補聴器の金額(性能)の違いは、何?
補聴器のカタログや補聴器について、調べてみると、1台、10万円台のものから、上をみてみると、1台、50万円するものまで、様々なものがあります。
結論からいいますと、この値段の違いは、補聴器の性能によって変化します。
聞こえを改善する基本的な機能のみを中心とした補聴器なのか。
それとも基本的な機能にプラスして、音を抑制する機能や騒がしい中での聞き取りをなるべく支援してくれる機能が入っているのか。
それによって、金額が変化します。
基本的な機能のみであれば、価格を抑えやすくなるのですが、基本的な聞こえの部分にプラスして、抑制機能が優れているものや支援してくれるものがあると、金額は、上がっていきます。
今回は、補聴器の金額は、何で変わるのか。自分が求める性能に関して、理解できるようにしていくためにまとめていきます。
補聴器の金額は、何によって変わる?
さて、実際にみていただいた方が早いですね。まずは、全体像を掴みやすくするために簡単にお話ししていきます。
これは、私の方で扱っているフォナック。というメーカーの補聴器の価格表です。
みていただくと、下のものは、18万。一番上のものは、なんと53万円です。
基本的にどのような補聴器でも、
- 価格は抑えつつ、最低限、聞こえの改善を行えるグレードのクラス
- 基本となる聞こえの改善をしっかり行えるグレードのクラス
- 聞こえの改善を最大限、行うグレードのクラス
をそれぞれ用意しています。
そして、これらの部分というのは、
- 価格は抑えつつ…が、エコノミークラス
- 基本となる…がスタンダードクラス
- 聞こえの改善を最大限…が、ビジネス&ファーストクラス
が当てはまります。
補聴器の性能と、その機能
さて、より細かくみていきましょう。今度は、性能に関してです。
こちらの価格表をみてみると、右の方に色々と
- ①チャンネル
- ②指向性
- ③快適性をあげる機能
だとか、聞きなれない単語が並んでいます。
補聴器の性能は、大まかに分けると
- 聞こえを改善する際に使われる機能
- 聞こえを改善した後の問題を改善する機能
の2つがあります。
聞こえを改善する際に使われる機能とは?
基本的にこちらは、チャンネル(ch)と呼ばれるものです。
チャンネルは、周波数別にどれだけ細かく調整できるか。を示し、これが細かいと細かいだけ、下がっている部分だけ、大きくする。や、大きく感じている部分だけ、下げる。という事が可能になります。
つまり、補聴器の音の調整に関して、しやすくなる。という事ですね。
上記の表だと、8chとか、12chだとか、16chだとか書かれていたものが、このチャンネルになります。
例えば、8chであれば、補聴器で調整できる枠は、8等分されていますので、この範囲内で調整する事になります。
16chだと、補聴器で調整できる枠が16等分されていますので、先ほどの、ここだけ大きくしたい、ここだけ小さくしたい。がしやすくなります。
このような作業は、補聴器の調整。と呼んだりするのですが、このようにチャンネル数が多いと、ここだけを変えたい。という要望に答えやすくなります。
補聴器を調整する人だと、こんな感じに補聴器の聞こえの改善状態を把握したりするのですが、仮にもうちょっとここだけ改善できると良い。という時にチャンネル数がある程度あると、楽だったりします。
ここからが非常に重要ですが、このチャンネル数は、正直、12chぐらいあれば、ほとんど事足ります。
それよりも上のものは、確かに数が多ければ助かることもありますが、そんなに細かく調整する機会は、ほぼないので、12chぐらいで、補聴器の基本調整の部分は、事足りる事が多いです。
これが聞こえを改善する際に使われる機能です。
聞こえを改善した後の問題を改善する機能
次は、聞こえを改善した後の問題を改善する機能です。
ん?聞こえを改善した後の問題を改善?と疑問を感じた方もいるかと思いますが、聞こえを改善していくと、良くも悪くも、色々な音が聞こえやすくなります。
ですので、高額な補聴器には、音を抑制する機能が搭載され、その機能の有無、性能差により、大きく金額が変わります。
具体的には、補聴器から聞こえてくる一部の音を抑制して、なるべく楽に感じるようにしてくれたり、騒がしい環境下だと聞きづらくなる事が多いので、聞き取りを阻害されないよう支援する機能。これらがあります。
音は、聞こえる事によって気づく事もあれば、人がお話ししている際に、そういった音があまりにも入ってしまうと、音声が聞きづらくなってしまう。という事も引き起こします。
聞こえる。という点には、聞こえて良い。という部分もあれば、聞こえる事で、逆に邪魔。と感じる事もある訳ですね。
そのため、そういった際でも、なるべく音声を邪魔されないようにするために、周囲の音を抑制して、なるべく音声を入れる、前方の音を入れる。という風にして、聞こえを良くしたのが、指向性機能です。
この機能が良くなると、良くなるほど、補聴器の値段は、爆発的に上がります。
さらに、補聴器で聞こえを改善する場合、音響機器。という事もあり、普段だったら感じない音。というのも入りやすくなります。
イメージが湧くかわからないのですが、暗騒音(あんそうおん)という補聴器をつけている際、なんとも言えないザワザワッとした音が聞こえたり、風の音が強く入ったり、大きな音が強く入ったり……。
補聴器は、そういった音も入りやすく、これらの不快な感覚を抑える機能というのもあります。
それが、快適性を高める機能です。
これも入っていれば入っているほど、自然な感じで補聴器が使えたり、価格を抑えた補聴器だと気になりやすいものが、高額なものだと、気になりにくい。という特徴があります。
補聴器の性能まとめ
補聴器の性能とは、聞こえを改善する核となるチャンネル。そして、聞こえを改善した後の問題を改善する、指向性、さらに快適性を高める機能。
この3つによって構成されている事が大半です。
価格が抑えられているものは、聞こえを改善する機能のチャンネルのみがある事が多く、指向性、快適性を高める機能は、あるにはあるのですが、おまけ程度である事が大半です。
高額な補聴器は、聞こえを改善する機能もチャンネルの数が多くあり、かつ、指向性機能も優れ、快適性を良くする機能も優れているため、聞こえをしっかり改善し、かつ、自然に補聴器を使える。という利点があります。
ちょっと金額が金額ですので、どの辺まで求められるかは、人により、異なるかと思いますが、それが、補聴器の金額の違いです。
補聴器の金額のまとめ
補聴器の金額に関しては、基本的に補聴器の性能によって、変化します。
そして、その性能も、基本的な聞こえの改善機能のみなのか。
それとも、基本的な聞こえの改善機能にプラスして、指向性機能や快適性を高める機能をつけ、より聞こえの改善ができるようにするのか。
それにより、金額は、大きく変わります。
基本的な聞こえの改善に関しては、チャンネル数でいうと12chもあれば、ほとんど事足ります。
それ以上の補聴器に関しては、抑制機能。指向性機能。快適性を高める機能。これらがどんどん良くなり、それが、金額に反映されます。
ですので、どのぐらいの改善を目指すのか。どんなものが良いのか。によって、補聴器の金額は、変わります。
補聴器の金額は、このような性能によって、変化します。