補聴器のFAQ

補聴器の全体像と改善の際、押さえると良いところ

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

もし、補聴器でなるべく聞こえを改善したい、耳にあった補聴器が欲しい、とお考えなのでしたら、補聴器には、押さえておけると良いものがあります。

それは、耳の補い方と補聴器の調整、この2つです。補聴器は、この2つによって、聞こえの改善度がほとんど決まってしまいます。ですので、仮に良くしていきたいとお考えなのでしたら、この部分は、最低でも押さえていただくことをお勧めします。

こちらでは、補聴器で聞こえを改善する際に関わる要素についての全体像とそれぞれの部分がどのような部分に影響するのか、その点についてまとめていきます。

補聴器における全体像

補聴器で聞こえを改善する、今ある聞こえにくさを改善していくと考えた時に関わる要素は、

  • 耳の補い方
  • 補聴器の形状
  • 補聴器の性能
  • 補聴器の調整

の4つがあります。人によっては、ここに補聴器のメーカーが入ったりしますが、最低限どのような人も入る選択肢は、この4つの部分があります。

補聴器の相談というのは、これらの部分を相談して、なるべくお客様にとって、補聴器を使う方にとって良い補聴器を提供できるようにしていく。ということでもあります。

その中で、聞こえの改善において、特に大事になってくるのは、上記の通り、耳の補い方、そして、補聴器の調整です。

私自身は、補聴器を提供している側であり、かつ、自分でも補聴器を使っている人間なのですが、補聴器は、この部分が8割だと感じています。そのぐらい聞こえの改善度に大きく影響する要素がこの2つですね。

もちろん、それ以外の要素も大事な部分にはなりますので、どの要素がどこに影響するのか、その点を中心に記載していきます。

耳の補い方

初めに耳の補い方ですね。耳の補い方と聞いて、わかる方は、ほとんどいらっしゃらないかと思いますが、これは、簡単に言えば、片方の耳に補聴器をつけるのか、両方の耳に補聴器をつけるのか、になります。

表現が難しいのですが、基本的に補聴器は両方の耳につけられる、両方とも補聴器の適性があるのであれば両方につけられると良いです。つけてない側は、聞こえづらいままになり、かつ、騒がしい中での聞こえの改善度は低下してしまいますので、聞きにくさが残りやすくなります。

聞こえの改善度にも大きく影響する部分であり、なるべく良くしていきたいとお考えの場合は、あくまでも両方の耳に補聴器の適性がある場合、という前提条件がつきますが、その場合は、両方につけて、聞こえを改善していけると良いです。

補聴器の形状

補聴器の形状とは、その言葉の通り、補聴器の形になります。今現在、主流なのは、耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器があります。

この形ですが、影響するのは、

  • 聞こえの補える範囲
  • 補聴器の使いやすさ

の2つです。

聞こえの補える範囲

基本的に補聴器は、形ごとにどれだけ音を大きくできるか、言い換えれば補聴器の出力と言ったりしますが、それが異なります。大事なのは、まず、ここの部分でご自身の聴力を補えるものを選ぶことです。

どの補聴器の形状にも、この補聴器は、中等度難聴対応、とか、高度難聴対応とか書いてありますので、この点は、補聴器屋さんと相談する際に話を聞いていただければ大丈夫です。

そして、ご自身の聴力の適応範囲内のものを選んでいただければOKになります。

補聴器の使いやすさ

より大事になってくるのは、次ですね。補聴器の使いやすさになります。

補聴器には、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器がありますが、このような種類があるのは、耳かけ形補聴器には、耳かけ形補聴器の良いところ、悪いところがあり、耳あな形補聴器には、耳あな形補聴器の良いところ、悪いところがあるからです。

それぞれの形においては、どっちが良い悪い、言い換えればどっちが性能がいいか、ではなく、どちらの方が使う方にとって、使いやすかが変化します。

補聴器の形状でいくつかあるのは、性能の部分、機能的にどっちの性能がよいかではなく、それぞれの形により、扱いやすい人、扱いにくい人がいるためです。

ですので、補聴器の形に関しては、ご自身が扱いやすいと思うもの、こういった補聴器だったら、使いやすいかな、と感じるものを選ぶことが大切です。

機能というよりも扱いやすさ、もっというと好き嫌いで補聴器の形については決めて良い部分になります。

補聴器の性能

補聴器の性能は、補聴器の中の機能の充実さになります。補聴器には、今現在、グレードと呼ばれる中の機能のランクのようなものがあります。

それぞれ、90とか50とか書かれているのが、中のグレードなのですが、こちらが上がると上がるほど、金額が上がり、かつ、中の機能も良くなります。

グレードが低いものと高いものの違いは、音を抑制する機能の有無、補聴器で今現在、改善が難しいとされている部分でどれだけ手助けしてくれるかの機能の有無です。

補聴器における問題は、騒がしい環境下になると、周りの音に邪魔されてしまい、聞きづらくなってしまうことです。

ですので、高額な補聴器は、音を抑制する機能やそういった場面でもなるべく聞きづらくならないように支援してくれる機能があるのですが、価格を抑えめの補聴器には、それがありません。

聞こえの改善という観点だけで見たら、価格を抑えてある補聴器でも聞こえの改善はできます。しかし、もし騒がしい環境下でもそれなりに聞こえを改善したいとお考えになるのでしたら、高額な補聴器が必要になってきます。

ここは、聞こえの改善に大きく影響するか、というと、表現が難しく、聞こえの改善に性能以上に影響するのは、補聴器の調整の部分になること、そして、補聴器の性能は、金額に大きく影響するため、高い補聴器が必要になったとしても実際問題買えない人も出てきてしまいます。

ですので、ここに関しては、ご自身が出せる範囲内で良いと考えています。出せるのであれば、出したほうがよく、出せないなら、出せる範囲内にする。ですね。

くれぐれもお金をケチらないように気をつけることが大切になります。

補聴器の調整

補聴器の調整とは、低下した聴力の部分に音を入れて、聞こえを改善していく作業そのものになります。

ここで、どこまで改善できたかが、そのまま補聴器による聞こえの改善度になり、聞こえやすさ、もっというと不自由度の軽減につながります。

補聴器を使った状態を可視化できるツールがあり、こちらで無理やりわかりやすく表現するとこのようになります。こちらは、35dBが目標値になっているが、今現在は、30dBまで改善しやすくなってきている。

聴力によっても異なりますが、今現在、だいたい30dBぐらいまでは改善できるようになってきており、そのぐらいまで聞こえを改善できると、聞きにくさを減らしやすくなります。

この改善度に関しては、補聴器の性能によって変わる部分はもちろんあるのですが、それ以上にどこまで補聴器の調整で音を入れられるのか、あるいは、入れるのか、によって決まるため、補聴器は、耳の補い方と補聴器の調整の2つで、だいぶ決まってきます。

仮に補聴器で聞こえをよくしていきたい場合は、補聴器の調整に関しては、なるべく良い状態にしていけるようにできると良いです。ここは、お店の方、相談先の方と相談して、より良くしていく部分になります。

まとめ

さて、まとめになります。補聴器においては、基本これらの部分を相談したり、決めていったりして、聞こえの改善、お客様にとって良い補聴器を作っていきます。

見ていただくとわかるのですが、カタログとかに載っているもの、製品よりも見えない部分、どのように聞こえを補うのか、耳を補うのか、補聴器の調整だとか、そういった部分の方が聞こえの改善においては大事な部分になります。

この点は、サン=テグジュペリさんの星の王子様に出てくる”かんじんなことは、目に見えないんだ”という言葉を思い出します。

そして、大事なことは、耳の補い方と補聴器の調整の2つで、改善の大半は決まってしまうことです。ですので、もし、よくしていきたいのでしたら、この部分に関しては、押さえるようにしていきましょう。

ということで、聞こえを改善する場合に押さえると良いところ、でした。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつき難聴で小学2年生の頃から補聴器を使っています。このお店では、完全予約制にして、ご対応することで、お客様のご要望や現状をお伺いできる環境を作り、お客様が求めているものを提供できるよう、お店作りをしています。
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