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販売員の姿勢としての課題の分離

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。

さて、今回は、販売員の姿勢としての課題の分離という謎のタイトルでお届けします。

これは、アドラー心理学の内容の一つ、課題の分離を読んだ時に販売員側の姿勢として、そうあればいいんだ。と改めて、私自身は学びを得たからです。

今回は、ここについて記載していきます。

販売員としての課題

私自身、生まれつきの難聴者であり、そして、補聴器を販売している人間でもあります。自分の意識としては、聞こえにくさを改善し、少しでも難聴の体でも、より良く過ごせるようにすること。こういった考えで、仕事をしています。

そして、お互いにとって良い形になること。それは、お客さんとしても、なるべく改善された状態で、日々の生活が過ごしやすくなること。それにより、自分としても、お店が儲かること。そのようなお互いにとって良い形になることを目指しているつもりです。

しかし、相談される方というのは、様々で、中には、こちら側が提案したものが必ずしも受け入れられるとは、限りません。

お客さん側にも希望や状況、お金の面や補聴器に対するイメージ。そういったものがあるのは、私自身も使っている身ですので、重々承知です。

しかし、聞こえを改善する側からすると、外してはいけないポイントがあるのも事実で、ここを外すと、肝心な改善ができず、改善自体がうまくいかなくなることもあります。

私自身としては、その肝心な部分だけ押さえていれば、あとは、自由に。というスタンスです。そこさえ外さなければ、基本的な改善ができるからです。

しかし、相談する方の中には、その肝心な部分すら外してしまうケースがあります。

例えば、「今、こういった状況ですよね。ですので、ここだけは押さえておきましょう。ここを外すと、こうなってしまうので、あまり改善されない状態になってしまいます」と伝えても、

「いや自分としては、こう考えていて……」となり、後になってから「あまり補聴器の効果、感じないんだよね……」となる。こうなると私としては「いや…だから言ったじゃん……」となってしまいます。

こういったケースは、中途半端に補聴器や耳に詳しい人が多く、持論を譲らないケースも少なくありません。もちろん、ご自身の意見を否定されて、あまり良い気分ではない。という方もいるでしょう。

この場合、販売員の姿勢としては、どうしたら良かったのか。個人的には、悩むことが多々ありました。

このような場合、言い方を変えると、明らかに失敗することが目に見えているわけです。

これから進む先に落とし穴が堂々と目の前にあるのに、それを何もしないまま見過ごして良いのか?それともきつい言葉を言って、恨まれてもいいから、無理矢理にでも言うことを聞かせた方がいいのか?

こういったことに悩んだことは、少なくありません。

アドラー心理学は、ここにも答えを出してくれる

アドラー心理学は、難聴の方にも有効ですが、実は、販売員、対応する方にも有効です。元々は、カウンセラー向きの内容になりますので、販売員の方や対応する側の人にもかなり役立ちます。

では、そのような状況においてできることは何なのか。そう課題の分離です。

課題の分離とは、その問題は、誰の問題なのか、誰の課題なのか。になります。

例えば、上記の内容を出してみると、販売員側、対応する側が提案した内容を受けるか、受けないかは、お客さん側の課題になります。対応する側の課題ではありません。

お客さん側がそれを飲み込むのか、それとも飲み込まないのか。最終的に決めるのは、お客さん側なのです。

アドラー心理学 嫌われる勇気の中には、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」という言葉が出てきます。

この水をアドバイス、提案と言い換えると、よりわかりやすいかもしれません。

私は、これを知った時、かなり楽になりました。上記のように「無理にでも言い聞かせる」というやり方も、「見過ごす」という方法も、どちらも正解のように思えなかったからです。

つまり対応する側ができるのは、他者への貢献。お客さんと対話しつつ、ベストな提案をする。そして、それを呑むか、呑まないかは、相手側に任せる。ということです。

ここを誤ると、お客さんに強要してでもいうことを聞かせようとしたり、相手を操るようなやり方をしたり、脅すようなやり方で相手を屈服させることになります。

そのようなやり方は、一時的にはいいかもしれませんが、長期的にはうまくいきません。それに人として、どうなのかとも思います。いくら正しいことをしようとしてもです。

このように課題の分離を知ることは、私自身の販売員としての姿勢を教えてくれました。

まとめ

今回は、販売員の姿勢としての課題の分離という内容で記載してみました。

私自身としては、自分と相手、どちらにとっても良い状態を基本目指すようにしています。いわゆる、win-winというやつです。

それは、win-win以外、長く続かないからです。そして、同じ難聴者として、貢献できるところは、貢献したいとも考えています。

しかし、常にコミュニケーションは、円滑に行われるとは限りません。その場合、相手方の言い分も時にはあるでしょう。

そういった時にどうあると良いのか。それは、相手を尊重する事とこの課題の分離です。

特に自分の課題でもないのに自分の課題のように思ってしまうと、相手の課題に土足で踏み込むことになり、自分自身も相手も苦しめてしまうことになります。

そうではなく、自分自身ができることをすれば良い。そのことをアドラー心理学は教えてくれました。つまり、課題の分離をして、自分ができる貢献をすれば良い。ということです。

この点は、非常に勉強になりましたね。また一つ、人としてのあり方を学べた気分です。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、このお店では、実際に補聴器を使っている私自身がご相談を承っています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、実際に補聴器を使っている当事者がご相談を承っています。

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