補聴器のFAQ

耳が聞こえにくい事を相手に伝えるには、どうすると良い?

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

難聴の場合、今現在、治す手段がなく、補聴器で聞こえを改善したとしても、残念ながら一部の部分では、聞きにくさが出てきます。

そのため、できれば、周囲の方に耳の事を伝えておき、聞きにくさがあったとしても、カバーできるような形をとっておけると、周囲の人とのやりとりなども、しやすくなります。

どうしても、耳の事を伝える。というのは、勇気のいる事であり、かつ、どう伝えれば良いのか。わからない方も多いかと思いますので、参考程度には、なるのですが、私自身がしていた耳の伝え方について、記載していきます。

基本的な考え方

耳の事を伝える。と考えると、自分の事をわかってもらう。という思考になりがちですが、基本的なスタンスは、相手にとって、自分に話す際、あるいは、自分に何か伝える際に伝わりやすくする。というスタンスが大事です。

自分自身が聞きにくいから、こうして欲しい。というより、自分自身が聞きにくいから、こうしてもらえると、あなたが言っている事がわかりやすい。伝わりやすい。という事ですね。

この点は、自分を中心に考えるのか、それとも、他者を中心に考えるのか。という思考の違いとも言えます。

どのような事もそうですが、自分中心の伝え方は、上手くいきづらいので、他者を中心とした考えをしていただく事をオススメします。

実際にどう伝える?

あくまでも私自身が伝えていた内容ですが、

「生まれつき耳が聞こえにくく、補聴器を使っています。それでも、聞きにくい事があるので、話す場合は、近くで話してくれると、わかりやすいです」

こんな風に伝えていました。

ポイントはいくつかあり、

  • 耳が聞こえにくい事を伝える
  • 補聴器で補っているけれども、それでもわからない事がある事を伝える
  • どうすると、私に伝わりやすくなるのかを伝える

の3つになります。

この中で大事なのが、どうすると、私(自分)に伝わりやすくなるのかを伝える。になります。

この部分は、実際に聴力や補聴器での聞こえの改善状況などで変わってしまうため、なかなか、具体的な事を伝えづらいのですが、補聴器で両耳とも、ある程度、改善ができている方であれば、近くで話してもらう事で、わかりやすくなる事が多くなります。

聞こえにくい事を伝えるのは、もちろん大事な事ですが、それ以上に、どうすると私に伝わりやすくなるのか。その部分も考えられると、相手からすると、どうすると良いのかわかりやすいので、お互いにコミュニケーションが取りやすくなります。

特に相手側(健聴者)は耳の事もわからず、かつ、どうしたら自分(難聴者)に対して、話したら、伝わるのか、わかりません。

ですので、できれば、ではあるのですが、この部分を伝えられるようになると、良いです。

なお、タイミングに関しては、悩みがちですが、話せるタイミングがあればする。という事と、できれば早めの方が良かったりします。

職場の場合は、面接の際に伝えておく。お友達の場合は、話せるタイミングがあれば、伝える。などですね。

これは、早めに伝えておいた方が、誤解される前に伝えられる事も多いためです。

誤解される事を繰り返した後や、それにより、信用を失った後は、正直、後の祭りで、そのような時に伝えても、言い訳にしかならなくなってしまうため、伝える時期を見誤ると、とんでもない事になります。

その点だけ、ご注意ください。

こんな時、どうする?

さて、聞こえにくい際ですが、困るのが、

  • 声が小さい方
  • 滑舌が悪い方

になります。

両者は、どうしても、補聴器を装用したとしても、環境にもよりますが、聞きにくさが残りやすい分類になります。

この際ですが、私自身がよくやっていたのは、これらの方々に直接、聞きにくい事を伝えていました。

その理由ですが、声が小さい方や滑舌が悪い方は、健聴の方が聞いても、聞きにくい、あるいは、「ん?何て?」など、言われているケースが多いためです。

ですので、自分自身の耳の事を伝え、その方々とコミュニケーションしやすくなる方法を作る事を考えていました。

具体的には、

「すみません、私、生まれつき耳が悪いので、○○さんの声、すごく聞きづらいです」

と伝えた上で、声が小さい方であれば、

「なので、〇〇さんが話しをする際、よければ呼んでくれませんか?私がすぐ近くに行って、〇〇さんが伝えたい事、理解できるようにしますので」

と伝えていたりしました。

滑舌が悪い方に関しては、先ほどのように伝えた上で、

「何て言っているかわからない事が多いので、一度、言った内容を確認させてください。なるべく理解できるようにしますので」

と伝えていました。

どちらにしても、聞きにくさという点では、わかりづらい部類なのですが、それを伝えて、お互いにとって、理解できる方法、あるいは、相手の事を理解する。という事をどうするとできるようになるのか。それを考えてやっていました。

もちろん、こちらに関しては、できる方のみでも構いません。

なかなか雰囲気的にできる時とできない時、さらには、そこまで、信頼関係あるいは、親密な仲ではない場合は、正直、しづらいかと思います。

ですので、あくまでも、できる範囲内。にはなるのですが、その範囲内でもできるようになると、理解のしやすさ。というのは、また少しあげる事ができます。

大事なのは、自分と相手にとって、良いコミュニケーション方法、あるいは、お互いに理解しやすい方法を考えるという事です。

この点は、難しい点ではあるのですが、その部分を考えられると、もう少し、コミュニケーションは、しやすくなります。

最後に

耳の事を伝える。というのは、すごく難しい事であり、かつ、耳の事を完全に理解してもらう。というのは、基本的にできない事です。

上記の事ですが、どんなに伝え方が上手く行ったとしても、その内容を受け入れるか、受け入れないかは、相手次第になりますので、その点にご注意ください。

中には、耳の事を伝えたとしても、受け入れない、拒否される事もあるかと思います。それは、私自身にもあります。

この点に関しては、誠に申し訳ない限りではあるのですが、伝え方、というより、コミュニケーション方法、あるいは、人間関係の方にまで入るので、どうしても仕方がない事です。

ただ、中には、理解を示してくれる方や「聞きにくいと言っていたけど、その場合、どうしたら良いの?」と聞かれた場合、どのように伝えると良いのか。

そう言ってくださる方がいるのも事実です。

ですので、今回は、その点を踏まえて、こちらの内容に関しては、記載させていただきました。

このような理解を示してくれる方と上手にやっていくためには、どのようにしてもらえると、自分が理解しやすくなるのか。

言い方を変えれば、どうすれば相手のお話が自分に伝わりやすくなるのか。その点を考える事、そして、伝える事が大事になります。

少しずつでも、そういった方々が増えてきたり、あるいは、理解を示してくれる方が出てきた時にご自身の耳の事を伝えられるようになっておく。というのは、非常に大事な事だと、私自身は、考えています。

まとめ

今回は、耳の事を伝える。という所に関して、記載してみました。

耳の事を伝えるというのは、タイミング的なものも難しく、さらに、相手が理解してくれるとは、限らない。というところも相まって、なかなかに難しい問題です。

ただ、中には、理解を示してくれる方もいるのも事実ですので、そのような方々とは、お互いにとって良い関係を築いていけると良いですね。

今回は、そのための方法について、記載させていただきました。少しでもお役に立ったのであれば、幸いです。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、このお店では、実際に補聴器を使っている私自身がご相談を承っています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、実際に補聴器を使っている当事者がご相談を承っています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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