耳かけ形補聴器は、汗に弱い?
たまにいただく質問の中に「耳かけ形補聴器って、汗に弱いんですか?」というものがあります。
今現在、暑い状態になりますので、どうしても汗をかきやすいのですが、その他、仕事の環境的に汗をかきやすい人もいますので、そういった状況の方は、気になる事ですよね。
結論からお伝えすると、空気電池(ボタン電池)を使うタイプは、汗に弱い傾向があります。
で、仮にそういったところが気になる方は、充電形の補聴器か、さらに防水形の補聴器、あるいは、耳あな形補聴器。そういったものがオススメです。
耐久性に関しては、今の所、耳あな形補聴器<充電形の補聴器(耳かけ形)<防水形の補聴器の順で強くなります。
どのぐらいの耐久性が必要なのかの程度によっても、どれが良いのかは変わるのですが、このように考えられると良いです。
補聴器の故障の原因は、汗や湿気が多い
まず、補聴器の故障の原因は、今の所、汗や湿気によるものが多くあります。これは、今までの補聴器が空気電池を使用するタイプが多く、今現在、このような空気電池を使うタイプと充電式(リチウムイオン電池)があります。
空気電池を使用するタイプは、空気を取り込んで、発電するため、実は、補聴器側に穴が空いっています。穴が空いていないと空気を取り込む事ができないため、補聴器が動かなくなってしまいます。
ただ、穴が空いているということは、そこから空気も入りますが、汗や湿気、そういったものも入ります。
さらに耳かけ形補聴器は、汗の通り道に補聴器本体がくるため、どうしても汗の影響を受けやすくなります。
ですので、穴を塞げないということと汗の通り道ということ、この2つにより、空気電池を使用するタイプの今までの補聴器は、汗による影響を受けやすい傾向があります。
それにより、故障したり、中に汗が入り、電池が錆びたり、急に音が聞こえなくなったり(動作不良が起こる)、そういったことが他の補聴器に比べ、多い状態になります。
もし、汗を多くかく場合は?
対策に関しては、いくつかあります。主には、
- 汗や湿気の影響を受けにくい補聴器にする
- こまめに補聴器や自分の汗を拭く
の2つです。
汗や湿気の影響を受けにくい補聴器にする
今現在の状況が補聴器を購入する前、あるいは、補聴器の買い替えの際であれば、取れるのが、ここですね。
汗や湿気の影響を受けにくい補聴器には、充電形補聴器と防水形補聴器があります。あと、人によっては、耳あな形補聴器も入りますね。
これは、先ほどの
- 空気電池なので密閉できない
- 汗の通り道なので影響度が高い
にそれぞれ対応するものです。
空気電池は、空気を取り込んで(厳密には酸素)発電するタイプの電池です。ですので、補聴器本体には、穴を設けて、そこから常に空気が入るようにしなくてはなりません。
しかし、充電形の補聴器になると、そもそも空気電池を使用しませんので、補聴器本体に穴を設ける必要がありません。充電形補聴器から補聴器はようやく密閉する事ができるようになりました。
これが充電形の補聴器と防水形の補聴器ですね。空気電池を使用することによる欠点になりますので、充電池にできると、実は、このように耐久性を上げることに貢献できます。
もう一つは、汗の通り道なので影響度が高い、ということですね。ここは、耳かけ形補聴器は、そのままになりますので、耳あな形補聴器になると、耳の中に補聴器が入りますので、影響度は低くする事ができます。
汗が多く通るルートを避ける。という風にいうとわかりやすいかもしれません。
ですので、もし、この選択肢が取れるのでしたら、耳あな形補聴器<充電形補聴器<防水形補聴器の順で、汗に関する耐久性は上がります。
そのような補聴器を選べると良いかとは思います。
こまめに補聴器やご自身の汗を拭く
次は、上記のように補聴器の選択の段階ではなく、もうすでに補聴器を持っている場合、あるいは、空気電池形の補聴器を購入する予定の方になります。
その場合、できることは、一つで、こまめに補聴器やご自身の汗を拭くこと。こちらになります。
ご自身の方は、耳周りを中心に拭いていただき、補聴器は、そのまま全体を拭き、さらにできれば電池が入っているところもみておけると良いです。
先ほどの通り、電池は空気電池を使っており、空気電池の性質上、補聴器に穴を設けなければいけません。すると、そこのところに穴が空いているわけですから、汗が電池のところにそのまま直接流れてしまう事が多いのです。
そのまま汗が入ったままになると電池自体が誤作動を起こしたり、液漏れを起こしたりする事がありますので、もし電池の方を見ていただき、汗が入っている様子があれば拭き取りましょう。
軽く拭き取っていただければ大丈夫ですので、ちょっと手間はあるかもしれませんが、そのようにしていただければ大丈夫です。
まとめ
今回は、「耳かけ形補聴器って、汗に弱いんですか?」ということについて返答してみました。
上記の通りですが、耳かけ形補聴器は、空気電池を使うタイプは、弱いです。補聴器自体が弱いというよりも、空気電池は、空気を通して発電するタイプの電池ですので、空気が取り込まれなくなるとうまく発電できなくなります。
ですので、そのための空気孔を補聴器側につけなければならないのですが、そのせいで密閉する事ができません。
ですので、この点は、補聴器が弱いというよりも、空気電池を使用することによる欠点になります。現に充電形の補聴器は、空気電池を使用しませんので、耐久性は上がりました。
もちろん、耐久性が上がったからといって故障しないことを保証するわけではありませんので、そこは注意が必要なのですが、少しでも故障が少なくなることは良いことですね。
ということで、今回は、 こちらについて記載してみました。