他の例から見るキーネーシスとエネルゲイア

こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、他の例からみるキーネーシスとエネルゲイアという内容について記載していきます。
少し前にキーネーシスとエネルゲイアについて記載したのですが、キーネーシスとは、目的があり、それについて達成するために努力して、積み重ねる生き方になり、エネルゲイアは、それ自体をすることを目的とした生き方になります。
こちらに関してですが、実は、アドラー心理学 嫌われる勇気のほかにそのようなことを言っている人がいくつかありまして、今回は、そのケースについて紹介していきます。
それは、スティーブ・ジョブズさんとジョン・クランボルツさんです。
スティーブ・ジョブズ(コネクティング・ザ・ドッズ)

スティーブ・ジョブズといえば、あのAppleの創業者として有名ですね。元々、マッキントッシュというパソコンで有名だったのですが、その後、さらにiPhoneを開発し、より有名になりました。
このジョブズさんも実は、エネルゲイア的な生き方をしてきた。そして、そういった生き方をしていくことが大事だ。と伝えています。
スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチで検索すると出てくるのですが、2005年に行われたスタンフォード大学の卒業式スピーチで、”点を繋げることが大事だ”と伝えています。
これはコネクティング・ザ・ドッズということが多いですのですが、点と点をつなげるということを指します。
点と点のつながりは予測できません。あとで振り返って、点のつながりに気づくのです。という言葉は、まさにキーネーシス的な生き方。こういった目標を持って、これをして、これをして、そうすればここに辿り着く。という生き方ではないことを物語っています。
仮にキーネーシス的な生き方をするのであれば、目標を持って、一つ一つそれに沿って点を打つ。と表現し、点と点のつながりは予測できないとは言わないですよね。
エネルゲイア的な生き方の場合は、点と点のつながりは予測できません。今、それをしている時にのちにそれがどのような結果につながるのか。というのを考えながら行うことではないため、点と点の繋がりは予測しようがない。というのがエネルゲイア的な生き方です。
エネルゲイア的な生き方というのは、まさに今ここに集中するための内容であり、未来に向かって、目標に向かってこれをする。という生き方ではありません。
意外にもジョブズさんがそのように考えて生きてきたというのは、感慨深いものがあります。
ジョン・クランボルツ(プランド・ハップンスタンス理論)
恐らく誰?というところから入ると思うのですが、こちらの方は、スタンフォード大学の教育学・心理学の教授の方で、クランボルツさんの疑問は「結果的に成功した人は一体どのようにキャリア戦略を考え、それをどのように実行したのか」こちらでした。
誰だって、惨めな状態で終わるより、より良い生活を求めて良くなりたいはずです。勉強するのも、いい学校に入ろうとするのも、いい会社に入ろうとするのも全てはそうなりたいからですよね。
それに関する論点について初めて本格的な研究をおこなった人がジョン・クランボルツさんです。
この研究では、米国のビジネスマン数百人を対象に調査を行い、結果的に成功した人たちのキャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」であることを明らかにしました。
ここで重要なのが、その80%の方々がキャリアプランを持っていなかった。というわけではなかったことです。
キャリアプランは考えていたものの当初のプラン通りに行かなかったり、様々な偶然が重なることで、別のキャリアを歩むことになった。その結果、結果的に世間から「成功者」と見做される位置にたどり着いた。そういった人が圧倒的に多かったということです。
クランボルツさんはこの調査結果をもとに、キャリアは偶発的に生成される以上、中長期的なゴールを設定して頑張るのはむしろ危険であり、努力はむしろ「いい偶然を招きよせるための日々の習慣が重要である」と結論づけています。
その理論がプランド・ハップンスタンス理論と言われるものです。この理論は、一言でいうと、”主体性を持って、自分が気になることにチャレンジしていく”。ということです。いい偶然を引き寄せるためにですね。
気になる方は、プランド・ハップンスタンス理論について検索してみると良いです。色々とわかりやすく記載されている内容が出てきます。
実は、エネルゲイア的な生き方というのは、さまざまな研究結果からもその有用性を認められてきています。
実際には、有用なのではなく、未来は予測しようがないからということだと思うのですが、研究結果からもエネルゲイア的な生き方が望ましいと出てくるのは、面白いですね。
まとめ
以前にキーネーシス的な生き方、エネルゲイア的な生き方について記載しました。一つの意見として考えていただければとは思うのですが、この考えは、何も突拍子もないような内容ではありません。
ジョブズさんもジョンクランボルツさんの研究でも、それが明らかにされており、未来というのはそもそも予測しようがないから、目標を作っても達成されることもあれば、達成されないこともある。ということです。
なぜそうなのかというと、世界は自分のために存在しているわけではないからですね。もちろん、自分が見れる範囲というのも限りがある点も関係しているでしょう。世界には、いろいろな人がいるというものあると思います。
このように世界というのはとてつもなく多くの要素があるため予測しようがない。というのが現状ですね。だからこそ、キャリア計画やこれを達成する!これをする!と長期的なことを考えても、それは逆効果になる可能性が高くなります。
そのような複雑な世界でできることはなにか。それはエネルゲイア的に生きることだけです。
将来のことなど考えず、今やりたいと思うことをする。今できることをする。それに尽きるということです。
それが結果として点が繋がるかどうかはわかりません。ただ、ジョブズさんのいう通り、後で振り返って、点のつながりに気づくというのは、あると思います。
ということで、他の例から見るキーネーシスとエネルゲイアでした。
現場からは以上です。