クロス補聴器は、どう聞こえの改善効果があるの?
クロス補聴器について調べている方の中には、クロス補聴器は、片耳のみ聞こえにくい方へどのような効果があるのか。その点に関して、気になる方もいるかと思います。
こちらに関しては、結論からいうと、
- 聞こえの範囲が拡大される
という事に集約されるのですが、中には、改善しにくい部分があるのも、事実です。
今回、こちらでは、クロス補聴器に関して、正しく知っていただくため、クロス補聴器の効果について、記載していきます。
クロスがしているのは、聞こえの範囲の拡大
さて、クロス補聴器の効果。という点に関しては、聞こえの範囲が拡大される。これが一番わかりやすい効果です。
イメージを湧きやすくするために上記には、図を記載しているのですが、こちらは、左側が聞こえていて、右側が聞こえない場合を想定しています。
左側が聞こえている場合は、左側からの音は、問題なく聞こえることが多いのですが、右側から来る音は、弱くなりがちです。
そこにクロス補聴器を装用すると、左側ほどとはいかないものの、聞こえる音の範囲を広げられる事により、聞こえの改善がしやすくなります。
片耳のみ難聴の方の場合、聞こえない側の特に斜め前と斜め後ろからの音は、非常に聞きづらく、この点を私の場合は、デッドポイントと呼んでいます。
非常に聞きにくくなる事に加え、そこから話されると、気がつかないことが多くなってしまうためですね。
聞こえの範囲が広くなると、全てとはいかないものの、そのポイントを含め、気が付きやすくなるため、話されても反応できるようになったり、人とのコミュニケーション、そういったものに役立てやすくなります。
それが、一番わかりやすいクロス補聴器の効果になります。
クロス補聴器の効果があるところとないところ
クロス補聴器に関しては、装用すれば、片耳のみ難聴の場合の困っているところ。その全てが改善される訳ではありません。
クロス補聴器の効果は、結論からお伝えしますと、このようになります。
片耳のみ聞こえにくい方のお話をお伺いしてみますと、多くみられるのは、
- 聞こえにくい側から話されるとわかりづらい
- 騒がしいところでの聞き取りが難しい
- 複数の方とのお話(聞こえない耳側に人のお話)がわかりづらい
- 音の方向感覚がわからない
の4つです。
聞こえにくい側から話されるとわかりづらい。という点は、クロス補聴器を使うと、だいぶ軽減される傾向があります。
上記に記載した通り、聞こえる音の範囲を広げてくれるため、それにより、改善しやすい傾向があります。
騒がしいところでの聞き取りに関しては、居酒屋さんレベルで騒がしい場合は、まだまだ改善が難しく、ファミレスぐらいのちょっとした騒がしさなら、聞きやすくなった。という方は、いました。
ただ、依然として、騒がしさのレベルが上がると、聞きにくさが出てきてしまうのも、事実です。この点は、改善される点もあるけれども、まだ難しい部分もある。というのが実情です。
複数の人とのお話は、正直、人数によります。
3〜4人などの比較的、少数の場合は、自分の位置を気にせず、楽に聞けるようになった。という方が多いのですが、これが、10人、20人などの会議になって来ると、やはりその中で、いくつかの方は、聞きにくくなってしまう傾向があります。
数が多くなってくると距離も離れてくる傾向がありますので、あまりにも離れてしまうと、聞きづらさが出がちです。
ここも状況、人数によって変化する傾向があります。
そして、音の方向感覚ですが、残念ながらクロス補聴器は、音の方向感覚を改善することはできません。
音の方向感覚は、2つの耳を使って感じ取っているため、片方しか聞こえていないクロス補聴器では、音の方向感覚を掴むことは、残念ながらできません。
たまに聞こえている側の音と聞こえない耳側の音の違い。補聴器から聞こえてくる音は、聞こえない耳側の音になるので、それにより、判断している。という方は、いらっしゃるのですが、どのぐらいの精密度なのかは、わかりません。
ですので、この点は、申し訳ないのですが、わからない。という事を前提にされた方が良いかと思います。
まとめ
こちらでは、クロス補聴器の効果について、記載してみました。
クロス補聴器は、聞こえの範囲を広げることにより、今まで話されても気が付きにくかったところをわかるようにしてくれます。
ただ、その一方、クロス補聴器では、改善できないところがあるのも事実です。
ですので、こちらでは、クロス補聴器に関して、正しくご理解いただくために、私が知っている点に関して、忌憚なく記載させていただきました。
クロス補聴器に関する理解が深まったのであれば幸いです。