補聴器のFAQ

補聴器の調整をうまく行かせるポイントは?

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

補聴器で聞こえを改善していく上で、聞こえの改善に大きく影響するのが、補聴器の音の調整です。

これは、どこまで聞こえを改善するか。という根本的な部分になるのですが、この部分が聞こえの改善に大きく関係してきます。

では、この補聴器の調整をうまく行かせるポイントは?というと、

  • 聞こえの改善状況を可視化できるように
  • 改善目標値と現状の状況を比較できるように

この2つがあります。

これらの事ができると、補聴器での聞こえの改善状況をより良くしやすくなります。

改善のポイントは、可視化する事

初めに結論から記載しますと、改善のポイントは、可視化する事です。

その理由は、

  • 補聴器をつけるだけでは、状況がわからない
  • 感覚だと、改善できる所と、できない所がわかりづらい

の2つがあります。

補聴器をつけるだけでは、状況がわからない

大事なポイントとして、補聴器を装用することによってわかるのは、感覚だけである。という点です。

補聴器をつけることにより、どんな風に音を感じるのか。聞こえてくる音が、大きいのか、小さいのか。こういった感覚は、わかります。

しかし、その聞こえている感覚が、自分の聴力からして、改善できると良いところまで、改善されているのか。

さらには、まだまだ改善値としては、足りておらず、もっと補った方が良いのか。という客観的な部分は、残念ながらわかりません。

この点は、実際に補聴器を使っていただくと、よりわかりやすいかと思います。

感覚だと、改善できる所と、できない所がわかりづらい

もう一つは、補聴器を使った感覚だと、改善できる所と改善できない所が非常にわかりづらい。という特徴があります。

補聴器は、残念ながら、耳を治す事ができない。というのは、事実なのですが、じゃあ、どこまで改善できると良いのか。という部分がわからないと、この聞こえの状況は、良いのか、悪いのかの判断がしにくくなります。

補聴器での改善度をあげる場合に有効なのは、どこまで聞こえを補えると良いのか。その目標を理解し、できるだけ、その目標付近まで、改善させる事です。

その目標と現在改善できている数値。それが把握できるようになると、足りない所は、どこなのか、そして、足りている所は、どこなのか。それがわかり、仮に足りない所があった場合にどれだけ補えれば良いのか。それもわかるようになります。

可視化する事ができるようになると、現状がわかりやすくなりますので、それにより、聞こえの改善度は、上げやすくなります。

補聴器の改善状況を見れるもの

では、補聴器の改善状況を見れるものは?というと

  • 補聴器の調整画面
  • 音場閾値測定

の主に2つがあります。

補聴器の調整画面

補聴器の調整画面は、補聴器を調整する際に出てくる画面です。

この画面では、

  • 今現在の補聴器での聞こえの改善値
  • 聴力からして、どこまで改善できると良いかの目標値

の2つが提示されている事が多いです。

上記の画面にも、現状値と改善目標値の2つが表示されています。

こちらは、主に補聴器屋さん(調整する側)が見る画面ではありますが、場所によっては、こういったものを見せてくれたり、聞こえの改善のポイントを説明してくれるお店もあります。

音場閾値測定

補聴器の世界には、補聴器を装用した状態を可視化できる測定もあります。

その一つがこちら、音場閾値測定というものです。

こちらは、簡単にいいますと、聴力検査の補聴器版のようなもので、補聴器を装用した状態で、色々な周波数を調べ、どんな風に現状、聞こえているのか、を把握します。

改善目標値は、セルフになりますので、調べていただいた販売店さん(調整する側)に目標値を聞けると良いです。

こちらの測定は、よく行なっているお店と、そうでないお店があり、目標値もセルフになりますので、そこのところの差が出やすい測定になります。

改善を可視化し、感覚と数値のバランスをとっていく

聞こえの状況を可視化できると何が良いのか。これは、感覚と数値のバランスを取りやすくなる事です。

例えば、このような聞こえの改善状況だったとしましょう。

おおよそ、目標の値まで、改善されていて、さらに、補聴器を使用した状態は、音が大きくすぎる訳でもなく、小さすぎる訳でもない。このような状況ですね。

そのような場合は、だいぶ良い状態です。

聞こえの改善目標値まで、おおよそ聞こえの改善ができており、さらに、補聴器を長く使っていても、問題なければ、すごく良い状態になります。

次は、このようなパターンです。

改善目標値と比較すると、少し足りておらず、しかし、これぐらいで使うのが、限界で、これ以上、音を大きくすると、ちょっと辛くなってしまう。とします。

その場合は、このまま使える状態で使っていただき、仮に、その音に慣れ、かつ、もう少しあげても良い状態になったら、再度、調整して、より改善させる。という風に考える事もできます。

このように聞こえの改善状況と補聴器を使った時の感覚が比較できるようになると、自分自身、どう改善すると良いのか。の指針を立てやすくなります。

聞こえの改善と音を感じる感覚。このバランスを立てやすくなるのに必要なのが、聞こえの改善状況の可視化になります。

まとめ

補聴器の調整に関して、なるべく良い状態にしていくには、可視化する事が不可欠です。

可視化しないと、そもそも、良い状態になっているのかわからないですし、どこまで、聞こえを改善すると良いのか。その指数がわかりません。

ですので、可視化しつつ、あとは、補聴器を使っている感覚と相談しながら、どこまで、改善するのか。そういったご相談ができるようになると、補聴器の調整に関しては、詰めやすくなります。

もし、なるべく良い状態にしていきたい場合は、何でも良いので、可視化して、聞こえを改善していくようにしましょう。

そのように”聞こえを改善するベースを整える”という事が非常に大事です。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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