補聴器のサポート

補聴器の買い替えのタイミングと知っておけると良い事

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

補聴器をある程度使っている方からすると、次の補聴器に関して、気にされている方がいるかもしれません。

今の補聴器にどのぐらい満足しているのか。によっても変わってくるのですが、補聴器の買い替えに関しては、5〜6年に一度。このぐらいのペースで、買い替えができると良いです。

このようにいうと、もしかしたら、補聴器を勧めているように感じるかもしれないのですが、大事な事は「補聴器を買う」という事ではなく「自分は何のために補聴器を使っているのか」をしっかりと考える事です。

こちらでは、買い替えに関する基本的な知識と実際に補聴器を使っている私自身の考え。この2つに関して、記載していきます。

買い替えの基礎知識

はじめに基礎の部分から記載していくのですが、その際、知っておけると良いのは、

  • 買い替え年数は、だいたい5〜6年に一度
  • 新しい補聴器は、約2年に一度のペースで出る
  • 補聴器は、修理して使い続ける事ができる(限度あり)

の3つです。

買い替え年数は、だいたい5〜6年に一度

まず、補聴器の買い替え年数は、だいたい5〜6年に一度になります。

精密機械を耳という湿気が多い場所で使い、さらに外気に常にさらされてしまうので、すごい勢いで機器が消耗します。

ですので、そういった部分を加味して、だいたい平均5年。という風に言われます。

あくまでも、だいたいの感覚ですが、補聴器に関して変えるペースは、3〜4年で変える方から、長い方だと、7年、8年。もっと長い方だと、10年とか使っているケースもあります。

補聴器の場合は、良いものほど、長く持つ。という事は基本的にありません。

家具とかだと、高いものは、使っている素材がそもそも違うので、長く持つ。というケースもあると思うのですが、補聴器は、使っている素材、原料は、同じですので、基本的にそのような事は、ありません。

ですので、たまに8年とか9年使用されている方もいるのですが、あまり補聴器自体が耳に合っていなかったりするケースもちらほら見られたりします。長ければ長いだけ音の劣化がしやすくなる傾向がありますので、その点に注意する必要があります。

このようになってしまった場合、できれば、それでもできる範囲で耳に合わせるなり、その状態のものを長く使うのではなく、新しい補聴器で耳に合わせたものを使っていただいた方が良いです。

補聴器の買い替え年数は、だいたい5〜6年に一度。目安としては、このぐらいで考えられると良いですね。

新しい補聴器は、約2年に一度のペースで出る

今現在の補聴器は、約2年に一度のペースで、新しい補聴器がでます。

正直、新型コロナウイルスにより、現在は、少し遅れ気味、開発期間がまた長くなりがちになっていますが、そこを加味すると、だいたい、2〜3年に一度、このぐらいのペースで出ています。

※補聴器メーカーは、大半がヨーロッパにあり、ヨーロッパは、新型コロナウイルスにより、大変な状況になっていましたので、現在は、少々、遅れ気味です。

補聴器の性能は、基本的に中に入っているICチップと呼ばれるパソコンでいうメインコンピューター、CPUのようなものがあるのですが、この性能が上がると、上がるほど、飛躍的に性能が良くなります。

最近の補聴器は、補聴器。というより、耳につけるパソコンみたいなもので、この性能を上げることに各メーカーは、躍起になって、開発している状況です。

処理できる量が多くなると、単純に音の明瞭性や騒音抑制の質を良くしたり、さらに指向性と呼ばれる聞こえる音の範囲を抑制する機能など、処理できる量が多くなる事によってできる事は、多くなります。

最近のパソコンも性能の飛躍がすごいと思いますが、これは補聴器も同様で、そういった経緯から、約2年に一度、新しい新製品が出る。というような状況です。

ですので、5〜6年に一度、のペースだと、今使っているものの世代が、2個かあるいは、3個先のものを買う。というようなイメージですね。

補聴器は、修理して使い続ける事ができる(限度あり)

ここで補足なのですが、基本的に補聴器は、修理して使い続けられる製品です。壊れたら終わり。という訳ではありません。

この修理の期間は、その製品が販売中止をしてから、5年間は、部品の供給がありますので、その間は、修理をして使い続けることができます。

逆にその期間を過ぎると修理できなくなり、その後、壊れた場合は、修理する事はできなくなります。ここに注意ですね。

製品が世に販売され、だいたい5年ぐらいは販売しているのですが、その後、販売中止になり、その販売中止の後の5年間は、部品供給していますので、それが過ぎれば、修理不能。という状況になります。

ここは、覚えておけると良い基本的な部分ですね。

個人的な買い替えに関する考え

ここからは、私が考えている買い替えに関する事を記載していきます。

それは、

  • 買い替えは、5〜6年に一度は、できると良い
  • 予備がない人は、初めだけ、4〜5年で買い替える

の2つです。

買い替えは、5〜6年に一度は、できると良い

あくまでも私自身の考えですが、私の場合は、買い替えは、5〜6年に一度できると良いと考えています。

「補聴器販売店にいるので補聴器を売りたいんでしょ?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。ここは、「なんのために自分は補聴器を使うのか」これを考えていただきたいのです。

例えば、私の場合、補聴器を使っている理由は、自分の人生を充実させたいからです。

聞こえにくい状態だと、聞こえにくい事で諦めてしまうことがあったり、単純に人とコミュニケーションができなくなってしまいますので、自分がしたいこと。それは大きく制限されてしまいます。

ここは言い換えれば、補聴器が先に来ているのではなく、私の場合は、自分がしたい事。自分がどういう風に生きていきたいのか。という事が先に来ている。という事です。

自分が「こう生きたい。こういった生活を送れるようになりたい」と考えているので、それに必要なものは何か、を考え「それだと聞こえを改善することが大事だな。補聴器が必要だな」で、補聴器をつけている。というだけに過ぎません。

もし、単純に補聴器を買うことだけを考えているのであれば、8年でも10年でも、使い、壊れるまで使った方が、制約できるでしょう。

しかし、仮に私のように「自分の人生を充実させたい」と考えている場合は、どんどん聞こえの改善をアップデートして、自分の状況を改善していった方が、その目的は果たしやすくなります。

さすがに新製品が出るたびに、言い換えれば、2年単位で、何十万は、かけられないのですが、5年に一度ぐらいのペースで、自分の聞こえの改善をアップデートし、より自分の人生を充実させる。そうした方が自分の目的にかなうな。と考えています。

この点は、補聴器を使っている方が「何のために補聴器を使っているのか」で考え方は、違います。

自分は何のために補聴器を使っているのか。そこから買い替えのペースを考えられると良いです。

予備がない人は、初めだけ、4〜5年で買い替える

2つ目は、こちら。予備がない人は、初めだけ、4〜5年で買い替える。というものです。

簡単に言いますと、新しい補聴器を少し早めに買い、今使っている補聴器は、予備にして、何かあった時に使えるようにしておく。という考えですね。

補聴器をよく活用している人にとって、補聴器はなくてはならないものです。補聴器がないと聞こえにくいだけではなく、聞こえにくいことによる不安も大きくなってしまいますので、そういった方には、予備を作っておけるとベストです。

ただ、さすがに初めから、補聴器を2セット。両方の耳に使うものを2セット購入する。という訳にはいきませんので、初めて補聴器を購入したものを今現在、使われている場合は、それを4年ぐらいで買い替えてしまい、何かあった時に予備として使える状態にしておけると良いです。

この点は、特に耳あな形補聴器を使っていて、補聴器がなくなると困る。使えなくなると非常に困る。という方は、4年ぐらいで買い替えられると良いですね。

今の補聴器が使える状態で買い替える。というのがポイントで、ボロボロに使い古した状態にしてしまうと、何かあった時の予備として、機能しづらくなる事があります。

予備の補聴器は、こういった乾燥ケースの中に保管しておけると長持ちしやすくなりますので、このようにして、何かあった時の予備を作っておけると、だいぶ安心感が上がります。

予備が1セット作れれば、その後は、上記と同じように5〜6年に一度、買い替えられると良いです。

このように「自分が困りにくくなる環境を作る」ということを意識していきましょう。

まとめ

こちらでは、補聴器の買い替えについて、記載してみました。

もしかしたら、こちらの内容は、他の補聴器屋さん、あるいは、聞いていた内容とは、だいぶ毛色が異なるかもしれません。

私自身は、実際に補聴器を使っている人間ですので、その観点も入れて、こちらでは、記載してみました。

大事なのは、補聴器を買うタイミングはいつかな?というような漠然とした意識をするのではなく「何のために自分は補聴器を使うのか」この点に関して、自分なりにで良いので、しっかり考える事です。

私の場合は、「難聴の体でも充実した人生を送れるようになりたい」こう考えています。

ですので、それであれば聞こえの改善は大事だし、できる範囲で投資していく必要があるな。と思い、5〜6年に一度は、買い替えられると良いと感じています。

もちろん、お金に余裕があるのでしたら、4年に一度考える。あるいは、今使っている補聴器より、2世代ぐらい先が出たタイミングで買う。でも良いですね。

一般的に言われている年数はあくまでも目安に過ぎません。「自分は何のために補聴器を使うのか」そこを考えることの方が大事です。そこから、どうしていくと良いかを考えられると、自分の目的、そこを果たしやすくなります。

という事で、本日も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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