補聴器のFAQ

感音性難聴に補聴器って効果あるの?

深井 順一|パートナーズ補聴器

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耳や補聴器のことを調べていくと突き当たる疑問の一つは、感音性難聴に補聴器って効果があるの?ということだと思います。

感音性難聴について調べていくと、その中で大きなものは、補聴器をつけても耳が治るわけではない、というところです。

これは確かにそうなのですが、結論から言うと比較的、補聴器の効果が出やすい人と効果が出にくい人がいる。と言う状況になります。

この点に関して、よくご質問をいただくので、お答えしていきます。

感音性難聴とは?

ここでは、まず感音性難聴について簡単にお話していきます。

感音性難聴とは、主にこのような聴力の状態の方が診断されるものになります。専門用語が続いて申し訳ないのですが、気導聴力(◯と×)と骨導聴力([ ])で表現されたものが、だいたい同じ位置で表現されている場合ですね。

◯と×は、主にこのようなヘッドホンを使用して調べたものになります。ヘッドホンで調べているのは、普段、私たちが音を聞く経路で、どのように聞こえているのか、を調べたものです。これが気導聴力です。

一方、[ ]は、骨導と言われるもので、骨を伝って音を聞かせることで、音を感じている神経(蝸牛(かぎゅう、かたつむりでも変換できます)に直接、音を流し、聞こえ方がどうかを調べます。

聴力を調べる際は、だいたいこの2つを活用しているのですが、この2つがだいたい同じような位置に来た場合に感音性難聴というように診断されます。

簡単にいますと、普段私たちが音を聞いている経路でも直接音を感じる神経に伝えた場合でも聴力が変わらないということは、神経そのものが悪化してしまっている。と考えられるわけですね。

感音性難聴の状態とは?

で、問題はここからなのですが、感音性難聴として、よく言われるのは、音が聞こえにくくなるほか、言葉の認識がはっきりしなくなる。というものです。

ここは、細かく分けると

  • 聴力が低下することにより、音が聞こえづらくなる
  • 音以外にも言葉が認識しづらくなる

の2つがあるということです。聴力が低下することにより、聞こえにくくなるのはあるのですが、それにプラスして、言葉が理解しづらくなるということですね。

この点は、単純に聴力が低下することによる部分もあるのですが、感音性難聴の場合に大きな問題になってくるのは、言葉の認識がしづらくなることです。

厳密には、音の識別がしづらくなることなのですが、細かな音の違い、識別がしづらくなり、加藤さん、佐藤さん、などの近い言葉、聞き取りが困難になってきます。

そのことによる言葉の聞き間違えが出てきやすいということです。

で、補聴器の効果はどうなの?

ここで気になるのは、感音性難聴の方に補聴器は効果があるの?というところですが、半分半分になります。

というのも、上記にも記載した通り、聞こえにくくなるというのは、大きく分けると、

  • 聴力低下により、音が聞こえにくくなる部分
  • 聴力低下により、言葉の理解度が低くなる部分

の2つがあるからです。

ですので、聴力低下により、音が聞こえにくくなる部分が大きい方は、補聴器を使って、低下した聴力の部分を補うことで、聞きやすくなる方はいますし、聴力低下により、言葉の理解度が大きく低くなってしまっている方は、補聴器を使ってもなんか周りの音しか聞こえない、言葉の認識が全然できない、など、そういった方がいます。

この点は、感音性難聴といっても人により、大きく異なるということですね。

比較的若い方は、聴力低下により、音が聞こえにくくなる部分の方が大きく、補聴器をつけることで聞こえの改善に大きく寄与するケースが多いです。

逆に年齢を重ねたり、特殊な病気などで、音を感じる神経の部分、内耳と呼ばれる部分が大きく損傷してしまっているケースは、言葉の理解度が低くなり、補聴器の効果がイマイチになるケースが増えてきます。

ですので、結論を言ってしまうと、人による。になってしまうのですが、感音性難聴の方でも補聴器があることで、だいぶ助かっている人がいる反面、補聴器を使っても、ほとんど効果がない、補聴器をつけても全然役に立たない、という人がいます。

これが実際のところですね。

まとめ

さて、簡単にではありますが、感音性難聴の方に補聴器は効果があるの?というところについてまとめてみました。

感音性難聴の方でも補聴器を使うことでだいぶ生活が助かっている人がいる一方、感音性難聴の方でも補聴器を使っているけれども、全然、効果がない、という風に言っている人がいるのも、感音性難聴といっても千差万別だからです。

あくまでも傾向ですが、比較的、若い方、あるいは早々に補聴器をつけている方は、補聴器による効果は感じやすく、逆に補聴器に関して、つけるのが遅かったり、だいぶ高齢になって補聴器をつけることになった人は、ちょっと効果を感じにくい方が多いように感じます。

なお、私自身は、生まれつきの難聴者で補聴器を使っているのですが、私はだいぶ補聴器の効果が出やすいタイプの耳になります。ですので、補聴器があることにより、だいぶ助かっています。

と言いますか、補聴器がないと生活ができないので、その点も含めて、補聴器で生活が助かっている人間の一人ですね。

少し前に感音性難聴の方の症例について書いてみたので、その点に補足する形で記載してみました。

この記事を書いた人
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳から補聴器を使用。スティックラー症候群という遺伝性の病気で、その症状の一つとして感音性難聴があります(中等度の難聴)。生まれは静岡県藤岡市、育ちは千葉県市川市。色々なものの見方、考え方を知るのが好きで、本を読んだり、人の話を聞き、自分の生活の改善に活かしていくのが好き。

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