補聴器のFAQ

補聴器って、どこまで改善できるの?補聴器がよくできるところと弱いところ

深井 順一|パートナーズ補聴器

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補聴器についてお考えの方、補聴器のことを知りたい方、さらには、今、補聴器を使っていて、何かお悩みの方の中には、実際、補聴器って、どこまで改善できるものなのか、そして、どこは改善できて、どこは改善が難しいのか、そういったところを知りたい方もいるかもしれません。

今現在、補聴器は、少しずつよくなってきており、聞こえの改善値に関しては、無理やりわかりやすく表現すると、正常の聴力のあと少し、というところまでは、改善できるようになってきています。

実際には、感音性難聴の方がつけるため、実際の数値以上に聞こえの改善値は低いのですが、少しずつ、改善できる幅を増やし、よりよくしていっているのが補聴器の現状ではあります。

補聴器って、どこまで改善できる?

聴力によりますが、補聴器で改善できるようになってきている数値は、だいたい30dBぐらい。こちらは、補聴器をつけた状態の聞こえを調べる音場閾値測定で出した数値です。

まず、補聴器がどこまで改善できるようになってきているのか、からお伝えしていきますと、今現在、無理やりわかりやすく表現すると、補聴器を使った時の聞こえの改善値は、このぐらいまで、上がるようになってきました。

この数値は、まさに聴力検査などで低くなった聴力のところに音を入れ、より小さい音、今まで聞こえづらかった音が聞きやすくなっている状況です。

30dBという数値は、正常の範囲に一歩及ばず、というライン。

このグラフ、そして、数値は、オージオグラム(聴力検査で使われるグラフのこと)と同じものを使っており、オージオグラムの見方は、上記になります。

0〜10dBが一般の人が聞こえている範囲になり、0〜25dBが正常の範囲になります。上記の数値は、30dBになっていますので、数値だけ言えば、正常の方にあと一歩足りないくらいの状況にまでは、改善するようになってきました。

ちなみに私の場合は、自分でも補聴器を使っており、かつ、補聴器のお店もやっているのですが、私の聞こえの改善値は、基本25dBまで聞こえるようにしています。そのぐらいまで改善できるようになると、だいぶ聞きやすくなった感覚を感じます。

実際には、感音性難聴の方に補聴器を使うため、数値だけではなく、実際の音声の理解度は、その人の耳の状況によること、そして、この数値は、補聴器の調整で、実際にここまで改善した場合においての聞こえになることなど、色々と条件はありますが、このぐらいまで改善はできるようになってきています。

補聴器がまだまだ弱いところ

上記のように聞こえの改善に関しては、上がってきているものの、とはいえ、補聴器にはまだまだ改善が弱いところ、まだまだ改善状況をよくしていかなければならないところも存在します。

それは、

  • 騒がしいところでの会話
  • 距離が離れた場合での会話、音の聞き取り
  • 機械的な音の聞こえ

の3つです。

騒がしいところでの会話

騒がしいところでの会話は、今現在、補聴器が解決したいところの一つで、様々な音がしている環境や大きい音が周りにしていると、その音が覆い被さるように聞こえてしまい、聞きたい音声を邪魔してしまいます。

ですので、そのような場面では、まだまだ補聴器による聞こえの改善は、できていない部分があります。そういった部分の改善をよりしていくために補聴器には、抑制機能や指向性という機能があり、ただ、騒がしい中でも満足に会話できるかというとまだまだ難しい部分があります。

騒がしいところでの会話は、補聴器では改善しづらいところの一つとして残っている問題です。

距離が離れた場合での会話、音の聞き取り

音は距離が離れると急激に小さくなってしまうため、距離が離れれば離れるだけ、聞きにくさ、特に言葉がはっきり聞こえる感覚は、なくなります。離れたところからだと何か言っているのはわかるけれども、何をいっているのかわからない、音がまるで薄くなったかのように感じがちです。

ここで問題になりやすいのは、会議の際の聞きにくさや講習会、セミナーなどの大勢の人がいる環境下で話を聞かなければならない時です。そういった時の聞きにくさは、まだまだ根強く残っています。

そういったこともあり、補聴器には、この距離の問題を解決するために、補聴援助システムというものがあります。

これは、話し手に音を拾うマイクを持ってもらい、そのマイクに入った音が直接、補聴器に転送されます。そのようにすることで、距離が離れても音が劣化せずに補聴器に入るようにする機器です。

距離が離れることによる音の劣化には凄まじいものがあり、補聴援助システムを使うと、どれだけ音を劣化させずに補聴器に音を届けられるかが聞こえの改善、聞こえを良くすることに重要なのかを感じさせます。

なお、補聴器に関しては、一般的には、1.5m〜2.0mぐらいを基本として聞いており、補聴器を実際に使っている私自身も、補聴器でよく聞き取れる範囲は、せいぜい2.0m〜3.0mぐらいが限界だな、と感じています。

それほど、聞こえる音の範囲は狭く、補聴器を使うと、だいぶ色々な物音が聞こえるようになるのですが、それでも健聴の人より聞こえていない状況になります。

機械的な音の聞こえ

機械的な音の聞こえ?と首を傾げてしまうかもしれませんが、これは、電話の音声や電車の中のアナウンスなどが該当します。これらの音は、補聴器を通して聞くと、音が歪んで聞こえたり、バリバリ音が割れて聞こえてしまい、だいぶ聞き取りづらい音の一つになります。

補聴器は機械から出た音を聞き取るのが非常に苦手で、機械から出た音を聞くと音が割れてしまい、特に電話は、何を言っているのかよくわからなくなりがちです。

ですので、今現在は、Bluetoothでスマホと連動させ、スマホの電話に関しては、そのまま補聴器に転送して聞くようにする、というようなやり方で改善しています。

表現が難しいのですが、空気を通すと音質が劇的に悪くなるので、空気を通さず、音をそのまま補聴器に転送できるようになると、音質はかなり良くなり、音声の聞き取りもしやすくなります。

逆にいうとまだまだ残っている問題の一つは、固定電話になります。固定電話は、補聴器に直接転送するという方法ができないので、音質が悪い状態で聞くことになり、この点は、まだまだ解決が難しい部分として残っています。

まとめ

さて、まとめになります。今現在、補聴器に関しては、無理やりわかりやすくお伝えすると、聴力図でいうと、だいたい、30dBぐらいまでは、改善できるようになってきています。

そのことにより、正常の範囲には一歩及ばないものの、改善値としては、少しずつ良くなってきています。

私自身に関しては、もっと改善していますが、その点は、そこまで改善ができる人とできない人がいますので、無理に上げる必要性はないのですが、そのぐらいまでは、改善できるようになってきました。

ただ、そういった基本的な聞こえの部分が上がってきている反面、まだまだ改善ができていない、聞きづらいままになっているものもあります。それが、上記にあげた3つの部分です。

そういった欠点がありますので、今現在、補聴器は、それらの部分でより改善できるように、音を抑制する機能をつけたり、音を転送する機能をつけたり、補聴援助システムのような補助できる機器をつけたり、活用できるようにしたりなどしています。

ですので、補聴器に関しては、よくなりつつあるけれどもまだまだ改善が難しいところもある。というのが実情です。

全ての部分で解決できているわけではないのですが、それでも補聴器を使っている方がいるのは、改善できる部分もあるからですね。少なくとも私自身は実際に補聴器を使っている人間ですが、私が補聴器を使っているのは、欠点はあるもののそれでも自分の生活を良くしてくれるからです。

と、以上、補聴器って、どこまで改善できるの?補聴器がよくできるところと弱いところでした。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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