対応している人(書いている人)の詳細

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。
このお店では、生まれつき難聴で補聴器を使っている私自身が直接、お客様からのご相談を承っています。
補聴器を使っている当事者側の人が補聴器販売に携わるのは珍しいことだと思いますので、こちらでは、そんな私に関することをまとめていきます。
対応している人(書いている人)
プロフィール
- 名前:深井 順一
- 生年月日:1986年7月1日
- 生まれ:静岡県静岡市葵区
- 育ち:千葉県市川市
私の生まれは、静岡県静岡市になります。
小学校一年生くらいまで静岡の浜松市におり、父の転勤に合わせ、小学校2年生の頃に千葉県市川市に引っ越しました。そこからずっと千葉県市川市に住んでいました。
2007年より補聴器販売店に就職(理研産業株式会社(リケン補聴器センター))。
初めは、東京勤務でしたので、実家(千葉県市川市)から通っていましたが、一時期、神奈川県の横浜の方にある勤務先に変更になり、横浜市の保土ケ谷区にも2〜3年ほど、住んでいたこともあります。
今現在は、東京でお店を運営していることもあり、東京都墨田区に住んでいます。
耳の状況(聴力、病気)
私の耳の状況に関しては、以下の通りです。
- 病名:スティックラー症候群
- 難聴:感音性難聴(生まれつき)
- 発見:幼少期(幼稚園生くらい)
- 聴力:両耳とも中等度難聴
- 装用:補聴器は、小学2年生の頃に使用
- 備考:耳以外に視力低下、骨格の形成不全あり
難聴のみ、あるように思われることが多いのですが、私の場合、スティックラー症候群と呼ばれる何とも聞いたことがない病気になります。
この病気は、聴力低下のほか、視力低下、さらに骨格の形成不全が起こり、きちんと体の中の骨が形成されなくなる病気です。その結果、身長が伸びにくかったり、歩き方が変だったり、全体的な体格が少し歪な状態になります。
ただ幸いにも、難聴以外はさほど気にしていません。

聴力はこちらの通りです。低い音より、高い音の方が聞きにくくなっており、一般的な中等度の難聴(感音性難聴)になります。
このぐらい聞きにくくなっていると補聴器がないと、会話が難しくなってくる頃合いです。

私の場合は、主に耳にかけるタイプの補聴器を使い続けています。
補聴器は、小学2年生の頃からつけ、今現在に至るまでつけ続けています。当時は片耳だけでしたが、19才から両耳に装用し、そこから補聴器がある生活を続けています。
補聴器業界に入った理由
私が補聴器の業界に入ったのは、ただ単に”自分の生活を良くしたい”と考えたからでした。
この言葉だけをみたら、ポジティブに感じる方もいるかもしれませんが、問題は、そのように考えることになったきっかけにあります。
これには、大きく分けると
- 補聴器の失敗
- 聞こえにくいことによる生活苦
の2つがあります。
補聴器の失敗
私の場合は、子供の頃、補聴器のことで3回ほど失敗しています。これは、病院さん側、お店側の方とうまくコミュニケーションをとることができなかった事からでした。
「補聴器を使っていて、こんな感覚があって使いづらいのですが……」と相談しても「慣れるまで使ってください」と解決できなかったり「音が異質に感じて辛いのですが……」と言っても「あなたの聴力に合わせているのだから、これがあなたの正しい聞こえです」と言われたり、対応される方と、とにかくうまくコミュニケーションをとることができませんでした。
私自身も当時は子供ですから、補聴器を使っている状態のことをうまく伝えられなかった点はあると思います。そして、補聴器や耳についての知識がなく、何がどう正しいのか、どのようにすれば良くなるのか、全くわかりませんでした。
さらに、当時はそこまで補聴器に関して進んでいなかったこともあり、耳に補聴器を合わせるというよりも補聴器に耳を合わせるという側面も強くありました。
聞こえにくいことによる生活苦
実は本当の問題はここからで、補聴器のことでうまく相談できず、合わない状態が続いていくと、そのことによる生活苦がたくさん出てくることになります。
小学校の頃はよかったのですが、中学校から私の場合は、大きな挫折をしました。中学校に入ると急に人間関係が複雑になり、周りの人とうまくコミュニケーションできなかったり、聞きづらいことで、揶揄われること、いじめのような感覚になることがかなり増えてしまいました。
その事から私は、実際に学校に行かなくなり、中学校は、半分ほど不登校になっています。
幸い、高校は、全く別の環境になりましたので、学校生活は良くなったのですが、今度は、アルバイトで挫折することになります。
アルバイトの時は、耳のことをあまり考えず、飲食店で働くことになるのですが、周りが騒がしいと、ガチャガチャ、ざわざわした感覚が強くなり、店長や周りの方の指示が聞こえづらく、やらかすことが多々ありました。
自分としては真面目に一生懸命やっていたのですが、頑張っても聞きづらく、その事でうまく仕事ができない状況が続いたことで、この頃は、挫折以上に絶望を感じました。
そして、アルバイトですらこうなると、就職はどうなるんだ?とも思いました。この時、私は、その事実から逃げるように、その後アルバイトを辞めることになります。
ただ、自分の生活を良くしたい
私は子供の頃、こういった経験をしていますので、自分の原動力は、”ただ、自分の生活を良くしたい”。ここが強くあります。
この点は、中学校、高校(厳密にはアルバイト)で聞きにくいことで生活苦になり、大きな挫折をしたこと。ここが特に大きいです。
当時、自分なりに耳のことを調べ、感音性難聴は治すことはできない。ここについては知っていました。
しかし、治すことはできないにしてもなるべく良い状態にしたいと考えていました。状況を少しでも良くできれば、それだけ自分の生活を良くすることに繋がるからです。
その後、どのように良くしていくか。を考えたのですが、上記の通り、私はあまり相談場所とうまくコミュニケーションが取れず、そこでも挫折しています。その事から、自分自身で耳や補聴器のことを学ぶことを考え、この業界に入りました。
あまり良いきっかけではないのですが、私の場合は、こういったきっかけで入ることになります。
補聴器販売者としての内容
経歴とお店設立のきっかけ
- 従事:2007年より、補聴器販売に従事
- 独立:2016年2月
- 備考:一時期(2年程)離れていた時期あり
2007年に理研産業株式会社(補聴器の販売会社)へ入社。そこで、7年ほど認定補聴器技能者の元で、勤務しました。
上記の通り、私は”自分の生活を良くしたい”という想いだけで仕事(と勉強)をしていましたので、自分の状況を一通り改善できるようになった後、補聴器の業界を辞めました。
そして、Webで調べ物をしていた時、ふと「聞きにくさの改善方法を誰でも知れるようになったら、もっと良くなる人も増えるのかな?」と思い、2014年頃から書き始めたのが、このブログの始まりです。
自分と似たような人がいるのかはわかりませんが、そのような方になんらかの形で役に立てば、それは良いことだろう。と気楽に考え、始めてみると、それを見た方々から連絡いただくことがちょこちょこ増えてきました。
初めはメール相談のような形で対応していましたが、メールのみの相談ですと、相談される方の耳の状況や補聴器での改善状況がほとんどわかりません。
もちろん、私の方で把握する方法もなく(聴力を調べたり、補聴器での改善状況を調べる事は遠隔ではできません)、さらにもう補聴器のことはやめているので、自分で対応することもできません。
その事から結局「元の所で相談してみてください」としか、言えませんでした。補聴器の場合、使用者側が補聴器の設定を変えたり、工夫することでより良くすることがほとんどできないからです。
しかし、その後、元の相談場所で相談しても一向に埒が明かないケースや思うように相談できず、その問題そのものの解決に繋がらないケースが続々と出てきてしまいました。
そういった失敗が続いてしまい、そこから「その状況をなんとか改善する方法はないか」と考え、その結果、お店を立てることになります。
意外かもしれませんが、私がお店を作ったのは、お店を作りたかったからではなく、このような成り行き上になります。
自分のパーソナリティとお店
私の中にある原動力、もっというと欲は、”ただ、自分の生活を良くしたい”。ここでした。
そのために私は耳のこと、補聴器のことを勉強し、自分で聞こえを改善しました。この場合、あくまでも私のパーソナリティは、補聴器の専門家というよりも聞こえにくいことや補聴器のことで苦労した一人の難聴者。という表現の方がしっくりきます。
聞こえにくいことによる生活苦の改善。ここが私の原点です。
しかし、私としては、気になることもありました。
自分自身の生活(人生)がかかっていますので、生活を良くすること、聞こえの改善に関する知識、技術はあるものの、果たして、このような特殊な経験をしている人間が、この業界、世界で必要とされているのだろうか?それがよくわかりませんでした。
そこで、実際にいろいろな方を対応して話を聞いてみることにするのですが、その際に言われたのは、
「お店をやっている方が難聴の人だったので、きっと気持ちをわかってくださると思ったから」「難聴や補聴器使用している方の気持ちがわかる方だと思ったので」「深井さんが実際に補聴器を装用しているということで補聴器の相談がしやすいと考えたから」
このような言葉でした。
また難聴の方のご家族に言われたのは「深井さん自身が補聴器のユーザーで、補聴器を使用する人の身になって考えてくださりそうだと感じたから」「聞こえない側の状況や気持ちがわかる方だと母が辛いと感じている点を理解していただきやすいと思ったから」このような言葉もありました。
このような言葉をいただいた時、「こんな貢献の仕方があるんだ!」と軽く衝撃を受けました。
実際に私自身が補聴器を使っている人だからこそわかること、できること。そして、難聴者だからこそわかること、できること。私からすると生まれつきなので当たり前のことなのですが、そこを価値として感じている方が結構、多くいらっしゃいました。
お店をやっている人が補聴器を使っている人、難聴の人であれば、聞こえにくい側の状況やお気持ちがわかりやすい。
そのような気づきを得たあと、ここを中心にお店について考えました。
使っている人、難聴の人だからこそ、できることをする。補聴器の事で苦労した人だからこそできることをする。私のパーソナリティがそこにあるのであれば、そこを中心に考える方が、お困りの方に貢献できるのではないかと今現在は思っています。
これがこのお店の特徴であり、そして、私自身になります。
- 備考:パートナーズ補聴器の特徴
- 備考:お問い合わせページ
資格(補足)
一つ補足として、補聴器に関連する資格に関して記載していきます。
資格としては、医療機器の販売および貸与営業所管理者の資格のみあります。
補聴器には、認定補聴器技能者という資格があるのですが、こちらに関しては、今現在、講習を受けつつ取得中となります。