補聴器のFAQ

補聴器屋さんによって、補聴器の調整の良し悪しはある?

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

最近いただいた質問の中で、これは!と思うものがありましたので、その内容と返答について載せていきます。それは、タイトル通り、補聴器屋さんによって、補聴器の調整の良し悪しはあるの?ということです。

例えば、同じ補聴器をAのお店、Bのお店で比べた時、聞こえの違いは出てくるの?ということです。

これに関して結論から記載していきますと、ある。ということになります。特に初めての方、補聴器についてまだまもない場合、なぜそんなことが起こるのか、わかりづらいかと思いますので、簡単にこちらでまとめていきます。

補聴器は器

質問の内容は、上記の通り、全く同じ補聴器、同じメーカーの同じ機種、同じグレードのものをAのお店、Bのお店で使った時に聞こえ方に違いはあるのか。ということです。

普通に考えれば、なさそうですよね。たとえば、同じメーカー、同じ機種、同じグレードのイヤホンをAのお店で買った場合とBのお店で買った場合で、違いはあるのか、と言われれば、それはありません。中のものは、同じだからです。

しかし、補聴器は、違いが出てきます。というのも補聴器は、中の音の設定を自由に変えられるからです。

上記では、わかりやすくイヤホンの例を出しましたが、イヤホンやスピーカー、ヘッドホンなどの音を聞く道具というのは、中の設定を変えることはできません。ですので、どこで買っても同じなわけですね。

それが普通なのですが、補聴器の場合は、どのメーカーであっても、どのグレードのものであっても、中の音の設定を自由に変えられます。

ですので、補聴器というよりもどちらかというとそれを扱う補聴器屋さん、あるいは、対応してくれる人によって大きく変化します。補聴器というツールを使って、いかにお客様に合わせられるかが、お店の質、お店の技術力として変わってくるということですね。

Aのお店で購入したαという補聴器を使っていて、Aのお店でずっと相談していたけれども、どうもうまくいかない。なので、αという補聴器を別のBというお店で調整し直してもらったら、良くなった、という話は、結構あります。

αという補聴器は変わっていないのだけれども、対応してくれる人を変える、お店を変えることで、変わることも結構あります。

もちろん中には、元のお店もちゃんとやっていて変わらないこともあり、ここは注意が必要なのですが、補聴器というよりも実際には、お店や調整する人の方が重要になってくるわけですね。

そういったこともあり、私自身は、補聴器は器だと考えています。それ自体が製品になるというよりも、その器を使って、どう改善していくか、製品というよりも道具に近いですね。

どう考えると良い?

補聴器に関して、初めての方やまもない方だと、恐らく補聴器そのもの、補聴器自体を製品だと感じ、製品中心に考える方が多いかと思いますが、私自身がお勧めするのは、ご自身で直接、お話を聞いたり、調整している人と対話して、信頼できそうな人にお願いする。それが一番良いと思っています。

補聴器の難しいところの一つは、補聴器そのものだけで良し悪しが決まるわけではないことです。

仮に補聴器だけで聞こえの改善度や聞こえの質が良くなるのであれば、単純に補聴器を製品としてみて、どのメーカーのどの補聴器が性能がいいと評判らしい、というようなことを聞き、それを買えばいいですよね。

しかし、補聴器の場合は、補聴器そのものの質も入り、かつ、調整する人によっても聞こえの改善度、聞こえの質が変わります。

ですので、私としては、ご自身がお話ししていて、信頼できそうな人にお願いする。それが良いのかなと感じています。

先ほどの話ではないのですが、αという補聴器を使っていて、Aというお店では、あまり良くなかったけれども、Bというお店に変え、そこで対応してもらったら良くなった。というケースは、実はありますので、そうなると補聴器というよりも人の方が優先順位としては大事になってくる、ということですね。

まとめ

ということで、今回は、こちらについて記載してみました。この質問をいただいた時に「確かに初めての方や補聴器について間もない方だと、同じように感じても仕方ないよな」と思い、記載してみました。

私自身も補聴器の業界が長くなってしまったので、一般の方の考えと業界に染まりに染まりきった私自身の考えが異なるようになってきてしまいました。ここは反省して、きちんとお客様の言葉に耳を傾け、一つ一つ、応えられるようにしていきたいですね。

と、こちらの内容が参考になったのであれば幸いです。私の返答は、ご自身がその人とお話ししてみて、信頼できるかどうか、で決める。ここですね。ちょっと難しいのですが、人によって大きく変化してしまう以上、やはり大事になるのは、人なのかなと個人的には感じています。

と、こちらを書いて、私自身もそのような人になれるよう、精進してく次第です。m(_ _)m

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつき難聴で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私自身が生まれつきの難聴者で、補聴器を使っている当事者であること。ここを活かして、お客様に貢献できるお店を目指しています。
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