補聴器のFAQ

聞こえにくくなって起こることと難聴の本質

深井 順一|パートナーズ補聴器

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難聴の状態をより良くするとお考えの場合、知っておけると良いことの一つは、難聴になると、どのようなことが起こるのか。の理解です。

私自身、生まれつきの難聴者で補聴器を使っているのですが、そんな人間が思うのは、難聴の本質は、コミュニケーション障害である、ということです。

聞こえにくいことで人と色々とやり取りしづらくなることはもちろん、それにより、自分と相手の関係や信頼関係、人との関係にヒビが入ってしまい、仲が悪くなってしまったりとか、そこにいづらくなってしまう。これが本当の意味での問題になることが多々あります。

ですので、難聴の状態をよくしていくとお考えの場合、同時に人間関係に関しても学んでいけるようになると良いです。

難聴の本質とは?

難聴の本質とは、なんでしょうか。聞こえにくくなること?聞こえにくくなり、生活しづらくなること?どれも確かに難聴の特徴ではありますが、当事者である私が思うのは、人との関係が築きにくくなる、あるいは、ヒビが入りやすくなる。が最も恐ろしいことだと思っています。

難聴の特徴の一つは、会話をする際に困る。というものです。例えば、家の中とかにいる場合は、テレビとかパソコンとか、スマートフォンとかで聞く場合、音量を上げることで、聞きやすくすることができます。

しかし、人との会話の際は、聞こえにくいから、声大きくしてくれ。というのは、なかなかしづらいです。ですので、難聴というのは、人との会話の際に困りやすくなる。というのが、特徴の一つとしてあります。

問題はここからになるのですが、この会話の聞きづらさが出てくるようになると、人とコミュニケーションが取りづらくなってきてしまいますので、ここで困ることが多くなります。

働いている方の場合は、職場でのコミュニケーション、人とのやりとりに困り、ご家族がいる方の場合だと、配偶者とのコミュニケーションに悩まされることになります。

人が抱える大きなストレスの一つは、意思疎通がうまくいかない、あるいは、話が通じない、です。自分が伝えたものが全然、伝わらない、理解されない。そんな時、人は大きくショックを受けます。

難聴の方の場合、別に意図してそれをしたわけではありません。音は、聞こえないと聞こえていないことに気づくことができないという性質を持ちます。音は聞こえなければ匂いがするわけでも目に見えるわけでもないので、どうしても感じ取れないのです。

こういったいくつかの属性が重なると、お互いにストレスを抱えるようになります。

コミュニケーション障害で理解しておきたいこと

ここで、理解しておきたいことの一つは、コミュニケーション障害は、何も聞こえない側だけに起こるわけではない。ということです。

コミュニケーションは、一人ではできません。ですので、必ず、2人以上の人が関わるようになります。ここで、聞こえにくい人と聞こえる人がいた場合、聞こえる人が話しかけた時に聞こえにくい人が反応しない。となった場合、それによってショックを受けるのは、聞こえる人側ですね。

コミュニケーションは、一人ではできません。必ず、2人以上が参加します。聞こえにくいことによってその影響を受けるのは、実は、本人だけではありません。本人に関わる周りの方にも影響を及ぼします。

ですので、補聴器の世界では、年を重ねたご両親を娘さん、息子さんが連れてくる。というのがよくあります。

ご両親が聞こえにくくなり、息子さん、娘さんが会話がしづらくなる。でもご両親としては、確かに聞こえにくさはあるかもしれないけれども、そこまで深刻なものかな?と思って、補聴器については、あまり考えない。というものです。

この場合、聞こえにくさが出ているのはご両親ですが、それによって困っているのは、息子さん、娘さんです。つまり、コミュニケーション障害とは、何も聞こえにくい人だけが起こるわけではないということです。

コミュニケーション障害は、聞こえにくい人だけが起こる問題なのではなく、その人に関わる全ての人に影響します。ですので、問題になりやすいし、人間関係にまで発展しやすいのです。

聞こえの改善にプラスして人間関係について学ぶ

ここで悪い知らせが一つあります。それは、補聴器は今現在、耳を治すことができない。ということです。

補聴器をつける方は、大体感音性難聴という今現在、耳を治療できない病気、病状のものです。この場合、補聴器をつけるというよりも今現在の医療では耳を治すことができないので、補聴器で聞こえを補うという表現の方が正しいかもしれません。

補聴器をつけることで、今現在の状態より良くすることは可能なのですが、残念ながら耳が治るというところまでは、いきません。さらに騒がしい環境などのようなところでは、いろいろな音が入ってくることにより、普段の環境より聞きにくくなります。

ですので、私自身としては、補聴器による聞こえの改善にプラスして、人間関係について学ぶ。ということをお勧めしています。

聞こえの改善にプラスして、人間関係を学ぶことで、少しでも周りの方とうまくコミュニケーションできるようになること。そこが大事ですね。難聴の本質は、コミュニケーション障害だからです。

人と人との問題の多くは、人間関係が絡んでいます。そして、補聴器をつけても人間関係が良くなるわけではありません。ですので、私自身は、補聴器で聞こえを改善することにプラスして、独自で人間関係について学ぶこと、それを推奨しています。

と、難聴で補聴器を使っている当事者が感じていることでした。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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