補聴器のFAQ

補聴器を選ぶ際、性能と使いやすさ。どちらを優先したら良い?

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

少し前にお客様から「補聴器を選ぶ際、性能と使いやすさ。どちらを優先すると良い」という質問をいただきました。

確かに、補聴器の性能と使いやすさ。この2つは悩みますよね。聞こえの改善が目的な訳ですから、性能は重視したいし、でもかといって、そのために使いづらいものを選ぶのもなぁ……。

このようにお悩みになるケースは、少なからず、あると思います。

この点に関しては、結論から言うと「補聴器の使いやすさ」こちらを優先した方が良いです。理由は、マイナスの側面は、基本的に慣れる事はほとんどなく、さらに良い側面は、だいたい忘れられるものだからです。

大事なのは、何を得るか。ではなく、何を避けるかです。そこを意識できると良いですね。

今現在の補聴器事情

さて、そもそも、なぜこんな質問をいただいたのか。というところから記載していきます。

今現在、補聴器には、大きく分けて、耳にかけるタイプの耳かけ形補聴器。そして、耳の穴の中に入れて使う耳あな形補聴器。の2つが中心にあります。

そして、基本的に耳かけ形補聴器は、作る側からすると形による制限がほとんどなく、開発しやすい。という特徴があります。

耳あな形補聴器は、耳の穴の中に作る。という事で、強く形状の制限が出ます。

仮に同じ性能のものを作ろうとしても、耳かけ形補聴器より、全ての部品を小型に作る必要があり、その開発の難しさから開発が遅れがちです。

その事から、実は今現在、耳かけ形補聴器の方が開発が進み、耳あな形補聴器の開発は、少し遅れている状態です。

もちろん、この点は、補聴器を使っている人の割合として、だいたい3人に2人は、耳かけ形補聴器を使っている。というニーズ的なもの。市場的なものも含まれています。

ここでの問題は、今現在、マスクを使う生活が当たり前になり、耳かけ形補聴器の方が開発が進んでいるため、耳かけ形補聴器の方が性能が良いものが多い。

でも、耳かけ形補聴器だと、マスクやメガネ。そういったものを使う場合、ちょっと邪魔に感じやすいし、仮に使ってみた時にそういった煩わしさを感じてしまう。あるいは、それは、ない方が良い。

こうなった場合、性能(耳かけ形補聴器)を取るべきか、使いやすさ(耳あな形補聴器)を取るべきか。悩む。というケースがあります。

こちらに関する回答は、絶対に使いやすさを取った方が良い。という事です。

使いやすさを優先する2つの理由

こちらに関しては、大きく分けると2つ理由があります。

  • 使いにくいものは、長く使うことができない
  • 基本的にプラスを増やすより、マイナスを減らす方が充実しやすい

の2つです。

使いにくいものは、長く使うことができない

まず、一つは、使いにくいものは、長く使うことができない。ここがあります。

どういう事かと言いますと、使いづらいものは、使う度に使いづらさを感じてしまいますので、そのことによる鬱陶しさ、さらに、使えば使うほど、その感覚を感じやすいため、初めはいいかもしれないのですが、続ける事でストレスが徐々に溜まってきやすくなります。

特に補聴器は耳に慣れてくると、毎日使ったり、長時間、耳に使うものになりますので、使う度にその使いづらさを感じることになります。

この場合、聞こえが良くなった感覚より、使いづらさが勝ってしまい、聞こえが良くなった。と喜ぶより「使いにくいな……」という負の感情の方が強くなったり、残りやすくなります。

使う頻度が高いものは、ここに気をつける必要があり、かつ、長期的に考えると負の要素が高くなります。

基本的にプラスを増やすより、マイナスを減らす方が充実しやすい

これは、補聴器に限った話ではないのですが、基本的に物事は、プラスを増やすより、マイナスを減らした方が充実しやすいです。

人生においても、病気にならなければ、それだけ、病気に時間を取られなくなりますし、お金も取られなくなります。

いくらお金があったり、時間があっても、大病を患ってしまえば、そのプラスの部分は、マイナスの部分に使わざるを得なくなります。

何かに依存してしまう依存症。さらには、慢性的なストレス。こういったものは、ない方が楽ですし、幸せになる方法というのは、多くのものを得る。というよりも、自分の人生においてマイナスなものを避けることによって、得られる事が大半です。

補聴器も全く同じで、性能よりも、マイナスな部分を極力減らす。そうできると、使いやすい補聴器になりますし、毎日、自然に使うことができるようになります。

聞こえの改善は、確かに大事なのですが、それ以上に大事になるのは、土台となる部分です。使いづらいものは、使う度にマイナスな気分になりますので、そういったものは、できるだけ無くしていけると良いです。

良くなる事より、悪くなる事を避ける方が大事。という事ですね。

悪くなる事を避ければ、良い部分は、自ずと顔を出してくれますので、マイナスの部分を避けることに集中することが大事です。

まとめ

補聴器の選択に関して、迷うものに関して、記載してみました。

今現在、迷いやすいのは、耳かけ形にするか、耳あな形にするか。の2つですね。性能を重視するか、使いやすさを重視するか。の2つです。

考え方として大事な事は、「必ず長期的にみて得をする方を選ぶ」という事に意識を向ける事です。

使いやすい方を選ぶ。というのも、プラスを増やすより、マイナスを減らす。も、どちらも長期的にみて、得をする方を選ぶ。この考え方になります。

聞こえを改善されるけど、使いづらさを感じると、使うたびにストレスがたまり、短期的には良いかもしれませんが、長期的に考えると、徐々にストレスが溜まるようになりますので、長期的には、マイナスです。

ですので、このお店では、基本的にご自身にとって使いやすいもの。こちらを基本に考えています。マイナスの部分が減れば、自ずと良いところは、顔を出してくれますので、スムーズに活用できるようになります。

基本的には、補聴器も人生も、プラスの部分を多くするより、マイナスの部分を減らす方が良くなります。

ここを覚えておけると良いですね。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

記事URLをコピーしました