補聴器のOSって何?

深井 順一|パートナーズ補聴器

今現在、補聴器には、OSと呼ばれるものがあり、こちらは、そのままの意味で、オペレーションシステム、iPhone(iOS)とか、Windows(XP、10など)の中にあるものと同じニュアンスになります。

補聴器は、このプラットフォームと呼ばれるものでも機能は異なるようになっています。選ぶ要素としては、依然として、補聴器の形状、補聴器の性能の2つになるのですが、最近、このOSも加わるようになりました。こちらに関しても載せていきます。

なお、結論からお伝えしますと、OSは、今現在、一番新しいものを選べば基本的には、問題ありません。

補聴器の性能は、何で決まるのか

まず、大事な要素として、補聴器の性能は、何で決まるのか。ということがあります。

これは、補聴器の中に入っているICチップと呼ばれるもので決まります。

フォナック補聴器さんから引用

パソコンで例えるとCPUのようなものなのですが、このICチップの性能によって、補聴器の機能は、ほとんど決まってしまいます。

今現在、補聴器は周囲の音を聞き、様々な音の処理をしながら聞こえを改善しているのですが、そのためには、高度な処理ができるICチップが必要になります。実は、補聴器ができていることはまだ少なく、まだまだ、より高性能なICチップが必要な状態です。

ICチップの性能は、高ければ高いほど、音をバランスよく改善したり、より細かく音を抑制できたり、必要な部分だけ音を抑制し、音声になるべく影響を与えないようにしたり……とさまざまな役割を果たしてくれます。

OSの例。状況によって変化します。

補聴器の中には、上記のようにOSというものがあり、それぞれの形、性能(グレード)が分かれています。そのOSについては、中に入っているICチップの性能やバージョンによって、OSが一つずつ、上がってきます。

このOSというのは、なんとも捉え難いものなのですが、OSは最新式のものであればあるだけ、聞こえの改善度、さらには、騒がしい中での聞き取りなどに関しても、なるべく効果的に抑えてくれるなど、変化があります。

OSという言葉の通り、オペレーションシステムそのものがよくなると補聴器の性能もまた一つ上がるようになります。

OSが上がるとき

OSは、基本的に新しい新製品が出るたびに上がってきます。ここの表現は非常に難しいのですが、iPhoneのように古い機種を持っていても自動的に中のOSをバージョンアップしてくれるなどではなく、新製品として、新しいOSの製品として発売される状態です。

補聴器におけるOSは、ソフトではなくハードの部分です。ICチップがハードになりますが、このICチップの性能が良くなると良くなるほど、複雑な演算処理などができるようになるため、その度にOSが新しくなります。(ICチップを良くすることとOSは、セット)

新製品として、出る場合というのは、大きく分けて、中に入っているICチップを大幅に良くするタイプか中の設定をアップグレードしたタイプの2つに分かれます。

補聴器は、だいたい2年に一度ぐらいのペースで新しいものが発売されますので、その度により良くなる、聞こえの改善から騒がしい中での聞き取りの改善をなるべくしやすくするように変えてくれます。

聞こえの改善とOSの関係

ここからは、おまけで一つ記載したいのですが、それは聞こえの改善とOSの関係です。

基本的にOSは、新しいものの方が聞こえの改善がしやすくなります。補聴器における聞こえの改善とは、

  • 低下した聴力のところに音を入れ、正常の範囲に近づけること
  • 様々な音に邪魔されて聞きづらくならないように抑制機能を向上すること

の2つがあります。

今現在、補聴器はまだまだ正常の範囲にすら聞こえの改善ができていません。例えば、以下のものは、聴力図と同じ見方をするのですが、それで表現すると、このようになります。

補聴器における聞こえの改善は、聴力ベースで見ると、一般の人の聞こえに届くどころか、正常の範囲にも届いていない。

今現在、改善度が良い状態で(聴力にもよりますが)30dB、25dBぐらいになります。つまりギリギリ、正常の範囲(0〜25dBが正常の範囲)に届くか、届かないかぐらいになります。

また、聞こえの改善度を上げたとしても、補聴器の問題の一つは、周囲の音に邪魔されてしまって聞きづらくなってしまうことです。これは、難聴になると、音の区別、識別がしづらくなってしまい、特に騒がしい環境下では、様々な音に遮られてしまい、理解しづらくなります。

そのことから、聞こえの改善をすることの他に抑制機能を向上させ、なるべく騒がしい環境下で聞きづらくならないようにしています。

そして、OSにより、この両方の機能が向上します。ですので、OSは新しいものの方が基本、聞こえの改善度は良くなります。

昔の補聴器でも十分に聞こえが改善されるのであれば、それでも良いのですが、補聴器はまだまだ健聴の方の聞こえに遠く及びません。ですので、聞こえの改善を重視される場合は、OSが新しいものの方が良くなります。

まとめ

OSについて、簡単にお伝えしてみました。上記に記載した通り、基本的にOSは新しいもののほうが良いです。

そちらの方が聞こえの改善度も騒がしいところでの聞き取りなども良い状態にしやすくなります。

実際には、お財布と相談の部分もあるかと思いますが、あまり過去のものを買うメリットはない状態になりますので、少々お高くなるかもしれませんが、新しいもののほうが聞こえの改善には貢献しやすくなります。

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