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電話が聞きにくい人に向けた電話の改善方法まとめ

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

難聴の人が困る要素の一つに「電話が聞きにくい」があります。

電話は、相手が見えない。という事。さらに音が肉声ではなく、機械的な音である事から、聞きにくい人には、だいぶ聞きにくさを感じやすい傾向が出てきます。

補聴器をつけることによって、もちろん、電話を聞きやすくする事もできるのですが、実は、補聴器は、少々、電話は相性が悪い状態になります。

ですので、今回、こちらでは、電話が聞きにくい人に向けて、電話の改善方法に関して、まとめていきます。

なお、こちらでは、携帯電話(スマホ)の場合と固定電話の場合で分けて記載していきます。

どちらも電話という括りでは同じですが、改善方法が少し異なります。

携帯電話の改善

携帯電話の聞こえを改善する方法には、大きく分けると

  • 補聴器、あるいは、そのままの耳で聞く
  • Bluetooth付の補聴器で、直接、電話の音声を聞く

の2つがあります。

補聴器、あるいは、そのままの耳で聞く

そのままの耳でまだ聞こえたり、あるいは、補聴器をつけて、聞こえを改善する方法がこちらです。

最も一般的といえば、一般的で、もしこちらで改善できるのであれば、こちらで改善できると良いものでもあります。

補聴器の形によって、電話の仕方は、変化するのですが、耳の穴の中に入れて使う補聴器の場合は、そのまま今まで通り、電話を行なっていただければ、電話の音声は、補聴器がない状態よりは、わかりやすいかもしれません。

耳かけ形補聴器で電話を聞く場合は、音を拾うマイクが耳の付け根の部分、普段の耳の穴の部分で音を拾っているわけではなく、耳の付け根のところに補聴器があり、そこから、音を拾っていますので、そこまで、受話器を上に持ってきて、電話をする必要があります。

ですので、耳かけ形補聴器は、少し電話がしづらいです。表現が少し難しいのですが、仮にスマホから音を出して、電話の音声を聞く場合は、耳あな形補聴器の方が使いやすくなります。

このようにして聞こえるようにするのは、今のところ、一般的になります。

Bluetooth付の補聴器で、直接、電話の音声を聞く

最近の補聴器は、スマートフォンと接続する事が可能になり、電話の音声、動画、iTunesの音楽など、直接、補聴器に流せるようになりました。

その事により、電話の音声が出る部分をそのまま補聴器に近づけるより、だいぶ聞き取りやすくなり、仮に電話の聞き取りの改善をしっかり考える場合は、このBluetooth付の補聴器で電話を聞けるようにすると良いです。

イメージとしては、ワイヤレスイヤホンです。あちらと同じような事が補聴器にもできるようになりました。

もちろん、携帯電話、あるいは、スマホに関してもBluetoothが入っている事が前提ですが、そのようなスマホを持っているのでしたら、電話の音声は、こちらが聞きやすくなります。

今現在、耳かけ形補聴器には、ほとんどのものが標準で入っており、耳あな形補聴器は、CIC補聴器という小型のものは、入っていないものの、ITC補聴器という少し大きめの補聴器には入っています。

ですので、仮に電話の音声をより良くするのでしたら、こちらがオススメです。

備考:それぞれの電話の改善効果について

上記には、携帯電話、スマホの電話に関する改善についてまとめてみましたが、どれがどれだけ、聞こえの改善効果が得られるのか。わかりづらいかと思います。

それに関してですが、

  • 耳かけ形補聴器:★★☆☆☆
  • 耳あな形補聴器:★★★☆☆
  • Bluetooth付補聴器:★★★★★

黒い星の数が多いと多いほど、聞こえの改善がしやすく、少ないと効果が落ちやすい。という状態です。

まず、補聴器の中で一番、電話が改善しづらいのは、耳かけ形補聴器になります。耳かけ形補聴器は、耳の上に補聴器が乗っており、さらに電話の当て方によって、聞こえが変わります。

ですので、上手に当てないと電話が聞きづらく、さらに電話と補聴器の相性はあまり良いとは言えず、電話の音声を補聴器で聞くと、機械っぽい感覚がより機械っぽい感覚に感じ、一部、何を言っているのかよくわからない。という事が起こりやすくなります。

ですので、その部分を評価すると、耳かけ形補聴器は、一番、電話の聞こえの改善には、向きません。

耳あな形補聴器の場合は、耳の穴の中に入れて使うため、今まで通り、電話に関しては、できます。もちろん、それで聞こえを改善できるのが一番良いのですが、一部、耳かけ形補聴器と同じように音が高く聞こえすぎてしまい、音声がわかりづらい。という事が起こりやすくなります。

その観点から、耳あな形補聴器は、二番目に改善しやすいものになります。

最後、Bluetooth付補聴器に関しては、今まで補聴器では、そのまま電話を聞くと機械っぽい感覚が強くなってしまう事から、補聴器の中に直接音を入れ、聞こえを改善するため、上記の補聴器で音を聞くより、だいぶ聞きやすくなります。

その事から、今現在、一番聞こえを改善しやすいのは、Bluetooth付補聴器です。仮に電話の改善をなんとしてでもしたい。という方は、Bluetooth付補聴器の方が、良いです。

補聴器でそのまま電話の音声を聞くと機械っぽい感覚がかなり強くなってしまうので、直接、補聴器は電話を補聴器側で受け取れるようにし、聞こえをより良くできるようにしてきた。という経緯が実はあったりします。

固定電話の改善

固定電話でも聞きづらさが出る事があります。むしろ、人によっては、職場にある固定電話、あるいは、家にある固定電話が聞きづらくて、お困りの方もいるかもしれません。

この場合における改善ですが、

  • 補聴器、あるいは、そのままの耳で聞く
  • 電話機の音量を上げられる道具を使う

の2つがあります。

補聴器、あるいは、そのままの耳で聞く

こちらは、そのままの耳で聞いて問題ない方やあるいは、補聴器を使って、そのまま電話の音声を聞く方法です。

補聴器を使っている方の場合、基本的には、この方法で改善できるのであれば一番良いです。しかし、上記で記載した通り、補聴器と電話、電話というより電子機器との相性ですが、これは、悪く、改善できる方となかなか改善できない方がいます。

耳かけ形補聴器の場合は、マイクが耳の上にありますので、そこに受話器を当てるようにしましょう。

耳あな形補聴器は、今まで通り、受話器を取っていただければ大丈夫です。そして、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器の2つだと、耳あな形補聴器の方が、電話は改善しやすくなります。

電話機の音量を上げられる道具を使う

こちらは、補聴器を使わず、単純に電話機の音量を上げられる道具を使い、電話を聞きやすくする方法です。

このお店の場合、ご年配の方のご自宅にこのような道具をつけたり、一部の人の職場にこのようなものをつけさせてもらい、補聴器がない状態で、電話機の音を直接大きくする事で、聞こえを改善しやすくする事もあります。

上記にも記載した通り、補聴器と電子機器の相性は悪く、補聴器で音を聞くと、機械っぽい感覚が強くなってしまい、音は、聞こえるけれども、何を言っているのかよくわからない。という風になる事が多々あります。

そこで、電話機そのものの音量を大きくするテレアンプⅢという道具や

スマイルキッズの電話機増幅器を使う事で、今まで聞こえていた音量より大きい音を出せるようにして、聞こえるようにする。という方法があります。

お金は、そこまでかかる訳ではなく、1万円以内で今は済むようになっています。

実際に使う方法には、補聴器なしで電話機の音量を大きくする道具を電話機につけ、そのまま使う方法から、電話機にそれをつけ、さらに補聴器で聞く。という方法まであります。

仮に補聴器なしで聞けるのでしたら、補聴器なしで聞いた方が、音が響く感覚はかなり少なくなりますので、その方が聞きやすかったりします。

固定電話の場合は、このような改善方法もあります。

備考:それぞれの聞こえの改善効果について

こちらについてもまとめていきたいと思います。体感ですが、

  • 耳かけ形補聴器:★★☆☆☆
  • 耳あな形補聴器:★★★☆☆
  • 電話機の音声をあげる道具:★★★★☆

このようになります。上記と同じように黒い星の数が多いと多いほど、聞きやすい状態になります。

固定電話に関しても、耳かけ形補聴器が一番改善しづらく、耳かけ形補聴器は、電話の場合、受話器を上にづらして行う必要があるため、慣れないとちょっと難しいです。

その点、耳あな形補聴器に関しては、そのままできますので、その分の楽さはあります。

が、音が響いてしまい、聞きにくい事もありますので、一番、改善しやすいのは、電話機の音量をあげる道具をつけることになります。

ちょっと星の数は、悩みどころなのですが、だいたい4〜5個ぐらいでしょうか。補聴器なしの状態でも聞こえるようになる方であれば、だいぶ聞き取りは、よくなります。

電話に関しては、音が聞こえる。というより話の内容をわかりやすくする事が大事になりますので、実は、こういった道具の方が改善しやすい。ということは、多々あったりします。

まとめ

電話に関して、聞きにくさを感じている方に向けて、こちらに関して、まとめてみました。

どれにも共通するのですが、仮に耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器の場合は、耳あな形の方が電話は扱いやすさによる改善のしやすさがあります。

ただ、聞こえの改善になってくると、Bluetooth付補聴器や固定電話の場合は、テレアンプⅢなどの電話機の音声を直接大きくする道具を使った方が改善はしやすくなります。

電話は補聴器と相性が悪いので、こういった道具を使う事で、より改善しやすくすることもできます。

以上、電話に関しての改善のまとめてでした。お役に立つ部分があったのであれば、幸いです。

この記事を書いた人
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳から補聴器を使用。スティックラー症候群という遺伝性の病気で、その症状の一つとして感音性難聴があります(中等度の難聴)。生まれは静岡県藤岡市、育ちは千葉県市川市。色々なものの見方、考え方を知るのが好きで、本を読んだり、人の話を聞き、自分の生活の改善に活かしていくのが好き。

補聴器を使っている当事者だからこそできる補聴器のご相談、サポートがあります

「補聴器を使って良かったです。これから明るく生活できます」50代・女性

「思っていたよりも使いやすく日常生活がスムーズになった」40代・女性

「診断では、まだより悪化してからのもの、という印象がありためらっていたので、何より自分の聴こえが改善できるということに嬉しさを覚えました」30代・女性

などなど、ご評価いただいています。

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