補聴器のFAQ

補聴器の性能(金額)の違いと改善の優先順位

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

今現在、補聴器を選ぶ場合ですが、補聴器の形状の他、補聴器の性能も選ぶ必要があります。

例:フォナックの現行の耳かけ形補聴器になります。

補聴器は、上記のようにグレード別に性能が分かれており、どのグレードを購入するのかによって、だいぶ金額も変化します。

そして、大事なのは、聞こえの改善をしていく場合、優先するのは、意外にも補聴器の性能(金額)ではなく、別の要素の方が改善の影響度が高くなります。

性能は、押さえる所を押さえた後、さらに改善効果を底上げする際に役に立ちますので、まずは、基本となる改善部分を押さえることが大事です。

こちらでは、金額と性能、そして、聞こえの改善について記載するために

  • 補聴器の性能は、何が違うのか
  • 聞こえを改善する場合の選択優先順位

この2つについて、記載していきます。

補聴器の性能は、何が違うのか

補聴器の性能に関して、何が違うのか。

はじめに結論から言いますと、抑制機能が優れているか、そうでないか。それが大きく変わります。

まず、初めの頃の補聴器は、単純に聞こえを改善する機能しかありませんでした。

これは、低下した聴力を補うために音の高さ別(周波数別)に音を大きくする機能のみしかなかった。という状態です。

この時、何が起こったかと言いますと、静かな環境下では、聞こえの改善ができたのですが、騒がしい環境下の場合、周りの音に邪魔されて聞き取りづらさが出てきてしまう。そういった事が起こるようになりました。

さらに、聞こえを改善していく過程で、耳障りに感じる音や聞こえなくても良い音まで聞こえてきてしまい、それらの音がする事で聞き取りづらい。という事も起こるようになりました。

騒がしい環境下の聞こえの改善をする機能が、この指向性と呼ばれるものです。

その事から、補聴器は聞こえを改善する基本的な機能の他、音を抑制する機能をつけ、騒がしい中での聞き取りをなるべく阻害しないようにしたり、

一部の気になる音を抑制する機能をつけるようになりました。

これが、そのまま高い補聴器と価格を抑えた補聴器の違いになります。

価格を抑えた補聴器は、聞こえを改善する部分のみがある事が多く、

高い補聴器は、聞こえを改善する機能にプラスして、音を抑制する機能をつけて快適性をあげたり、補聴器での聞こえの改善が難しかった騒がしい環境でも、もう少し聞こえの改善度をあげたりしてくれます。

だいたいのイメージですが、

  1. 価格は抑えつつ、最低限、聞こえの改善を行えるグレードのクラス
  2. 基本となる聞こえの改善をしっかり行えるグレードのクラス
  3. 聞こえの改善を最大限、行うグレードのクラス

これらを各メーカーは、用意していることが多いです。

イメージですが、価格を抑えつつ…が10万円代、基本となる聞こえの改善…が、20万円代、聞こえの改善を最大限…が、30万以上で区切られている事が多いです。

そして、こちらの場合だと

  • 価格を抑えつつ…が一番下
  • 基本となる聞こえの改善…が下から2番目
  • 聞こえの改善を最大限…が、上2つ

になります。

これが補聴器の金額、そして性能の違いになります。

聞こえを改善する場合の優先順位

では、聞こえを改善する場合の優先順位は、どのように考えていければ良いのでしょうか。

まず、聞こえにくさの改善に関して影響しやすい部分は、

  • 聞こえの補い方(装用する耳)
  • 補聴器の調整

の2つです。

聞こえの補い方とは、どの耳に補聴器を装用して聞こえを改善するか。になり、こちらでは、だいたいが両方の耳に装用する事を意味します。

補聴器の調整は、ご自身の低下した聴力に対して、どのぐらい聞こえを改善したら良いか。の部分で、ご自身の聴力に対して改善できると良い目標値まで、聞こえを改善する事を意味します。

この二つにより、聞こえの改善の8割は決まります。

ですので、本当に聞こえを改善したいなら、ここを初めに押さえていただく事が大事です。

言い方を変えれば

聞こえの補い方+補聴器の調整>補聴器の性能(金額)

になります。

その後に、補聴器の金額に関して出せるのでしたら、良い性能のものを使っていただき、なるべく聞きにくさに困ることを減らしていけると良いです。

そうする事により、より聞こえの改善度をあげやすくなります。

もちろん、中には、両方の耳に補聴器をつけるとなると、価格に関して出しづらい方もいるかと思います。

その場合は、価格を抑えたもので良いので両耳に補聴器を装用し、補聴器の調整の部分で、なるべく改善目標値まで改善できるようにする事をオススメします。

※両耳装用に関しては、あくまでも両方の耳に補聴器を装用して聞こえの改善効果が得られる耳の場合に有効となりますので、その点だけご注意ください。

補聴器の調整の部分(聞こえの改善目標値)は、金額(性能)によって変わることはほとんどありません。

今現在、どの補聴器でも、聞こえの改善の目標値については、なるべく変わらず改善できるようになっています。

補聴器の性能は、確かに大事な部分です。

しかし、それ以上に聞こえの補い方(両耳装用)の効果と補聴器の調整の効果の方が改善に影響する要素は、大きいです。

まずは、基本の部分を押さえていただき、その後に出せる方だけ、良いものを選んでいただく。

そのように考えて、聞こえにくさの改善をしていけると、聞こえの改善に繋げやすくなります。

まとめ

補聴器の性能に関して、記載してみました。

補聴器の性能がどのような部分が異なるのか。その点が気になる方は、多いかと思います。

そして、実際には、高いものの方が聞こえの改善に繋がりやすいといえば、それは、その通りです。

なぜなら、基本的な聞こえの改善だけでは改善できなかった部分を支援する機能が入っているためです。

しかし、それ以上に聞こえの改善に影響するのは、上記の通り、聞こえの補い方(装用する耳)の部分と補聴器の調整の部分です。

ですので、まずは、そこを押さえる事をお勧めします。

そして、お金を出せる方は、さらにプラスα良いものを使っていただき、聞こえにくさの改善度を上げていけると良いです。

価格が出しづらい方は、価格を抑えた補聴器でも良いので、聞こえの補い方(装用する耳)の部分と補聴器の調整の部分は、押さえるようにしましょう。

聞こえを改善する場合、必ず、それぞれの項目に関して、優先順位があるので、その点に注意していただければと思います。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。お客様からは「補聴器を使って良かったです。これから明るく生活できます」「日常生活がスムーズになった」「人に聞き返すことが減り、コミュニケーションに対するストレスが軽くなった」と評価いただくことが多いです。
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