片耳のみ難聴(聴力低下大)を補聴器で改善する
こちらでは、片耳のみ難聴で、難聴側の耳が大きく聴力低下している場合において、どのように改善していくと良いかをまとめていきます。
仮に片方の耳のみ難聴で、その耳側が大きく低下していたり、補聴器をつけても聞こえを補えないような耳の場合、その耳に補聴器をつけるのではなく、クロス補聴器という少し変わった機器で改善できると良いです。
こちらでは、片方の耳のみ難聴でその耳側が大きく損傷してしまっている方における補聴器による改善に関して、全体像から各内容までまとめていきます。
片耳難聴の状況
こちらで対象になるのは、主にこのような聴力の方です。片方は、問題なく聞こえており、もう片方が全然、聞こえない。という状態です。
聴力に関して記載させていただきますと、0〜10dBが一般の人が聞こえている音の範囲で、0〜25dBが正常の範囲になります。そこから下がると下がるほど、難聴になり、そのレベルにより、聞こえづらさが変わってきます。
このようなケースは、まさに片方の耳は、健聴で聞こえており、もう片方は、全く音を感じないというある意味、極端な聞こえになります。
このような方の場合、起こるのは、このような部分です。基本的には、聞こえない耳側から話された時にわからない、呼ばれた時に気が付かない、ということが起こりやすくなります。
正面でお話ししてくれるケースや静かなところで会話する分には、ほとんど問題がないのですが、騒がしい環境や会議、聞こえにくい側に人が来たり、その人との距離が離れたりすると急に聞きにくさが強くなってきます。
特に聞こえる耳側に人が来るような状態にできない場面、シーンなどもありますので、そういったケースにおいては、だいぶ精神的にもキツくなってきやすくなります。
また、もう一つの特徴としては、音の方向感覚が得られない、というのがあります。音の方向感覚は、両方の耳が聞こえて初めて得られることもあり、片方のみ難聴の方の場合は、それを得ることができません。
主には、人が聞こえにくい側に来られたりすると、困ることが増えてきやすいのが、このような聴力の方の特徴になります。
片方だけ聞こえていれば問題なく聞こえるか、と言われるとそんなことはなく、聞こえにくい側に人が来たりすると、状況によっては、聞こえにくいことも増えてきます。
片耳のみ難聴の方の改善案
さて、ここからは実際に改善する方法についてまとめていきます。
片方のみ難聴の方の場合、症状や聴力によって、改善の仕方は変わります。初めに結論からお伝えしていきますと、
- 聞こえない耳側が補聴器で補えるのであれば補聴器
- 聞こえない耳側が補聴器で補えないのであればクロス補聴器
になります。
まとめてみますと、このようになります。
片耳のみ難聴の方に関して、まずお伝えしなければならないことは、補聴器は、どのような聴力でも、どのような耳の状態でも一定のラインまで改善してくれるというものではありません。
補聴器の効果が得られるものであれば、補聴器をつけて聞こえを改善していければ良いのですが、聴力低下が大き過ぎたり、病気により、音を感じる感覚がかなり異質になったりすると、そのような耳に補聴器をつけても聞こえの改善はほとんどできなくなります。
ここで大事なのは、耳の状況により、聞こえの改善の仕方は変わる、ということです。
それを踏まえて、仮にこのような聴力の方の場合、どのように補っていくのか。それは、クロス補聴器で補っていくことです。
クロス補聴器とは、聞こえる耳側に補聴器をつけ、聞こえない耳側にクロスと呼ばれる音の転送機をつけます。
そうすることで、聞こえない耳側につけたクロスに音が入ると、その音を補聴器をつけている耳側に飛ばしてくれます。そのようにして聞こえを改善するのがクロス補聴器です。
普通に考えたら、なんでそんなものがあるんだ?と疑問を感じるかもしれませんが、今現在、あまりにも聴力低下が大きかったり、病気により耳の感覚が大きく変化すると補聴器をつけても聞こえの改善は困難になります。
ですので、そういったケースでもなるべく良くするためにクロス補聴器といった特殊な機械があります。聴力低下が大きい耳の場合は、補聴器で補うのが困難になりますので、クロス補聴器という改善手段で改善していくことが多くなります。
クロス補聴器に関すること
こちらでは、クロス補聴器に関することについてまとめていきます。クロス補聴器で改善していく際に知っておくと良いのは、
- クロス補聴器の形状
- 少しでも効果を出すために
の2つです。
クロス補聴器の形状
クロス補聴器による形状には、主に耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器の2つがあります。ここは、一般的な補聴器と変わりはありません。
主にこれらの違いに関しては、このようになります。結論から記載しますと、今現在は、クロス補聴器で聞こえを改善していく場合は、耳かけ形補聴器を使うことになります。
まず、クロス補聴器の特徴は、聞こえる耳側に補聴器をつけ、聞こえない耳側にクロスと呼ばれる音の転送機をつけることで、聞こえない耳側に来た音を聞こえる耳側に転送することです。
そのようにすることで聞こえない耳側からくる音は、クロスで音を聞き、聞こえる耳側からの音は、そのまま聞こえる耳側で音を聞きます。このようにすることで、左右、どちらから音が来ても聞こえるようにしています。
ですので、聞こえる耳側につけるものは、このような感じで小さい穴が空いた耳せんを使います。
そうすることで、聞こえる耳側の音はそのまま入り、聞こえなくなった耳側の音は、クロスを通じて、聞こえるようになります。
問題は、耳あな形のタイプですが、こちら側に関しては、耳の形を採取して作るため、耳を塞ぐ量が多くなります。耳を塞ぐと塞ぐほど、聞こえる耳側からの音は、聞きにくくなってしまいます。
そういったこともあり、クロス補聴器は、今現在、耳かけ形補聴器のタイプで聞こえを良くしていきます。もう少し技術が上がってくれば、穴を大きくし、耳あなでも使えるかもしれませんが、今現在は、耳かけ形のタイプで改善していくことが基本です。
ですので、改善していくのであれば、このようなタイプを使って改善していきましょう。
少しでも効果を出すために
クロス補聴器について少しでも効果を出すために大事になってくるのは、しっかりとクロス補聴器自体を装用できる状態にしていくことです。
こちらは、クロス補聴器の補聴器側になります。クロス側に入った音がこの補聴器側に来るのですが、その音は、補聴器の先端の部分から出ています。
ですので、この部分をしっかりと耳の奥から出せるようになると、聞こえにくい側から来る音は、聞きやすくなり、さらに聞こえる耳側は、そのまま聞こえる。という状態になります。
ここはイヤホンをつけた時のようなもので、イヤホンを浅く入れた状態と深く入れた状態では、同じ音量でも全然、音の聞こえ方は変わります。このようにしっかり入れた場合とそうじゃない場合は、だいぶ変わりますので、しっかりと入れるようにしましょう。
そのための道具などもありますので、そういったものは、なるべく活用できると良いです。
お客様の声
生まれつきの感音性難聴の方
- 改善:クロス補聴器
- 機器:耳かけ形補聴器
- 備考:左側は補聴器では補えないため、クロス補聴器にて改善
突発性難聴により失聴の方
- 改善:クロス補聴器
- 機器:耳かけ形補聴器
- 備考:右側は明瞭度が低く、効果が薄いため、クロス補聴器にて改善
原因不明の感音性難聴の方
- 改善:クロス補聴器
- 機器:耳かけ形補聴器
- 備考:右側は補聴器では補えないため、クロス補聴器にて改善
この他のお客様の声(片耳難聴の方のみ)
まとめ
こちらでは、片方のみ難聴の方で、聴力低下が大きいケースにおいて補聴器でどう改善していくのか。その点についてまとめてみました。
今現在、聴力低下が大き過ぎたり、病気によって聴力低下した耳の一部のケースでは、補聴器をつけても耳に合わない、聞こえを全く改善できないということが起こります。
そのような場合、無理に補聴器をつけても改善ができない状態になりますので、聞こえにくい耳側で補うのではなく、聞こえる耳側に聞こえない側の音を転送して聞こえを補うという方法があります。
それがクロス補聴器ですね。どのような聴力、どのような耳の状況でも補聴器で補えればいいのですが、そういったことができないからこそ生まれたのが、このクロス補聴器です。
どのような聴力、耳の状況においても大事になってくるのは、自分自身の状況から効果が出るやり方をして改善すること。補聴器はここに尽きます。
ですので、ご自身の状況から効果が出るやり方をしていきましょう。そのようにすることで、なるべく聞こえづらさや不便さを改善することができるようになります。