補聴器のFAQ

このお店で補聴器の音に慣れるためにしていること

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

補聴器のことで聞く話の中には「補聴器の音に慣れる」があります。

この「補聴器の音に慣れる」には、様々な意味があるのですが、一つは、補聴器を使うと色々な音が聞こえるようになってくるので、その音の感覚に慣れる。ということ。

さらには、補聴器をつけると普段とは違った感覚で音が聞こえるため(電話の音声っぽく聞こえたりします)、その感覚に慣れる。こんな意味もあったりします。

このお店が目指しているのは、難聴の方の生活を支えられるお店になります。そのためには、この補聴器の音に慣れる。という部分も大切な部分になります。

結論から言うと、このお店の場合は、補聴器の音に慣れるために補聴器の使いやすさを重視して、調整する。そして、聞こえの改善状態を可視化しながら、ご相談する。の2つをしています。

補聴器の音に慣れる。の復習

さて、まず初めに伝えていきたいのは、なぜ補聴器の音に慣れるのが大事なのか。ということです。

これは、簡単に言うと補聴器の音に馴染んでいかないと、なかなか聞こえの改善がしづらくなってしまうからです。

この部分は、補聴器の音に慣れるというよりも補聴器の調整(聞こえの改善)が大きく関わってくるのですが、補聴器で聞こえを改善していく際、初めは、聴力から補えると良い目標の部分まで改善するということは、あまりしません。

改善できるといい目標値の音量を10とすると、だいたい7〜8、慣れている方や初めから音を入れても大丈夫そうな方は、9ぐらいの音のレベルからはじめ、なるべく使いやすい状態から始めていきます。

初めての方は特にそうですが、補聴器をつけるとものすごく色々な音が聞こえてきます。

小さく聞こえていた今まで聞いていた音が大きくなると言うよりも、今まで聞いていた音の量、ここは音の大きさという意味の音の量ではなく、聞こえている音の数の方の量が控えめにいってものすごく多くなります。

すると、初めのうちは疲れてしまったり、頭が痛くなったりと人によっては起こります。

音の大きさではなく、聞こえる音の数が多くなる。というのがポイントですね。特に難聴になると、音の性質上、聞こえないとそこに音があっても、感じることはできないので、そういったことが起こります。

ですので、補聴器をつけて感じる感覚、もっというと、今まで聞こえにくかった音がより大きく聞こえる感覚、そして、今まで小さくて聞こえていなかったものが聞こえるようになり、騒々しく感じる感覚、自分の声が変わる感覚、こういった普段感じていた音が変化する様子に少しずつ慣れていく必要があります。

そのために必要になるのは、とにかく使う時間です。補聴器を使って日常生活を送ること。ここですね。

初めから、1日8〜10時間ぐらい使う方だと、1〜2週間ほどで慣れてしまうことが多く、1日2〜3時間だと、慣れるのに、1〜2ヶ月ぐらいかかるなんてケースもあります。

わかっていることは、1日に使う時間が長ければ長いほど、1〜2週間とかなりの短い期間で慣れることです。逆にちょびちょびだと慣れることがかなり難しくなることです。

このお店でしている補聴器の音に慣れるとは?

お店や相談場所によって変わるのですが、このお店の場合は、補聴器の音に慣れるために補聴器の使いやすさを重視して調整する。そして、聞こえの改善状態を可視化して、ご相談する。の2つをしています。

補聴器を使いやすさを重視する→使いやすいので補聴器を使う時間が伸びやすくなる→使う時間が伸びやすくなれば、補聴器に慣れやすくなる→慣れやすくなることで、補聴器による聞こえの改善度を上げやすくなる→結果、難聴の方の生活を支えられる補聴器の提供に繋がりやすくなる。という流れです。

大事なポイントは、補聴器を使う時間になります。補聴器に慣れるために大事なのは、補聴器を使う時間になります。ですので、初めは、その時間を伸ばせるよう、使いやすい状態を目指しています。

ここは補聴器の調整も入ってきてしまうのですが、音が大きかったり、使う方にとって、キツい補聴器、違和感が出やすい補聴器は、長く使うことはなかなか難しいです。

中には、初めからだいぶ音を強くして、聞こえを改善する、補聴器の音に慣れさせるやり方をする場所もあるのですが、私は、あまりそのようなやり方はしていません。

違和感が強かったり、補聴器から聞こえる音の感覚がキツいとなかなかに使うのが大変だからです。

ですので、まずは補聴器自体を使いやすい状態からスタートし、そして、その改善状況についてお伝えしていきます。

今自分はどのような状態なのかが分かるようになると、そこから、慣れてきた時に「じゃあ、もう少し改善していきましょう」と相談することもできますので、聞こえの改善に貢献しやすくなります。

私の場合は、慣れさせるためにこうしている。というよりも聞こえを改善するための過程の一つとして見ています。正直なことをいうと、あまり聴器の音に慣れさせるという考えはしたことがありません。

補聴器の音に慣れる時間やタイミングは人によって様々です。すぐに慣れてしまう方もいますが、なかなか慣れづらい方もいます。

ですので、使う方に合わせて、無理せず聞こえを改善できるプランを考えて対応している。というのが実際のところです。

まとめ

補聴器の音に慣れるには、必ず、補聴器を使う時間が必要になります。

私は生まれつきの難聴者で補聴器を使っている人間ではあるのですが、なるべくその点に関しては、楽にできるようにすることを考えています。

あくまでも個人的に思うことは、もし楽にできる方法があるのであれば、別に大変な思いをしなくても良いということです。目的は、生活をより良くすることであり、補聴器で大変な思いをすることではないからです。

ですので、補聴器をなるべく楽に使える状態にし、その結果、補聴器を使用する時間が伸び、そして、補聴器の音、補聴器自体に慣れやすくなる。という流れができるように私の場合は、しています。

特に補聴器は自分の耳に合わないもの、違和感が強いもの、そして、音がキツいものを使うのは、かなりしんどいです。

私も一時期、そういった補聴器を使っていたことがありますので分かるのですが、「それだと続かないよな」とも思います。ここはどうしても補聴器を調整する人は補聴器を使って生活したことがない人が大半なのでわからなくても仕方がない部分でもあります。

私自身は、生まれつき難聴で補聴器を使ってきた人間です。ですので、難聴者の視点、使っている人の視点がどうしても多くなるのですが、私の場合は、このようにして補聴器の音に慣れる。ということをしています。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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