから、こういうふうにすると良い。あるいは、こういう風に考えられると良い」と伝えるのも、立派な他者貢献になりますよね。
高校生の頃の私にこのような内容を思いつくのは、さすがに酷ですが、今ならわかります。あの頃の私は、自分のことしか見えていませんでした。この本の内容を軸にすると、自分を中心に世界を見ていた。という事です。
そうではなく、他者(あるいは他社)へ関心を向けて、その他者(働く場合は他社)に対し、どのような貢献ができるのか。そこを軸に考えていく必要があった。この点をこの本から学べました。
大事なことは、できること、できないことを見分け、できることに集中していくこと。ここですね。
諦めるという言葉がありますが、これは、明らかにするという仏教の言葉が語源です。つまり、できること、できないことを明らかにして、できないことは捨てるということです。
できないことを諦めるから、できることに集中する事ができる。という事ですね。
そのために何をすると良いのか
アドラー心理学 嫌われる勇気の中には、そのためにできると良いこととして、自己受容、他者信頼、他者貢献、の3つができると良い。と書かれています。
実際には、アドラー心理学の到達点である共同体という概念を目指す際に必要な要素が上記の3つです。そのうちの一つが他者貢献ですね。
何ができて、何ができないのかの自己の受容。そして、他者を信頼し、他者に貢献していく。できること、できないことを分けて、自分ができることで他者に貢献していくということです。
難聴の体でも、ハンディキャップを負ったこの体でも自分ができることで他者へ貢献する。これが、恐らく、幸福への第一歩になるんじゃないかと今現在は感じています。
そのヒントは、本の中にも書かれていますが、他者への関心に目を向けることです。上記の頃の私は、自分にしか目を向けていませんでした。それが大敗した要因だと今現在では感じています。
そのような失敗を回避するには、他者への貢献を軸として考え、他者へ関心を寄せることから始める。そこが大事なんだなと思います。
まとめ
さて、今回は、アドラー心理学に学ぶ、仕事の考え方。ということで、こちらについて記載してみました。こちらは、主に仕事の際、あるいは、チームとして働く、組織として働くという際に役立つのかなと思います。
どうしても聞こえにくさによる不便な部分、不自由な部分というのは、今現在、残ってしまいます。その際、大事になる考えは、他者への貢献という軸で物事を考え直してみることです。
個人的には、この発想はかなりのパラダイムだと思っており、とても大事な観点だと思っています。
それは、ハンディキャップや障害があると、できることが限られてきてしまうからです。
ここで大事なのは、できないことが悪いわけではないということです。できないことがいくら多くても、できることがあり、それで他者への貢献ができていれば、それは、とても素晴らしいことです。
その場合に大事なのは、じゃあ自分には何ができるのか。を考えていくことになるのですが、そこがまた難しいところになります。今現在の課題は、ここをどう見つけていくか。だと個人的には思っています。
自分が苦手なこと、できないこと。そういったもので貢献する必要はどこにもありません。できること、得意なこと、他者から感謝されること、そういったもので人に貢献していければ良いのです。