補聴器のFAQ

音が辛く感じる場合の軽減方法

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

補聴器を装用している方の中には、一部の方で、聞こえてくる音が辛く感じるケースがあったりします。

そのような場合、状況にもよりますが、自分自身がどのぐらい音が大きくなると辛く感じやすいのか。を調べ、その範囲を超えないように、音を調整できるのようになると、その辛さを軽減しやすくなります。

音が辛く感じやすい方には、

  • 突発性難聴の方
  • メニエール病の方

の一部に見られることがあります。

今回は、音が辛く感じる場合の軽減方法について、記載していきます。

不快閾値を調べ、辛さを軽減する

耳には、聴力検査以外にも、不快閾値測定(ふかいいきち測定)。というものがあります。

これは、どのぐらい音を大きくすると、辛く感じるのか、という部分を調べられる測定です。

仮に聴力自体は、よく測れていて、でも補聴器で聞こえを改善しようとすると、だいぶ音が辛く感じてしまう。という場合は、この測定を行い、どのぐらい音が強くなると、自分は、辛くなってしまうのか。その点を把握できると良いです。

このような傾向が出やすいのは、突発性難聴によって聴力低下した方だとか、あとは、メニエール病の方などで一部、私の方で経験した事があります。

このような耳の方の場合、聴力は下がっているのに、なぜか大きい音の許容範囲は、聴力が下がる前より、下がる。という状態になる事があります(全員がなるとは、限りません)。

その場合、どのぐらい音を大きくすると辛くなってしまうのか。の、上限を調べ、そこまで音を大きくしないようにする事で、辛くなってしまう感覚を軽減する事がしやすくなります。

その上限を調べるのが、先ほどの不快閾値測定です。

測定後、その情報を補聴器に教える

補聴器には、聴力を入力する事の他、先ほどの不快閾値の数値を入力するところがありますので、それを入力することにより、

上限。上限とは、黒い線の部分ですね。そこのところが不快に感じる部分まで大きくならないように設定してくれます。

黒い線の部分は、補聴器の最大出力と言われる部分で、最大出力とは、そこまでしか音を大きくしない。という出力の制限の事です。

ここを抑えることにより、聞こえは、改善するけれども、音の制限は、ここまでしか出さないようにして、辛くならない範囲の中で、聞こえの改善する。という事が可能になります。

もし、仮にちょっと辛く感じる傾向がある場合は、こういった不快閾値というものを測ってもらって(病院さんでも補聴器屋さんでも測ってくれます)、より良い状態にしてもらえると良いです。

もちろん、このお店でも行なっており、こういった傾向がある方は、不快閾値を測定して、なるべく辛くならないように音を設定し、その中で、聞きにくさの改善も行なっています。

音が辛く感じる場合、なかなか使いづらい状態になりますので、補聴器は、使いやすい状態にする事が大事になります。

まとめ

仮に全体的に辛く感じやすい。もしくは、一部の音がかなり強く感じやすい。という場合は、不快閾値を調べ、それを反映する事をお勧めします。

するとなるべく聞き取りを変えず、不快な音の部分のみ下げやすくなります。

一応、このようなケースの場合、単純に補聴器の音量を下げる。というやり方もあるのですが、それをすると、聞こえの状況が下がってしまうことが多くなってしまいますので、なるべく聞こえの効果を下げずに、不快な部分を軽減したい場合は、上記のようなことができると良いです。

特に注意したいのが、突発性難聴の方とメニエール病の方、そして、特発性の感音性難聴の方でしょうか。

全員が全員、そのような耳になるわけではないのですが、後天性の難聴。生まれた時は、普通に聞こえていたけれども、何らかの要因により、途中から聞きにくくなってしまった方ですね。

そのようなケースの中には、かなり音に関して過敏に感じる方もいらっしゃいますので、そのようなケースは、耳の状況を一度、把握され、細かな部分を調整して耳に補聴器を合わせる。

というより、どこまでは、音を出してよく、どこからがアウトなのか。それを調べ、システム的に調整できると、その辛さを軽減しやすくなります。

不快閾値を調べないと、どこまではセーフでどこからがアウトなのか、わかりませんので、まずは、耳の状況を理解して、そこから調整する。という流れが大事ですね。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で7歳の頃に補聴器を使用、補聴器の販売会社へは2006年に就職し、7年間勤め、2年間の空白と準備期間を経て、2016年に独立。2024年現在、補聴器使用歴は31年、補聴器販売業の従事歴は16年、お店の継続歴は8年に。現在は120名以上の既存のお客様のサポートと、どのようにしたらより聞こえを改善できるのかの勉強、試行錯誤をよくしています。
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