補聴器のFAQ

補聴器は、8:2の法則(パレートの法則)を意識しよう

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

補聴器でもし聞こえの改善をしていきたいと考えているのでしたら、意識していただきたいのは、パレートの法則になります。

これは、よく8:2の法則だとか、人によっては、78:22の法則だとか言われるものですが、簡単に言いますと、全体の2割が8割の成果を出す、と言われるものです。

ビジネスの世界や仕事の世界ではよく使われる言葉で、全体の2割の商品が8割の売上を出す、全体の2割のお客さんが8割の売上げ、あるいは、利益を出すなど、色々なところで使われているものです。

で、実は、補聴器にもこのパレートの法則が当てはまりまして、補聴器の成果は、ある部分により、8割がた成果が決まります。

その要素がまさに耳の補い方と補聴器の調整の2つになるのですが、こちらでは、補聴器に関する全体像から、補聴器版パレートの法則に関して記載していきます。

補聴器における2割の部分は?

補聴器において相談していく要素、そして、選択していく要素には、

  • 耳の補い方
  • 補聴器の形状
  • 補聴器の性能
  • 補聴器の調整

の4つの部分があります。人によっては、これに補聴器のメーカーが入り、4つか、5かぐらいが、補聴器で相談したり、選択していく要素になります。

このうち、パレートの法則、全体の2割が成果の8割を占める、と言うものに関しては、

  • 耳の補い方
  • 補聴器の調整

の2つが当てはまります。上記の通りですね。

耳の補い方とは?

で、耳の補い方とは、主にどのような耳に補聴器をつけるのかになります。

右側につけるのか、左側につけるのか、それとも特殊な状況なので特殊な補聴器を使うのか。こういった部分になります。

ここで大事なことは、補聴器はどのような耳の状況でもどのような聴力でも一定の効果を発揮する。というわけではないことです。

ですので、中には補聴器をつけても効果がまるで得られない耳、補聴器の効果が薄い耳というのもあります。

だからこそ、そうなる前に補聴器を考える必要性があったりするのですが、それは、補聴器をつける耳の状況によって補聴器の効果がほぼ決まるからです。

その事から言えるのは、効果が出る耳の補い方をすること。ここに尽きます。

この方法は、残念ながら、耳の状況によって変わりますので、ここでは、一概に言えないのですが(人によって耳の状況が違うので)、大事なことは、効果が出る耳の補い方をすることになります。

補聴器の調整とは?

補聴器の調整とは、まさに低下した聴力のところに音を入れて、聞こえを改善する作業そのものになります。

補聴器は聴力に合わせて聞こえを改善していくのですが、ここでどのぐらい聞こえを改善できたのかによって、聞こえの改善効果が決まります。

ここに関しても、大事なことは、一言でいうと効果が出る補聴器の調整の仕方をすること、になります。

今現在、聴力別にどのぐらい聞こえを補えると良いのかはある程度わかってきており、私の方から言えるのは、ご自身の聴力からどのぐらい補ていると良いのかの目標値を知ること、そして、今現在、どこまで聞こえを改善できているのかの状況を把握すること、ここになります。

補聴器を耳につけても聞こえている感覚こそわかるのですが、どのぐらい聞こえが改善できているのか、そして、その状態は、ご自身の聴力から目標となる部分まで改善できているのかは、感覚ではわかりません。

ですので、こういったものを可視化しながら、現状を把握すること、そして一つずつ、その部分を埋めていくこと、周波数別に一つずつ改善していくこと、ここが大事になります。

人によって聴力も違えば、音の感じ方も違いますので、抽象的なことしか言えないのですが、意識できると良いのは、ご自身の聴力からそもそもどのぐらい改善できていると良いのか、そして、それに対して、自分はどのぐらい改善できているのか、になります。

一つ一つ埋めていけると、聞こえの改善はしやすくなります。

まとめ

仕事の世界では、よくパレートの法則、8:2の法則が言われたりするのですが、補聴器の世界にももちろんあります。それが、補い方の部分と補聴器の調整の部分です。

この全体の2割の部分が8割の成果に影響する、ということですね。

これらの部分は、補聴器のカタログの部分には載っていない部分になりますので、なかなかイメージしづらい方は、イメージしづらいかと思いますが、こういったところに関しては、押さえておけると良いです。

文章をご覧いただいたとしてもご自身で聞こえを改善するわけではありませんので、役に立たないように感じますが、大事なのは、こういったことを知り、相談する場所で、こういったところをきちんと相談していただくことです。

そのようにできれば、自ずと良い状態にはしやすくなるかと思います。

なお、補聴器はどのようなことをしても耳が治るわけではありません。ですので、上記のことをしても全ての不便さがなくなる訳ではありません。

しかし、きちんと補うようにできれば、それなりに改善できる部分もあり、補聴器が生活を支えてくれるようにもなります。

なるべくご自身の不便さをなくしていきたいとお考えの場合は、このパレートの法則を意識しましょう。仕事でもそうですが、全ての部分が大事になる、成果につながる、ということは基本的にはありません。

時間も有限になりますので、全体の2割の部分が8割の成果を決めるのであれば、8割の部分は、ほどほどにしておいて、成果に影響する2割の部分に集中し、良くしていきましょう。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で7歳の頃に補聴器を使用、補聴器の販売会社へは2006年に就職し、7年間勤め、2年間の空白と準備期間を経て、2016年に独立。2024年現在、補聴器使用歴は31年、補聴器販売業の従事歴は16年、お店の継続歴は8年に。現在は120名以上の既存のお客様のサポートと、どのようにしたらより聞こえを改善できるのかの勉強、試行錯誤をよくしています。
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